50年前に設計された"自動車プラモの王様" 1/12 ポルシェ935を完成させたモデラーを直撃!<半田モデラーミーティング>
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長野裕治さん
愛知県で開催された模型愛好家のオフ会「半田モデラーミーティング」。数多の力作が並ぶなか、圧倒的なスケール感と精密なメカニズムで来場者の目を釘付けにしていた作品がありました。
制作者は、番組『おとなの秘密基地』の“非公式マスコットキャラクター”を自称し 、バイク模型の達人としても知られる長野裕治さん。今回、彼が持ち込んだのはバイクではなく、自身の深い車愛を形にした「1/12 ポルシェ 935」です 。
デジタル全盛の時代にあえてアナログな手法に固執し、四半世紀越しの夢を形にした制作秘話をお届けします。
25年越しの挑戦、憧れの「自動車プラモの王様」
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ポルシェ 935のタイヤ
――今回はバイクではなく、車の作品ですね。意外にもキットの所有数は車の方が多いとか。
「そうなんです。バイクはキットの種類が限られていますが、車はバリエーションが豊富ですから 。特にレーサーが好きなので、実は作る数は車の方が多いんですよ 」
――展示されている「ポルシェ 935」、1/12スケールという圧倒的な存在感です。
「タミヤの古いキットで、1970年代に発売されたものです 。僕が持っていたのは2000年頃の再販版ですが 、昔から『自動車プラモの王様』と言われていた憧れのキットで 、『いつかはちゃんと作りたい』とずっと思っていました 。このサイズですから、おいそれとは手を出せませんでしたが、ようやく形にできました」
あえて中身を見せるための贅沢な2台同時制作
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2台のポルシェ
――全く同じのポルシェが2台並んでいますが、これは?
「このキット、50年前の設計とは思えないほど優秀なんです。メーカーが妥協せず、エンジンから足回りまで本物と同じように再現している。その素晴らしい中身をしっかり見せたかったので、外装があるものと、中身が見えるもの、2台でワンセットとして制作しました」
――内部の作り込みには、相当なアレンジを加えているとお聞きしました。
「基本的には2台とも同じように作り込んでいますが、一箇所だけ違いがあります 。それはインタークーラーの配管です。本物と同じ配管を再現したのですが、そのままではボディが被らなくなってしまった。だからこそ、中身を見せるための専用の1台が必要になったんです」
――見えない裏側まで、執念のようなこだわりを感じます。
「例えば、裏返すと見えるブレーキ配管ですね 。ペダルを踏むと油圧が流れるラインまで、一応線として繋いであります 。ちゃんと見る人が見れば『なるほどな』と分かってもらえる状態にはしています」
3Dプリンターは使わない。素材と対話する“昭和のモデラー”
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ポルシェの中身
――これほど精密だと最新技術を使っているのかと思いましたが、違うのですね。
「僕は3Dプリンターが苦手な昭和のモデラーなんです。今は個人で精密なパーツを作れる時代ですが、僕は一切使いません。3Dプリンターは自分で操作するのではなく、他の人に“口”で作ってもらうようにしています(笑)」
――あえて苦労する道を選ばれるのはなぜでしょうか。
「何より作るのが楽しいんですよ 。配管ひとつにしても何を使えばリアルに見えるかと考え 、実際に手を動かして形になった時の達成感は、強いですね。どうしてもという時以外は、基本的には頼らないようにしています」
――仕上げの塗装も、独特の清潔感がありますね。
「僕はラリー車のような泥汚れはあまり再現せず、基本は綺麗に作ります。ただ、排気ガスの熱で変色する部分など、実際に動いていたリアリティは追求したい。全く動いていない新車ではなく、使い込まれた実車を美しくレストアしたようなイメージです」
「実車を作る感覚」をぜひ展示会で共有したい
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配管
――5月の「静岡ホビーショー」でも、この作品を披露されるとか。
「はい、『おとなの秘密基地』のメンバーと一緒にブースに並べます。このサイズは展示会で見栄えがいいですからね。このキット、持ってはいるけど作っていないという人が実はたくさんいるんです」
――そんな方々へメッセージをお願いします。
「何年かかってでも、ぜひ作ってみてほしい。パーツ構成が実車と同じなので、作っていくうちにメカニズムが分かってくるのが本当に楽しいんです。まるで実働車を組み立てているような感覚を、ぜひ秘密基地ブースで見に来て、味わっていただきたいですね」
便利なデジタルツールが普及する現代において、長野さんの「自力で作り、達成感を味わう」というスタイルは、模型製作の原点にある純粋な喜びを思い出させてくれます。
目に見える美しさだけでなく、カウルに隠された一本の配管にまで魂を込める。その積み重ねが生み出す圧倒的な密度感こそが、多くのファンを惹きつける「昭和のモデラー」の真髄なのでしょう。5月の静岡ホビーショーで、その執念の塊をぜひその目で確かめてみてください。
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