「技術だけじゃなく情熱・想いをくみ取る」審査員の山田卓司・金子辰也が語る"浜松ジオラマグランプリの魅力"

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  • 浜松ジオラマグランプリ 会場内の様子

全国の模型愛好家やプラモデラーがジオラマ作品を展示するイベント「第14回 浜松ジオラマグランプリ」が、2025年8月21日から24日、静岡県のザザシティ浜松で行われました。今年は全国から50点のジオラマ作品が集結。「魅力的な作品ばかりで、迷いに迷っています」と、第1回から審査員を務めるプロモデラーの山田卓司さんと金子辰也さんは話します。

2025年はどんな作品が展示されたのでしょうか。審査員の2人に浜松ジオラマグランプリの奥深い魅力を語ってもらいました。

審査方法が変わった2025年の「浜松ジオラマグランプリ」

  • 「浜松ジオラマグランプリ」ポスタービジュアル

今回の浜松ジオラマグランプリは、応募枠を「マスタークラス」と「一般クラス」の2つに分類。過去の大会で1回以上グランプリを受賞した人はマスタークラスとして展示され、それぞれのクラスの審査基準に沿って審査されました。

――2012年に第1回が開催されて以降、金子さんと山田さんは審査員を務めています。2025年の浜松ジオラマグランプリの様子はいかがでしたか。

  • 金子辰也さん

    金子辰也さん

金子辰也さん(以下、金子):「今年もたくさんの方に足を運んでいただいて、このコンテストを楽しみにしているという気持ちを肌で感じました。自分で作ったジオラマで、公序良俗に反しなければどんなものでも良い。日本では唯一のジオラマコンテストですよね」

  • 山田卓司さん

    山田卓司さん

山田卓司さん(以下、山田):「今年も素晴らしい作品ばかりで、驚かされましたね。仕事では『これを入れないと……』と制約がありますが、コンテストなので、自由に製作できるのが良い。応募作品を見て、うらやましく思う場面もありました(笑)」

  • 浜松ジオラマグランプリの会場内の様子

    浜松ジオラマグランプリの会場内の様子

――初参加の方が増えて、活気にあふれていますよね。

金子:「2024年あたりから随分増えてきて、それだけ全国的に認知もされてきているんだな、と感じました。初参加の方が出てくると新しい風が吹くので、ジオラマの見せ方や作品の表現の仕方が僕たちの刺激になって、すごく勉強になります」

山田:「クオリティーの高い作品が年々増えていますよね。毎年研究してクオリティーが上がっている常連の参加者だけでなく、初めて出展された方の技術も素晴らしかったですね」

「こんなジオラマを作りたい」作り手の情熱を評価

  • 「マスタークラス」でグランプリを受賞した青山祐司さんの作品

    「マスタークラス」でグランプリを受賞した青山祐司さんの作品

――毎回「迷いに迷っている」という審査ですが、今年はいかがでしたか。

山田:「難しかったですね。プラモデルのコンテストなら、キットをいかにうまく活用して作るかが重要なポイントになりますが、浜松ジオラマグランプリは自分の作りたい世界観を一から作って、評価する側面があります。作者の言いたいことがストレートに伝わる、力強い作品がたくさんあって悩みました」

金子:「毎回、審査は悩みますよね(笑)。僕はテーマや『こんなことをやりたかったんだ』という部分に注目して、審査していました。技術だけで審査しているわけではないからです。お子さんたちの豊かな感性で表現したもののほうが、ぐっとくることもあるんですよ。

技術は、作品に説得力を持たせるものです。技術だけがあっても、それは工作が上手なだけになってしまう。情熱を持って作れば、自然と見ている人にも評価してもらえると思います」

  • 「浜松ジオラマグランプリ」に展示された作品

――技術は情報をプラスするものである、と。

金子:「技術だけで審査していくと、初めて作った人と10 年・20 年とジオラマづくりをしている人とでは差が出てしまいますよね。ジオラマってそうじゃないんです。その人の思いをどれだけ表現できるか、表現したいかという気持ちが一番大事。僕たちも、作り手の情熱や伝えたい思いをくみ取れように心がけています。

技術の良し悪しは気にせず、今後も多くの方に応募してもらえるとうれしいですね」

  • グランプリ大賞となったゆうさんの作品「なつかしの街角」

    グランプリ大賞となったゆうさんの作品「なつかしの街角」

2025年の「浜松ジオラマグランプリ」入賞作品は、浜松市中央区のザザシティ浜松1階「浜松ジオラマファクトリー」に1年間、展示される予定です。ジオラマ作品の小さな世界に息づく、無限の物語――。緻密に、そしてリアルに表現されたミニチュア模型を、さまざまな角度から観察してみてはいかがでしょう!

第14回「浜松ジオラマグランプリ」入賞作品

◇審査員賞
・グランプリ大賞

No.21『なつかしの街角』ゆうさん(静岡県)

・準グランプリ
No.32『宿場町』岡田 次雄(埼玉県)

・新人賞
No.40『祠』なえなえ(初参加・奈良県)

・山田卓司 賞
No.36『光の庭』ラトキエ(愛知県)

・金子辰也 賞
No.9『KY(危険予知)ジオラマ』ただのねこずき(初参加・山梨県)

・美海きょうこ 賞
No.33『スラッグ渓谷の朝』Senbei(埼玉県)

・浜松美術館 館長賞
No.25『居酒屋「喰い処」』あらみち(初参加・愛知県)

・グランドマスター
・一般投票1位
No.30『百鬼夜行 ~月光東照号のパレード~』青山 祐司(愛知県)

◇専門誌賞
・月刊ホビージャパン
No.51『野良猫』猫又心響(ねこまたしおん)(初参加・埼玉県)

・月刊モデルアート
No.29『英王立救難艇協会 lifeboats port base』東 伸浩(大阪府)

◇協賛社賞
・アスナロウモデル 賞
No.27『ゴジラ対キングギドラ 東京マグマ大決戦』脇谷 径(三重県)

・ファインモールド 賞
No.17『SANCTUARY』FUKU_HANDS(初参加・大阪)

・M.S Models 賞
No.14『square 8』diorama radio(初参加・京都府)

・日本ユニバーサルカラー協会 賞
No.2『STAR WARS 新たなる希望』SOL(三重県)

・津川洋行 賞
No.48『紡績工場跡』あにtaka(愛知県)

・さかつう 賞
No.20『Christmas Tram』ノブえもん(愛知県)

・うなぎパイ 賞
No.13『ジブリの森の美術館』くろすけ(初参加・神奈川県)

・タミヤ 賞
No.49『くまくま茶屋 The First』くまださよこ(東京都)

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