トヨタのホットハッチバックとして、車好きを熱狂させているトヨタGRヤリス。2023年に開催されたGRヤリスのファンミーティングにおいて、ワイドボディキットを身にまとった競技用車両のオーナーに密着しました。
レース仕様に大改造
-
大型のブリスターフェンダーが目を引くパンデムヤリスさんのGRヤリス
今回の秘密基地の主であるパンデムヤリスさんのGRヤリスは、街乗りではほとんど使用せず、サーキット走行に特化した本格的な車両です。
もともとGRヤリスはサーキット走行にも耐えうるスペックですが、パンデムヤリスさんの車両はメインサーキットである富士スピードウェイ向けのセッティングにカスタマイズ。そのため、純正パーツは殆どありません。
-
不安のあったブレーキ周りはbrembo社6ポッドキャリパー&355×32 2ピースマルチスロットローターで対応
ブレーキもノーマルだとフェード気味で性能に不安があったので、brembo社のブレーキシステムに換装しました。
TRA KYOTO PANDEMフルキットの特徴
-
迫力のエクステリアを誇るTRA KYOTO PANDEMフルキットは「ケイ・ミウラ」氏のデザインによるもの
またパンデムヤリスさんのGRヤリスは、TRA KYOTO PANDEMフルキットを装着。フロント、リアのブリスターフェンダーはノーマル比でフロント片側+55㎜、リア片側+70㎜拡大されていますが、見た目の迫力ではなく、あくまでサーキット走行で高いポテンシャルを発揮するために選択しました。
-
リアはノーマル比+140mmのワイドボディはサーキット走行でのコーナリングを安定させるため
フロント部の大型カナード(整流板)は空力だけでなく、ブレーキダクトへの冷却風を送るために装備されているなど、計算し尽くされたボディラインに。街乗り用のGRヤリスとは一線を画します。
-
カナードは空気抵抗の削減だけなくブレーキ周りに走行風を送る機能も兼ね備えている
エンジンのこだわり
-
エンジン周りは以前エンジンマネジメントシステムを導入して点火タイミングの変更も行っていたが、エンジンブローが発生したため現在では吸排気系のみのチューニング
エンジンは、サーキット走行に合わせたチューニングが施されています。Revolution社キャタライザーやFUJITUBO社チタンマフラー、EVENTURI社エアインテークシステムなど、吸排気系のチューニングがメインで最高出力330馬力を誇ります。
-
ブレイズ社の自動消火システムは電源不要で黒いホース状の消化パイプが瞬時に初期消火を行う優れモノ
さらに、過去にエンジンブローによる火災に見舞われたため、車両火災から守るためにブレイズ社の自動消火システムを導入。ブレイズ社の自動消火システムはエンジン内の温度が120度に達すると、チューブから自動的に消火剤が噴霧される仕組みになっています。
内装もフルカスタム・消火器を装備
-
内装もレース仕様にフルカスタム
パンデムヤリスさんのGRヤリスは、内装もフルカスタマイズされています。シートはBRIDE社フルバケットシート、ステアリングはWorks Bell社クイックリリースに対応するなど、サーキット走行を前提としたパーツに換装済みです。
ほかにも必要な情報を自由にカスタマイズできるAEMマルチモニターも導入しています。
-
5インチのマルチモニターは油温や水温の情報だけでなく、表示方法も自由に作成可能
-
4点ロールゲージ装着に伴いシートが可倒しないため4名乗車で公認を取得している
-
エンジンブローの経験から火災には敏感。ブレイズ社の自動消火システム以外にもシート下とハッチ内に消火器を常備
富士スピードウェイで限界走行!
-
富士スピードウェイでの走行シーン。330馬力をフル活用できるのはサーキットだけ
パンデムヤリスさんのGRヤリスを富士スピードウェイに持ち込んだときの限界走行のひとコマ。1.6Lの排気量にも関わらずストレートスピードは217kmを誇り、格上のホンダ「シビック タイプR」を抜き去ることができるほどのスペックでした。
-
ガレージに保管されているパンデムヤリスさんのGRヤリス。市街地走行はほとんど行わず、自力で整備することがほとんどなのだとか
動画を見る
この記事の番組を動画配信で観る
この記事をシェアする