ドライバー不足と言われる現在、物流業界で注目を集めているのが「ダブル連結トラック」。トラックの荷台の後ろにもう1台荷台を連結し、2台分の荷物を一度に運べる超巨大なトラックです。
今回は、ダブル連結トラックの運転に必要な技術を指導するベテランドライバーが最高難度の激ムズ駐車に挑戦! 超巨大なトラックを自由自在に操る運転技術を見せてもらいました。
巨大トラックを操るにはプロドライバーの卓越した技術が必要
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とよはし産業人材育成センター
訪問したのは、豊橋市にあるとよはし産業人材育成センター。トレーラー製造で日本トップシェアを誇る日本トレクスがドライビングスクールとして運営しており、プロドライバーが集まってダブル連結トラックの運転に必要な運転技術を身につけています。
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2台のモニターで死角を最小限に
施設にあるのは全長が25mもある日本最大級のダブル連結トラック。運転席にはバックモニターと左サイドモニターが設置され、死角を最小限に抑える工夫がされています。
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クランクを抜けるにも高い運転技術が必要
今までの2倍の荷物を運べるダブル連結トラックですが、その大きさゆえに運転には高い技術が必要となります。例えば狭い道を直角に曲がって抜けていく「クランク」では、内輪差を考慮しながら大きくハンドルを操作することが必要。道幅をいっぱいまで使い、大きな車体を操ってカーブする技術が求められます。
「バックでの駐車」は至難の業
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大ベテランドライバーでも、まっすぐ下がれない
ダブル連結トラックの運転で最も難しいのが「バックでの駐車」。トレーラーの連結部は小回りが効くように両側が動く設計となっているため、「トレーラーで10年20年乗っていた人でもまっすぐ下がれない」といわれるほど高難度です。
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ダブル連結トラック 開発ドライバー 中根和弘さん
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複雑なコースを抜けた先に待つ、難関駐車場
激ムズ駐車に挑戦するのは、ダブル連結トラックの開発ドライバーである中根和弘さん。まっすぐにバックするだけでも難しい中、交差点をバックで曲がりしながら4m幅の駐車スペースに納めるという、複雑な駐車にチャレンジします。
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細かくハンドルを切りコントロール
最初の直線では車体の動きに合わせて左右に細かくハンドルを切りコントロール。前のトラックは左右に揺れながらも、後ろの荷台はゆっくりとまっすぐ下がっていきます。
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荷台の傾きを目視しながら調整
サイドミラーやモニターは一切見ることなく、荷台の動きを直接目視しながらハンドルを操作。難関である交差点のカーブも一発でクリアしていきます。
カーブを抜けたら、幅4mの駐車スペースに入れればゴール。しかし、壁との距離はわずかしかなく。少しでもブレればぶつかってしまいます。達人がゆっくりと車体を下げていくと、壁ギリギリの隙間を残して無事に駐車成功!
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無事に駐車成功!
このダブル連結トラックのバック駐車ができるのは、日本トレクスの中でも中根さんただ1人だそう。神技を持つ達人・中根さんは、ダブル連結トラックの開発にも関わる一方で、運転技術の指導も担当しています。
中根さんのように、複雑なコースや駐車場を攻略するトラックドライバーがいるからこそ、安心・安全に荷物が届けられているのですね。
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