【新境地】ゴミ収集車のプラモデルがなぜか大ヒット中!?老舗模型メーカーが仕掛ける謎のブームの正体に仰天<静岡ホビーショー>

極上ライフ おとなの秘密基地

  • アオシマブースの楽プラ展示

    アオシマブースの楽プラ展示

世界中のモデラーが注目するイベント「静岡ホビーショー」の会場で一際熱い盛り上がりを見せていたのが、老舗模型メーカー・青島文化教材社(アオシマ)のブースです。アオシマといえば、模型ファンの間で「楽プラ」というブランドが定着し、いま非常に強い存在感を放っています。

しかし、取材班がブースを覗いてみると、車に興味がない人からすれば「なぜこれをプラモデルに!?」と耳を疑いたくなるような、驚きの光景が広がっていたのです。現代のプラモ界で密かに巻き起こっている謎のブームの正体に迫ります。

道具も色塗りも不要!不器用さんをプラモ沼に落とす「楽プラ」の衝撃

  • ぎっしりと並んだカラフルなミニカーサイズのプラモデルたち

    ぎっしりと並んだカラフルなミニカーサイズのプラモデルたち

――アオシマさんといえば、最近は本当に「楽プラ」のイメージが定着していますよね。

「そうですね。おかげさまで非常に高い人気をいただいております。この『楽プラ』というシリーズは、これまでのプラモデルの常識を覆す画期的な特徴があるんです」

ここで、プラモデルに馴染みがない人のために「楽プラ」の何がそんなに凄いのかを説明しましょう。

従来のプラモデルといえば、ニッパーなどの専用工具でパーツを切り出し、シンナー臭い接着剤で組み立て、細かな筆やスプレーで色を塗る、という手先の器用さと根気、あるいは本格的な道具が必要な、少しハードルの高い趣味でした。

しかし、この「楽プラ」はその面倒な工程をすべて過去のものにしてしまいました。 まず、パーツ同士をパチッとはめ込むだけで固定できるため、接着剤は完全に不要です。さらに、プラスチック自体に最初から綺麗な色がついているため、わざわざシンナー臭い絵の具を用意して色を塗る必要もありません。それどころか、ハサミやニッパーすら使わずに、パーツをランナー(枠)から手で簡単に外せる仕様にまでなっているというから驚きです 。

つまり、「不器用だから絶対ムリ」「道具を揃えるのが面倒」という大人や、小さなお子さんでも、リビングのテーブルでいきなり最高クオリティの模型を完成させられるホビーなのです。この圧倒的なハードルの低さが、いま多くの人を模型の世界に呼び戻す巨大なブームの土台となっています。

チョイスが渋すぎる!ゴミ収集車や軽トラの楽プラがなぜか大ヒットする理由

  • 本物そっくりのゴミ収集車

    本物そっくりのゴミ収集車

――展示を見て驚いたのですが、「はたらくくるま」がこんなにたくさんラインナップされているんですね!

「そうなんです。一気に商品化を進めてまいりまして 。スタートはパトカーや救急車という定番のところからだったんですけれど 、最近では軽トラだったり、いわゆるゴミ収集車と呼ばれるパッカー車だったりをラインナップしていまして、これが非常に珍しがられているんです」

  • ゴミ収集車の手前には軽トラ

    ゴミ収集車の手前には軽トラ

――普通に考えると、かなり渋い(地味な)チョイスの車ですよね(笑)

「そうですね(笑)まあ、なかなかやっぱり、これまではプラモデルとして存在していなかったジャンルということもありますので 。そういった意外性がウケて、今では人気の高い商品群になってくれています」

スーパーカーやスポーツカーのような憧れの車ではなく、あえて毎日街で見かける身近すぎる車を最高の手軽さで作れるようにする。アオシマが仕掛けたこの絶妙なギャップこそが、「何これ、ちょっと作ってみたいかも!」と、車に興味がない人の心まで掴んでしまうブームの正体だったのです。

こだわりが強すぎてパーツ増量!?開発者をかなり悩ませた消防ポンプ車

  • グレーの試作品(サフ吹き状態)の消防ポンプ車

    グレーの試作品(サフ吹き状態)の消防ポンプ車

――これだけ人気があると、続々と新しい新作も作りたくなりますよね。

「そうですね、パトカー、救急車の次ときたら、やっぱり消防車も欲しいよね、ということで 。今回はこちらの消防ポンプ車を展示させていただいております」

  • 消防ポンプ車の屋根部分

    消防ポンプ車の屋根部分

――消防ポンプ車って、普通のミニカーなどでは見かけますが、組み立てるキットの形ではなかなかお目にかからない気がします 。

「そうなんですよ。消防車独特の専用の架装(特殊な装備や機械部分)と言いますか、そういった細かな部分を『楽プラ』の手軽さで再現するにあたっては、開発チームもかなり悩んだ部分ではありますね。結果として、パーツの数も従来の楽プラより少し多くなるのかな、というところはあります(笑)」

――こちらは2026年発売予定と書かれていますが、2026年中には手に入るのでしょうか?

「年内を目指して一生懸命開発を進めてはいるんですけれど、まだちょっと、明確な発売日についてはお出しできなくて……」

――これは発売が本当に楽しみですね!

身近な車だからこそ、ディテールの手抜きは許されない。簡単に作れる手軽さを維持しながら、どこまで本物のメカニズムを詰め込めるか。そんなメーカーの意地と情熱が、この小さなグレーの試作品からビシバシと伝わってきます。

なんと憧れのフェラーリだけじゃない!ついに楽プラは車の枠を超えて空へ

  • アオシマのスタッフ

    アオシマのスタッフ

アオシマの快進撃は、身近な働く車だけにとどまりません。今回のホビーショーでは、長年模型ファンが待ち望んでいたあるスーパーカーの登場、そしてシリーズの歴史を塗り替える驚きの新ジャンルが発表されました。

  • 真っ赤なボディが美しい「フェラーリ 512 BB」の完成見本

    真っ赤なボディが美しい「フェラーリ 512 BB」の完成見本

「こちら、会場初展示となります、フェラーリの『512 BB』になります。フェラーリをプラモデル化するというのは、他社様から出ていた時期はあったものの、なかなか久しぶりのことでして。今回、アオシマ独自のルートで手に入れる(製品化許諾を得る)ことができまして、ついに商品化となりました。フェラーリの模型が久しぶりに出るぞ!ということで、非常に話題になっています」

さらに驚くべきことに、このフェラーリはほんの第一歩 。会場では、第2弾「フェラーリ GTO」、第3弾「フェラーリ F40」の製品化も電撃発表され、ブースにはファンからの熱い視線が注がれていました。

そして、車に全く興味がない読者の皆さんにこそ注目してほしい、アオシマ渾身の変わり種がこちらです。

  • 川崎 T-4 ブルーインパルス

    川崎 T-4 ブルーインパルス

――えっ!楽プラって、車のイメージがすごく強かったのですが、これは戦闘機、飛行機ですか!?

「はい、今回初めて飛行機というジャンルから、航空自衛隊の『T-4 ブルーインパルス』を初発表させていただきました 。こちらももちろん『楽プラ』ブランドですので 、お客様にとってとにかく簡単に組めるものを目指して、これから全力で開発していこうという形になります」

趣味の世界はもっと自由でいい!老舗メーカーが見せる大人の夢の形

  • 少し大きめのサイズのプラモデル

    少し大きめのサイズのプラモデル

――気がつけば、少し大きめの1/24スケールも含めて、かなり色々な車種が揃ってきましたね。

「そうですね。この少し大きめの1/24シリーズ自体は2024年からスタートしたのですが 、楽プラ自体の人気が強い追い風になってくれまして 、これから10車種以上の展開をやっていけるかなというところまで、かなり車種が増えてきました 」

最初は誰もがパトカーや救急車を「懐かしいな」と眺めることから始まった、アオシマの新しいプラモデルの世界。それが気づけば、ゴミ収集車や軽トラといった日常の情景へ広がり 、さらには憧れのフェラーリ、そして大空を駆けるブルーインパルスへと、その世界はどんどん巨大化し、進化を続けています 。

「プラモデルなんて、子どもの頃以来作っていないな……」

そんな風に思っている大人にこそ、いま一度この世界を覗いてみてほしいのです。

道具を一切使わずに、自分の手の中でみるみる形になっていくゴミ収集車やフェラーリ。そこには、忙しい日常をほんの少しだけ忘れさせてくれる、大人のための最高の秘密基地が待っているのではないでしょうか。プラモデルという枠を飛び越えて、私たちの好奇心を刺激し続けるアオシマの挑戦から、今後も目が離せません!

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