工業地帯の一角にあるリサイクル企業「株式会社アビヅ」(名古屋市港区)の巨大リサイクル工場に潜入。激レア&ド迫力シーンが満載の「車の解体作業」にカメラが密着した。
作業中にいきなり車を爆破!?
取材班は、鉄やプラスチックをリサイクルしている「アビヅ」の工場へ。敷地面積は約11万平方メートルで、「バンテリンドーム ナゴヤ」2.3個分に相当する東海地方最大級のリサイクル工場だ。
廃車や使われなくなった自動車が、建物の中に次々と運び込まれていく。ずらりと並んでいるのは、全部リサイクルする車だ。
日本では年間300万台以上が廃車になるが、自動車はその90パーセント以上がリサイクルできる、まさに資源の宝庫。この工場は、リサイクルで日本の自動車産業を支えている。
まずはフォークリフトが1台の車を持ち上げて、黄色い台に載せる。作業員がタイヤを1つひとつ丁寧に取り外し、専門業者に引き渡すためにストック。この段階で、リサイクル可能なパーツを次々と回収していく。
エンジンルームから取り外すのはバッテリー。ここに使われている鉛やプラスチックも大切な資源で、リサイクル可能。外した後は専門業者に引き渡す。
今度は作業員が運転席の下にあるカバーを外し、コードのようなものを取り付ける。実はこれから車内の“ある部分”を爆破するという。
割れて飛び散らないようにフロントガラスを毛布で覆い、車の前にパネルを立てて爆破装置のボタンを押すと……「ボン!」という大きな音とともにエアバッグが作動。解体中に開いてしまわないよう、強制的に作動させたのだ。
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エアバッグをリサイクルしてバッグに!
開いた後のエアバッグもリサイクル。丈夫なナイロン素材を生かし、本物のバッグに生まれ変わる。
「槍」で車体を突き刺す?
タイヤ、バッテリー、エアバッグなどが取り外され、身軽になった車体は再び移動。
その先で待ち構えていたのが、先端が鋭くとがった槍だ。槍は車のガソリンタンクを10回以上突き刺し、残ったガソリンを抜く。そして抜いたガソリンは、工場内を走るフォークリフトなどの燃料としてリサイクルされる。
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エンジンオイル
ガソリンの次はエンジンオイルを抜いていく。ガソリンもオイルも可燃性のため、絶対に引火させないよう、厳重な対策のもと作業が行われる。
続いて車体を横倒しにし、裏側を作業する。作業員がガスバーナーでシャフトやサスペンションといった金属パーツの接続部分を丁寧に切断。車体を元に戻し、細かく車体を揺すると……
車体から、どさりとエンジンが落下!
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エンジン
金属製のエンジンはリサイクルされ、新たに生まれ変わる。
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