全長2m超え!とにかくデカい未来少年コナンのバラクーダ号!家庭の洗濯のりが解決した信じられない制作秘話<宮崎メカ模型クラブ>

極上ライフ おとなの秘密基地

  • バラクーダ号

    バラクーダ号

名古屋で開催された「宮崎メカ模型クラブ」の展示会。会場の入り口近くで、訪れる人々の足を止め、圧倒的な存在感を放っていたのが、アニメ『未来少年コナン』に登場する巨大な帆船「バラクーダ号」です。全長2メートルを優に超えるその模型は、もはや趣味の域を超え、工芸品の域に達しています。

この巨大メカを制作したのが、クラブの会長を務めるかのーさん。今回は、展示会終了直後の会場で、この驚異的な作品に込められた執念と、思わず笑ってしまうような制作秘話をたっぷりと伺いました。

分割して車で名古屋へ運ぶ!「表情」を追求した結果の巨大化

  • バラクーダ号の一部

    バラクーダ号の一部

――名古屋の展示会には初登場とのことですが、かなりの迫力ですね。

「宮崎メカ模型クラブのかのーと言います。この巨大なバラクーダ号、初めて名古屋に持ってきたんですね。今日は車に積んで、いくつかには分割して積んで持ってきました。やっぱり車なんですよ」

分割しないと車に載らないほどのサイズ。そこまで巨大なスケールになったのには、メカ愛ゆえの逆転の発想がありました。

  • バラクーダ号の一部

    バラクーダ号の一部

――なぜ、ここまで巨大なスケールで作られたのでしょうか?

「大きい模型を作りたかったっていうよりも、船の中のシーンを再現した、フィギュアの表情がわかる大きさで再現したかったっていうことやっていたらデカくなっちゃったって感じですね」

かのーさんが優先したのはメカの大きさではなく、そこに住まう人々のドラマでした。さらに、脳味噌 晃さんが手がけた表情豊かなフィギュアたちが、劇中のシーンさながらに配置され、船体に命を吹き込んでいます。

秘密兵器は「洗濯のり」?重心問題を解決する熟練の知恵

  • ミニクーパーの帆

    バラクーダ号の帆

――この帆の質感もすごいですが、特殊な素材を使っているんですか?

「実際帆は布なんですけど、布に洗濯のりを染み込ませてアイロンかけて、針金で形を付けてっていうやり方で作っています。大きい模型なので、上が重くなっちゃうと危ないですし、それをどういう風に軽く作るかっていうのがやっぱり一番問題で」

帆の質感を生んでいるのは、実はどこの家庭にもある洗濯のり。布に染み込ませてアイロンをかけることで、巨大模型の天敵である重さを克服し、軽やかでリアルな質感を両立させているのです。

メカ模型の材料として洗濯のりやアイロンという家庭的な言葉が飛び出すギャップが、熟練の知恵を感じさせます。巨大模型ゆえの重心という難題を、身近な道具による軽量化で解決する技は、まさに大人の工作です。

「もうやめよう」と決めたのに……増殖し続ける海とエピソード

  • バラクーダ号の中身

    バラクーダ号の中身

――最初は半分の模型だったとお聞きしました。

「バラクーダ号は最初、左舷から中身を覗くだけの模型だったんですけど、こっちは船の中で起こったことを再現している側になっていますね。で、新たに海側を作ったということで、右舷側は海で起こった話をやっているということで」

最初は断面を見せるだけだった模型が、反対側の海側のエピソードへと広がり、さらには土台の海までもが増殖していきました。

  • バラクーダ号の土台の海

    バラクーダ号の土台の海

――まさに壮大な構想ですね。完成まで計画的に進められたのですか?

「いや、なんか思いつきで。ここまで考えてなかったんですけど。後付けで、やっているうちに『あれやってみよう、これやってみよう』と思っているうちにこうなったっていう。もうこれでやめよう、これでやめようと思いながらいたんですけど、なんか解決策を思いついちゃうとできちゃうっていう」

数年前の取材時もほぼ完成と語っていたはずが、気づけば海が広がり、劇中の名シーンまでもが再現されていました 。「解決策を思いついちゃうと、できちゃう」。そんな、かのーさんの天才的な思いつきが続く限り、このバラクーダ号に本当の完成が来る日はまだ先かもしれません。趣味人としての深い業のようなものも感じられますよね。展示会の目玉である電飾タイムも、そんな情熱の延長線上にあります。

暗闇で放つ模型を「間延び」させないための魔法

  • 電飾タイムのバラクーダ号

    電飾タイムのバラクーダ号

――照明が落ちると、一気に雰囲気が変わりますね。

「電飾タイム、あれはちょっと面白いですねやっぱり。ギミック入れないと間が持たないので。こういう大きい模型って、いかに間延びしないかって凄く大事じゃないですか。フィギュアの配置もそうですけど」

暗転した会場で、窓から温かな光を漏らすバラクーダ号や、赤く目が明滅する王蟲。これらは、巨大な模型を間延びさせず、観客を最後まで楽しませるための、かのーさんのおもてなしの心から生まれた魔法でした。

かのーさんの飽くなき探究心が生んだ巨大帆船は、劇中への愛と、大人の本気すぎる遊び心で満たされていました。

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