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フクイラプトル
日本国内だけでなく、世界中の模型ファンが注目する「静岡ホビーショー」。そこには、プロ顔負けの技術や圧倒的な熱量を持った、ホビーの達人たちが集結します。
今回スポットを当てるのは、日本のものづくりを牽引し続ける世界的な模型メーカータミヤのブース。そこで語られたのは、一見すると親しみやすい子ども向けの工作キットや恐竜プラモデルの裏側に隠された、大人の本気と並々ならぬこだわりでした。
タミヤのスタッフが明かした、驚きの制作秘話と職人魂に迫ります!
【30年ぶりの大復活】現代の学説に合わせたティラノサウルス最新スタイル
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恐竜の工作キット
タミヤのブースで目を引いたのは、あたたかみのある木素材で作られた恐竜の工作キットです。
木材を使った新製品としては、なんと約30年ぶりという満を持しての登場となった今回のアイテム。ラインナップは「ティラノサウルス」「トリケラトプス」「ブラキオサウルス」の3種類です。
昔からタミヤを知る世代にとっては「どこか懐かしい」と感じる木製キットですが、実は30年の時を経たことで、恐竜たちの姿は劇的に進化を遂げていました。
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ティラノサウルス
「恐竜の形は、30年でかなり変わってきたんです。一番顕著なところでいうと、現代ではティラノサウルスの体は横一直線になっていたのではないかという説が有力になっています」
かつて僕たちが子どもの頃に図鑑で見たティラノサウルスといえば、ゴジラのように後ろ足で直立し、尻尾を引きずる姿が定番でした。しかし、最新の科学によってその常識は一変。タミヤの新作キットでは、頭から尻尾までが地面と平行に、真っすぐ美しく伸びる現代の最新スタイルの木の形状へ完全にリニューアルされているのです。
さらに、動きの立体感にも徹底的なこだわりが光ります。「なるべく当時の恐竜はこういう動きをしていたのではないか」という想像に基づき、関節の位置やリンク機構をイチから再設計。スイッチを入れると、木製の恐竜たちが驚くほどリアルに、そして生き生きとはばたくように歩き出します。
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塗り替えることも可能
このキットに使われているのはポプラという、非常に柔らかくて加工しやすい木材。作って動かして楽しむのはもちろん、水彩絵の具やアクリル絵の具で自分だけの色に塗り替えることも可能です。
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塗り替えることも可能
さらに、あえてくり抜いて骨のようなディティールを作ったり、角を丸めてニスを塗って高級感を出したりと、大人の自由な発想や子どもの夏休みの木工工作にも無限の可能性を秘めています。
子ども向けだけど子ども騙しにはしない!タミヤが誇るプロのプライド
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フクイラプトル
続いて紹介されたのが、手のひらサイズのスタイリッシュな恐竜プラモデル。タミヤが今回、初心者向けのプラモデルを開発するにあたって、満を持して選んだジャンルが恐竜でした。
開発の根底にあるのは、日本のプラモデル文化を支えてきたタミヤならではの、熱い理念です。
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フクイラプトル
「開発にあたって、やはり子ども騙しにはしたきたくない、という強い想いがありました。子どもたちに組んでもらいたいので、接着剤はいらない、部品点数も少なくする。ただ、だからと言ってディティールを間引いたり、アレンジしたりすることは絶対にしない。子どもが見ても大人が見ても満足できるような開発を目指しました」
プラモデルに馴染みがない人にとって、組み立てはハードルが高く感じられるもの。そこでタミヤは、ニッパーさえあればパチパチと手軽に組める親切設計を形にしました。
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フクイラプトル
しかし、パーツが少なくて簡単だからといって、クオリティを妥協することは一切ありません。今回モデルとなったのは、日本で初めて発掘された肉食恐竜として名高い「フクイラプトル」。恐竜研究に非常に力を入れている福井大学の専門家たちに徹底的な監修を依頼することで、学術的にも100%納得のいく、極限までリアルな皮膚の質感や骨格の説得力を小さなボディへと詰め込んだのです。
たい焼きの型のような金型とは大違い!?一発で形を作るスライド金型の職人技
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金型
さらに、模型ファンの枠を超えて驚かされるのが、そのプラモデルを生み出す金型の技術です。会場には特別に、実際に使用されているフクイラプトルの金属製の金型が展示されていました。
通常、プラモデルのパーツを作る金型というのは、いわばたい焼きの型のようなものです。上と下の型でドロドロに溶けた樹脂をガチャンと挟み込んで形を作ります。しかし、今回の恐竜のように頭の横にヒレのような突起があり、その中が空洞になっているといった複雑な形状の場合、通常の上下の型だけでは、出来上がったプラスチックを引き抜くときに引っかかって壊れてしまうのです。
そこでタミヤが多用したのが、スライド金型と呼ばれる高度な技術です。 上下の2面に加え、なんと横からも別の型がスライドして組み合わさるという3面構造を採用。これにより、驚きの工夫が実現しました。
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金型
「通常であれば、こういう複雑な頭はパーツを左右半分に分割して、後から貼り合わせるように設計します。でも、やっぱり恐竜の顔は、見ただけで『あ、あの恐竜だ!』と一発でわかる1つの部品として届けたかった。貼り合わせる手間もなくせますしね」
パーツが半分に割れていないため、顔の真ん中に不自然な継ぎ目ができず、初心者でもただ枠から切り離すだけで最高にリアルな恐竜の顔が手に入ります。
さらにこの技術は、恐竜の尻尾にも活かされています。 複雑に組み合わさる胴体のパーツをパチンと合わせたあと、最後に尻尾のパーツを後ろからグッと突き刺すように差し込むことで、組んだあとも胴体が開かずに全体の強度がしっかりと維持される仕組みになっています。
接着剤を使わないからこそ、遊んでいるうちに壊れないように配慮する。そんな、作る人の目線に立った細やかな気配りが、最先端の金属加工技術によって実現していました。
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フクイサウルス
ブースにはフクイラプトルのほか、同じ1億2000万年前の時代に生息し、お互いに食うか食われるかの関係だったとされる草食恐竜「フクイサウルス」も参考出品として並び、太古のロマンを漂わせていました。
小さなプラスチックに宿る大きな試みとロマンに誰もが虜になってしまう
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フクイサウルス
パッと見は手のひらに乗るような、小さな子ども向けのプラモデルや木工キットかもしれません。しかしその中には、タミヤが長年伝統として培ってきた世界最高水準の技術と、「子どもたちに本物の感動を届けたい」という大きな試みが、美しく形となって表れていました。
塗装でそれっぽく見せるのではなく、形状そのものの説得力で魅せる。子どもが笑顔でパチパチと組み立てるその裏側には、大人の本気と職人たちの妥協なき情熱がぎっしりと詰まっています。
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フクイラプトル
「好き」という気持ちを原動力に、常に進化を続けるタミヤのものづくり。工作やプラモデルにこれまで縁がなかった人も、その圧倒的なこだわりと優しさに触れれば、きっとその深い魅力の虜になってしまうはずです。人の心を掴んで離さない極上のホビーの裏側には、こんなにも熱いドラマが隠されていました。
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