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一宮市に「はとバス」がある!?
「はとバス」といえば、東京の様々な観光地を巡る定期観光バス。そんな「はとバス」がなぜか、愛知県一宮市でも走っているというウワサが飛び込んできました。
そこで取材班は、ウワサの真相を確かめるべく愛知県一宮市を現地調査。この記事では“一宮のはとバス”を活用して行われていた、昭和から続く“ハトのサバイバルレース”をご紹介します。
超満員の「はとバス」とは?
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観光地とは無縁の場所に「はとバス」?
ウワサを辿ってやってきたのは一宮市の郊外にある一軒の施設。周りには田畑が広がり、「はとバス」が日々巡っているという観光地とは無縁の雰囲気です。
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トラックのような“一宮のはとバス”
その施設を訪ねてみると、バスではなくちょっと変わった形の荷台を積んだ大型のトラックが停車中。トラックの周りではスタッフと思われる人たちが、何かを荷台に積んでいました。
実はこのトラックこそが“一宮のはとバス”。人間ではなく、本物のハトを輸送するための専用の荷台を備えたトラックです。
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専用のトラックに大量のハトが“乗車”
元気なハトたちを慣れた手つきで次々と荷台に“乗車”させていくスタッフ。その数はなんと700羽以上というから驚きです。
ハトが乗車したトラックは、暗い夜道をドライブして岐阜県へ。ここでさらに200羽以上ものハトが乗車し、全945羽のハトが目的地へと向かって出発します。
「はとバス」の目的地は長野県
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鳩レース
“一宮のはとバス”に乗車しているのは、ハトが持つ強い帰巣本能を生かした「鳩レース」に出場する「レース鳩」です。「鳩レース」は、1964年の東京オリンピックを契機に始まり、今なお、多くの愛好家たちによって続いています。
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カゴの中に入れられたハトたち
“秋のデビュー戦”に出場する生後半年の若いハトたちがレースのスタート地点へと向かうため、“一宮のはとバス”に乗り込んでいます。
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最長は1200km!
今回のレースのスタート地点は長野市。約200km離れた愛知県や岐阜県の鳩舎へと戻ってくるまでのタイムを測定し、その平均分速で順位を競います。
200kmというと非常に長距離に感じますが、実はこれでも鳩レースとしては短い方とのこと。春のレースでは稚内から愛知県まで最長1200kmもの距離を飛行することもあるそうです。
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一斉にスタート
「はとバス」に揺られて暗い夜道をドライブしてきた945羽のハトたちは、2025年の秋のデビュー戦のスタート地点となる長野市へ無事到着。10月10日の午前7時にスタートの合図が切られると一斉に空へと飛び立ち、飼い主の待つ愛知県や岐阜県へと向かいます。
帰還率は3~4割 過酷なハトのサバイバルレース
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ハトのサバイバルレース
愛知県・岐阜県での鳩レースは濃尾地区競翔連盟が運営を担当。連盟長である柴垣義廣さん自身も、自宅の鳩舎にハトが帰ってくるのを待ちます。
柴垣さんによると、無事にハトが帰ってくるのは約3~4割。途中で迷子になったりタカなどに狙われたりして戻れなくなるハトも多いそう。まさにハトのサバイバルレースです。
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鳩舎の入口に鳩が到着すると、自動的にタイムを記録
レース鳩の脚にはセンサーが取り付けられており、鳩舎に取り付けられた専用の端末で到着時間を自動計測。鳩舎ごとにコース距離が変わるため、測定タイムとスタート地点からの距離に基づいて計算された「平均分速」により順位が決定されます。
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専用の端末で到着時間を自動計測
ハトたちが無事に帰ってくるのを自宅でじっと待つ柴垣さん。この日は午前10時より少し前に、最初の1羽が戻ってきました。最後は柴垣さんが口笛で誘導して、無事にゴールです。
この日のタイムは2時間56分09秒。約200kmの距離を約3時間で飛んできたと思えばすごく速いように感じますが、柴垣さんの予想からは30分以上も遅いタイムだったようです。
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ハトを狙うタカが空を旋回
予想外の苦戦となった理由は空の上にありました。空を見上げてみると、柴垣さんの自宅の周りをタカが悠々と旋回。このため、ハトが近くまで飛んできてもなかなか降りてこられない状態となっていたそうです。
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分速およそ1.2kmの超スピード!
それでもハトたちはタカの目を掻い潜って、一羽。また一羽と鳩舎へと帰還。無事に帰ってきたハトたちの姿に、柴垣さんもホッとひと息です。
今回のレースで優勝したのは岐阜県の大橋鳩舎のハト。1分間に約1.2km近くのペースで飛行し、堂々の優勝となりました。
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