現在の価値で数億円の超高級車も!石坂浩二の愛車をズラリ再現した凄腕モデラー集団の熱量が凄すぎる件<静岡ホビーショー・モデラー展>

極上ライフ おとなの秘密基地

  • 「極上ライフ おとなの秘密基地」の取材陣も驚愕したパネル

    「極上ライフ おとなの秘密基地」の取材陣も驚愕したパネル

静岡県で開催された国内最大級のホビーイベント「静岡ホビーショー」。その一角を占める「モデラーズクラブ合同作品展」には、全国から腕に覚えのある凄腕モデラーたちが集結していました。

数あるブースの中でも、ひときわ熱狂的な人だかりと異彩を放つ展示を発見。ブースの看板には「ろうがんず」の文字。そう、俳優の石坂浩二さんが会長を務める有名なプラモデルクラブです。

展示卓の上にずらりと並べられていたのは、見事な出来栄えのカーモデルたち。しかし、ただの名車コレクションではありません。

解説を務めてくれたクラブメンバーの松井康真さん(元テレビ朝日アナウンサー)が、興奮気味にその秘密を明かしてくれました。

本人は「やめてくれ」と大反対!5年越しの強行突破で実現した会長の愛車年表

  • 熱っぽく展示のこだわりを語るモデラーズクラブ「ろうがんず」の松井康真さん

    熱っぽく展示のこだわりを語るモデラーズクラブ「ろうがんず」の松井康真さん

――展示が本当に見事ですね!ずらりと並んだ車にはどんなテーマがあるのでしょうか?

「我らが会長である石坂浩二さんが、これまでの人生で乗った車をすべて1/24のプラモデルで作る、というテーマなんです」

――すべて石坂さん個人の愛車ですか!?すごい数ですね……!

「はい、これ全部石坂浩二さん個人が乗っていた車です。なおかつ、色も型番も全部同じに忠実に再現しています」

普通、プラモデルの展示といえば自分の好きな車や憧れのスポーツカーを作るのが一般的です。しかし「ろうがんず」が挑んだのは、一人の人間の愛車遍歴をまるごとミニチュア化するという前代未聞のプロジェクト。

会場の壁面には、石坂さんがいつ・どの作品に出演していた時期に何の車に乗っていたのかがわかる巨大な愛車年表まで設置されていました。

  • 出演作や当時の出来事とともに愛車が刻まれた巨大な年表パネル

    出演作や当時の出来事とともに愛車が刻まれた巨大な年表パネル

「当時、石坂さんがどのテレビに何を……、だから『ウルトラマン』のナレーションをやっていた頃には『トヨタ スポーツ800』に乗っていたとか、映画にお出になった時のものとかがわかるようになっています」

――ある意味、赤裸々な人生がここに映し出されていますね(笑)

「そうなんですよ(笑)ただ、車を並べるのはいいんだけど、石坂会長からは『これだけはやめてくれよ』と言われていまして。『いえいえいえ!』と言って強行しました(笑)」

本人は照れくささから「勘弁してくれ」と拒否していたものの、周囲のモデラーたちは「絶対に面白い!」と大盛り上がり。なんと5年もの歳月をかけて構想を温め、会長の制止を押し切って完成させたというから驚きです。

買うと数億円!?伝説の超高級スーパーカーまであり幻の図鑑が発行されるレベル

  • 今や現存車すらほとんどないと言われる伝説のスーパーカー「ランボルギーニ・イオタ」

    今や現存車すらほとんどないと言われる伝説のスーパーカー「ランボルギーニ・イオタ」

展示卓をよく見ると、誰もが知る超高級車や、自動車史に名を残す名車がズラリ。

「ランボルギーニ イオタとかカウンタックとか乗ってらっしゃったんです。今買うと数億円するような車ですよ」

――数億円……!現物すらなかなか見られない伝説の車ばかりですね。

「今現在、会長が乗ってらっしゃるフェラーリの『458イタリア』もあります。会長の家に行くと、本当に車庫に置いてありますよ」

  • 現在も石坂さんのガレージに眠るという黄色の「フェラーリ 458イタリア」

    現在も石坂さんのガレージに眠るという黄色の「フェラーリ 458イタリア」

さらに展示卓の一角には、車模型の横に古い絵本のような冊子が置かれていました。

  • 当時出版されていた実物!『石坂浩二兄さんのフェラーリずかん』

    当時出版されていた実物!『石坂浩二兄さんのフェラーリずかん』

「これが当時出していた『石坂浩二兄さんのフェラーリずかん』。石坂さんがフェラーリに乗っていた当時の絵本が出ているんです」

――個人でフェラーリの図鑑が出ちゃうなんて、やっぱりスケールが違いますね……!

キットがないなら木から削り出す!?凄腕たちの変態的技術を知ってびっくり仰天

  • 市販キットが存在しないため、ゼロから手作りされた「ダットサン ブルーバード310」

    市販キットが存在しないため、ゼロから手作りされた「ダットサン ブルーバード310」

しかし、この展示の本当の凄さは車種の豪華さだけではありません。モデラーたちの技術の狂気にあります。

半世紀以上前の愛車の中には、当然プラモデルのキットとして発売されていない車種もあります。そんな時、彼らはどうするのか?

「プラモデルになってないものは、あるカーモデラーのすごいのがいまして、フルスクラッチ(完全自作)で作っています」

――このブルーバード310、プラモデルじゃないんですか!?

「こんなプラモデルはないので、ゼロから作っています。手掛けたのはメンバーのダッツ松本さんです」

ちょうどブースに現れた製作者のダッツ松本さんが、ひっくり返して車体の裏側を見せてくれました。

  • 裏返すと衝撃!人工樹脂木材(ケミカルウッド)から削り出された痕跡が

    裏返すと衝撃!人工樹脂木材(ケミカルウッド)から削り出された痕跡が

「後ろをひっくり返すと、木で作ったのが丸わかりなんです。ケミカルウッドという人工の樹脂木材を使って削り出しました」

――えええっ!木彫りで作った車に塗装して、本物そっくりのミニカーに仕上げたんですか!?

プラモデルのパーツを組み立てるのではなく、固まりの樹脂木材からヤスリやナイフで車の形を削り出し、窓やタイヤをはめ込んで完全再現。まさに神業と呼ぶにふさわしい技術です。

変な茶色を再現するために15回重ね塗り!?難しすぎる色まで執念で徹底的に再現

  • 絶版キットを入手し、当時のカタログをオークションで落札して色の再現に挑んだクラウン

    絶版キットを入手し、当時のカタログをオークションで落札して色の再現に挑んだクラウン

技術のこだわりは塗装にも及んでいました。松井さんが自ら製作した「トヨタ クラウン」の模型を見せてくれました。

「これはオオタキという、もう存在しないメーカーの絶版キットなんです。僕が元々持っていたので作ったんですが、石坂会長に色を聞いたら『変な茶色だった』と言われて(笑)」

――変な茶色……!色の指定が難しすぎますね(笑)

「型番から1974年発売とわかったので、当時の本物のカタログをオークションで入手しまして。掲載されている4種類の色を見せて『これですか?』と聞いたら『これだ!』と。パネルの内装の色まで合わせて作りました。しかも、15回も塗装を重ねています」

さらに、松井さんが作ったもう1台「BMW M1」では、さらなる塗膜の地獄が待っていました。

  • 独特の重厚な光沢を放つメタリックブラウンのBMW M1

    独特の重厚な光沢を放つメタリックブラウンのBMW M1

「これも石坂会長から『メタリックブラウンだった』と言われたんです。でもBMW M1でそんな色の実車、検索しても出てこないんですよ。みんな赤か白ばかりで。特注色だったんでしょうね」

実在したという証明もないまま、会長の記憶だけを頼りに色の再現が始まります。

「通常は銀色の上に透明なクリアブラウンを塗るんですが、塗膜を強くするために下地に『ゴールド(金)』を全面的に吹き付けたんです。その上にクリアブラウンを何度も何度も重ね塗りしました」

――車のボディのような深みのある光沢は、そうやって作られていたんですね。

「仕上げたらまたホコリが入って(笑)、また磨いての繰り返しですよ」

世界一のペインターも参戦!石坂浩二さんフィギュアに命が宿る

  • 若き日の石坂浩二さんの顔写真を3Dスキャンして作られた極小フィギュア

    若き日の石坂浩二さんの顔写真を3Dスキャンして作られた極小フィギュア

展示の細部を覗き込むと、それぞれの車の横に白いツナギを着た小さな男性フィギュアが立っています。

「実はこのフィギュア、石坂浩二さんの若い頃の写真から3Dスキャンして、プロの方に頼んで作った人形なんです」

そして、塗装された完成品フィギュアの顔を拡大して見せてもらうと、取材陣から「えええーっ!?」と悲鳴のような歓声が上がりました。

  • 米粒ほどの顔の中に、若き日の石坂浩二さんの目鼻立ちや陰影が完璧に塗装されている!

    米粒ほどの顔の中に、若き日の石坂浩二さんの目鼻立ちや陰影が完璧に塗装されている!

指先ほどの小さな人形なのに、まぶたのシャドウや唇の質感、若き日の石坂さんの精悍な表情が完全にリアルな絵画レベルで描かれているのです。

「これ、世界的なペインターのカカルビン・タン先生が塗ってくださったんです。顔をアップで撮ると、とんでもないことになっていますよ」

たまたま会場を訪れていたシンガポール出身の世界最高峰ペインター、カルビン・タン氏が「ろうがんず」の熱量に感動し、友情出演で塗装を手掛けたとのこと。

  • 会場に駆けつけていた世界最高峰のペインター、カルビン・タン氏(左)

    会場に駆けつけていた世界最高峰のペインター、カルビン・タン氏(左)

大好きな一人の大人の人生を再現するために、凄腕モデラーたちが持てる技術のすべてを注ぎ込み、果ては世界のトップ職人まで巻き込んで完成させた愛車コレクション。

「大人になっても、ここまで本気で遊べるんだ!」という圧倒的な熱量と楽しさが伝わってくる、最高に胸が熱くなる取材となりました。

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