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アルミ缶製造の裏側
今回は、「アルミ缶」が生まれるまでの壮大な物語に完全密着。なんと4工場がリレー形式で作っているという。その知られざる製造工程とは――。
今回取材した「アルテミラグループ」は、グループ内でアルミ缶などのアルミ製品をゼロから作る会社。カメラはその4つの工場に密着した。
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「MAアルミニウム アルミ缶リサイクルプラント」
まず向かったのは、アルミ缶製造の第一工程を担う「MAアルミニウム アルミ缶リサイクルプラント」(静岡・小山町)。アルミ缶の原料となるアルミニウムを鋳造する工場だ。
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UBC(使用済みのアルミ缶)
アルミ缶の原料となるのは「UBC(使用済みのアルミ缶)」。「ユーズド・ビバレッジ・カン」を略してUBCと呼んでいる。
フォークリフトで運ばれた使用済みのアルミ缶は、この後の工程で溶けやすくするために、機械で細かく粉砕される。
小さくなったアルミ缶は、アルミニウムとそうでないものを選別する機械の中へ。
使用済みアルミ缶の中には鉄やペットボトルなどアルミニウム以外の素材が混じっていることが多いため、選別作業を行う。磁石にくっつかないアルミ缶だけが先に進めるのだ。
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蒸し焼き後のアルミ缶は鈍い銀色に
続いて、焙焼炉へ。「選別が終わったアルミ缶は表面の塗料を落とすため、高温ガスで蒸し焼きにする」(鋳造工場長・勝亦さん)。
蒸し焼き後のアルミ缶は、鈍い銀色に。しっかり塗料が落ちているのが分かる。
細かく砕かれたアルミ缶は、真っ赤な灼熱のマグマにダイブ! 溶けたアルミ缶は炉に入れられ、ドロドロのアルミニウムへと姿を変えた。
こちらは、アルミを固める機械。左から溶けたアルミが流れ込み、地下の鋳造部で「スラブ」を作る。スラブとは、次の工程に向けて溶けたアルミを固めたものだ。
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スラブ
2時間後、長さ約4メートル、重さ約8トン、幅120センチ、厚さ60センチのスラブが出現! 出来上がったスラブはトラックに乗せられ、次の工場へと運ばれる。
まるでうどん生地!8トンの塊を厚さ0.3ミリまで引き伸ばす驚異の工場
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スラブを薄いコイル状に加工
続いて向かったのは、「MAアルミニウム 圧延工場」(静岡・裾野市)。ここでは、スラブを薄いコイル状に加工する。
特大サイズのクレーンがスラブをつかみ、巨大なオーブンへ。
「常温のままだと、非常に硬く加工しにくい。温めて柔らかくすることで、次の工程がやりやすくなる」(圧延工場長・野上さん)。スラブを500℃に温め直したら、再びクレーンで取り出す。
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60センチあった厚さが2センチまで薄く
運ばれたスラブは、油を混ぜた水がかけられると、機械の中へ。1回機械を通るごとにどんどん薄くなり、あっという間にぺちゃんこ。しかも薄くなった分、長く伸びているのが分かる。わずか8分間の往復で、60センチあった厚さが2センチまで薄くなっていた。
アルミニウムは、金属の中でも柔らかく伸びやすい性質。少しずつ機械の厚さを狭めることで、うどん生地のように伸びるのだ。
スラブを機械でさらに薄くし、コイル状に巻いていく。厚さは2ミリほどになったが、さらに別の機械に投入し、0.3ミリの薄さに。出来上がったコイルは、トラックで出荷される。
1分間に1300個!超高速リレー!
続いて向かったのは、「アルテミラ製缶 岐阜工場」(岐阜・美濃加茂市)。ついに、缶を作る工場へやって来た。
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プレス機
まずはプレス機で、薄く伸ばしたアルミをカップ状の原型に打ち抜いていく。
このプレス機は1分間に1300個のカップを打ち抜き、工場では、1日に500万缶ものアルミ缶を作ることができる。そのため、作業は全てスピード勝負だ。
カップ状の原型が次の機械に入ると、あっという間に缶の形に。機械の中で洗浄と乾燥が行われ、ピカピカになったアルミ缶が大集合!
ベルトに缶を吸い付かせて運ぶ…。これも、効率よく移動させるために考えられた仕組みだ。
印刷機も驚きの速さで、1分間に1300個も印刷する。8つの色を出す機械が連動しており、一瞬で印刷されるのだ。
「基本は8色だが、重ね合わせて8色以上のイメージも実現している」(工場長・柴田さん)。絵の具と同じように色を重ねて、無数の色を作り出していた。
“伝説の工場長”が不可能を可能にした「究極のキャップ」誕生秘話
そしていよいよ、4つ目の工場「アルテミラ製缶 富士小山工場」(静岡・小山町)へ。ここで作っているのがアルミ缶のフタで、1日1000万枚作ることができる。
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武藤英泰さん
ここで“伝説の工場長”と言われているのが、武藤英泰さんだ。武藤さんは、アルミ缶のある弱点を解決した。
アルミ缶は、1度開けたら飲み干さなければならないが、そこで2000年に登場したのがアルミボトル。そのキャップもこの工場で作っている。
「当時のキャップは、漏れてしまったり、硬くて開かなかったり過酷な条件だった。それを解決する開発を進めた」(武藤さん、以下同)。
武藤さんは2005年、缶ボトルのキャップが硬い、漏れやすいという欠点の改善に取り組んでいた。「キャップに入っているパッキンの役割の樹脂は1種類。1種類だと、開栓性と密封性が成り立たない」。
当時のキャップは、裏に貼れるシートは1枚だけ。右のシートは開けやすいが漏れやすい、左のシートは漏れにくいが開けにくい…そこで武藤さんは、2種類の材料を重ねて2層構造のパッキンを作った。
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漏れない、開けやすい“究極のキャップ”
2枚を重ね合わせることで、漏れない、開けやすい“究極のキャップ”を誕生させた武藤さん。
一見すぐに出そうなアイデアだが、当時パッキンの材質は1枚きりと全員が思い込んでいたため、この壁を突破するのに2年もかかったという。
こうして、4つの工場がタスキをつなぎ、手間暇かけて作られている「アルミ缶」。
私たちが飲み終えたその一缶は、何度も形を変え、新しい姿へと生まれ変わっていく――。
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