キャンピングカーをつくる!「トイファクトリー」の工場潜入...ハイエースが"走るお家"に!
コロナ禍の影響もあり、ここ数年でさらに人気が急上昇しているキャンプ。その心強い相棒となるのがキャンピングカーだ。今回は、キャンピングカーを製造する「トイファクトリー」の工場に潜入。その製造工程に密着した。
“走るお家”に大改造!キャンピングカー㊙工場に潜入
舞台となるのは、岐阜・可児市にある「トイファクトリー東工場」。「トイファクトリー」では、トヨタ「ハイエース」をベースにしたキャンピングカーを、年間約800台製造している(国内トップシェア)。
完成した車体をのぞくと、イスとテーブル、棚やシンク、ベッドからエアコンまであらゆる家具がそろっており、まさに“走るお家”。早速、製造工程を見ていこう。
「トイファクトリー」の工場に、「ハイエース」がトラックに積まれてやって来た。こちらはキャンピングカーを作るための特装車で、内装が施されていないまっさらな状態。この特装車を大改造していく。
まずは作業員がピンク色のテープを窓枠に沿って貼り付ける。サイドや後ろの窓にもしっかり貼った後、窓にピタッと謎の道具を取り付けた。
バキバキッという音とともにワイヤーが窓枠に沿って動いていくと、なんと窓ガラスがきれいに外れた。
使っていたのは「オレンジバット」という道具。ポリエステル製のワイヤーを窓枠に沿ってぐるりとはわせ、ドリルで巻き取ることで、窓と車体をくっつけていた接着剤を剥がしていたのだ。この作業で、どんな窓も一発できれいに外すことができる。
世界“初採用”が違いを生む!
作業員が2人がかりで運んできたのは、「アクリルウィンドウ」というキャンピングカー専用の窓。専用の接着剤とボルトを使って窓をがっちりと固定すると、車体の雰囲気が一変した!
このアクリル素材は、「ハイエース」をベースとしたキャンピングカーにおいて、「トイファクトリー」が世界で初めて採用した目玉パーツ。夏は熱が入りにくく、冬は熱を逃しにくいのが特徴で、アクリル素材はガラスよりも断熱性に優れているため、車内を快適な温度に保つことができる。小窓をよく見ると、アクリル素材は二重構造になっていた。
断熱性へのこだわりは窓だけではない。今度は車内に、陶磁器を意味する「セラミック」の微粒子を含んだ白い塗料を吹き付ける。ムラにならないように吹き付けること15分。これにより、断熱性がグンとアップする。
車体にセーターを着せる?
断熱対策はまだまだ終わらない。今度は羊毛とポリエステルを使用したふわふわの高断熱材を、車体の隙間に詰め込んでいく。湿気も吸い取ってくれる優れもので、側面や天井にしっかりと張り巡らせる。最後は、熱伝導率が低く、凹凸に合わせて断熱の層を作ることができる発泡ウレタンの断熱材を床に塗る。
これで、4つの断熱対策による“走るお家”のベースが完成。床板と壁紙を貼り終えると、ステキな仕上がりに!
“走るお家”を彩る家具
内装が終わると、いよいよ車内に家具が搬入される。ドア近くにステンレス製のシンクを設置、その横には冷蔵庫も。
細長いパーツは上部の空間を活用した収納棚で、天井にぴたりとハマった。その後もどんどん運び込まれ、何もなかった空間が家具で満たされていく。
お次はクッションを組み合わせてベッドを作る。横幅180センチ、奥行き153センチで、大人2人が横になれるサイズ。設置場所は棚の上で、キャンピングカーならではのスペース活用法だ。何もない車内が、快適空間に大変身した。
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