巨大船づくりに密着!パーツをどう組み立てる?驚愕の"働く車"が大集合!

たくさんの荷物を積み、大海原を悠然と進む巨大船。けた違いの大きなパーツが合体してつくられるが、どうやって組み立てているのか。その現場に潜入し、貴重な製造工程を取材した。

手作業も!極厚板を曲げる㊙技

  • 「ジャパン マリンユナイテッド 津事業所」

巨大船をつくる「ジャパン マリンユナイテッド 津事業所」(三重・津市)の敷地面積は、約74万平方メートル。「バンテリンドームナゴヤ」15個分に相当する超巨大工場だ。

  • 「ブロック」

潜入すると、目の前に突然巨大なパーツが。「ブロック」と呼ばれるこの巨大なパーツをパズルのように組み合わせ、船をつくる。

  • 「鋼板」

ブロックの材料になるのは、こちらの「鋼板」。

  • ガスバーナーの火が鋼板を切断

1列に並んだガスバーナーの火が鋼板の下まで貫通し、まとめて切断。その温度は1350℃に達する。ガスバーナーの下を通過した鋼板は、12本の板に。

  • 「プラズマ切断機」

もちろんパーツは真っすぐなものだけではない。複雑な形に切断する時に使うのは、自由自在に動きながらカットする「プラズマ切断機」。その姿は、まるで銀板で踊るフィギュアスケーターのようだ。

船の特徴でもある緩やかな曲線。巨大パーツをどうやって曲げているのか?

  • 分厚い鋼板を曲げる「2000トンローラープレス」

こちらは、分厚い鋼板を曲げてしまう「2000トンローラープレス」。飲み込まれた鋼鈑は何度もローラーを行き来し、きれいな曲線に。

  • 「ぎょう鉄」

しかし、S字を描く複雑な曲線はやはり機械では難しく、なんと職人たちが手作業で行っていた。右手で持ったガスバーナーで鋼鈑を焼き、左手で水を吹きかける。

鋼板にガスバーナーの火をあてると、熱した部分が膨張、そこに水をかけると膨張した部分が急激に冷やされ、収縮しようとする。この現象を利用すると、分厚い鋼板を曲げることができるのだ。

これは、昔から造船で使われている「ぎょう鉄」という技術。伝統の技が船のなめらかな曲線を生み出していた。

 

巨大なパーツを組み立てるのは?大活躍!働く車

  • 「自走台車」

こうしてつくられた巨大パーツを運ぶのが、「自走台車」という働く車だ。

  • 職人がペンキを塗る

車が向かったのは、ブロックにペンキを塗るエリア。ここでは、高所作業車、通称「ネッシー」に乗った職人が、縦12メートル、横21メートルの範囲にペンキを塗っていた。

手作業とあり、さぞかし時間がかかると思いきや…熟練職人の技により、わずか30分で終了。

  • 迫り来る壁のよう!

塗装が終わったブロックは再び自走台車で運ばれるが、その様子を間近で見ると、まるで壁が移動しているような迫力。運んでいるのは船の胴体部分で、高さ15メートル、横幅20メートル。しかしこれも、一つのパーツにすぎない…けた違いのスケールだ。

  • 「ゴライアスクレーン」

組み立て現場で待ち受けるのは、「ゴライアスクレーン」。

  • 足がすくむ高さ!

巨大なクレーンの足元には車輪がついており、前後に移動できる。地上75メートルの位置にある運転席は、真下をしっかり目視できるようガラス張りになっていた。

 

クレーンがつり上げている船の側面のパーツは、高さ25メートル、幅20メートルで、重さは約600トン! ここからが、操縦士の腕の見せ所だ。

巧みなコントロールで慎重に動かし、定位置にぴったりとはめ込んでいく。後はこの作業の繰り返しとなる。

  • 石油などを運ぶ全長約280メートルのタンカー

一連の作業でできたのは、石油などを運ぶ全長約280メートルのタンカー! このタンカーはまだ製造途中で自走できないが、次の工程に入るため、湾岸まで動かす必要がある。
ここで活躍するのが、3艘の「タグボート」と呼ばれるけん引船。大きな船を押したりロープで引っ張ったり、微妙な調整を繰り返しながら移動させる。相当な力持ちだ。

巨大船はこの後、内部をしっかり整備し、大海原へと旅立っていく。

 

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