しょうゆの味の秘密は「木おけ」の微生物   香川・小豆島のしょうゆ蔵が木おけの作り方を学び後世に伝承

LBS ローカルビジネスサテライト

  • ヤマロク醤油の木おけ

    ヤマロク醤油の木おけ

香川県小豆島にある創業、約150年のしょうゆ蔵。途絶えかけていた木おけ作りの技術を守り、伝統の味を後世へ残すため5代目が新たな挑戦を続けています。

目次

  • オリーブ和牛丼 ~焦がし醤油だれ~

    オリーブ和牛丼 ~焦がし醤油だれ~

香川県 小豆島町にある「レストラン Cuitiva」で客が食べているのは、地元ブランド牛のオリーブ和牛丼 ~焦がし醤油だれ~です。タレには少し特別なしょうゆが使われています。

常連客:「非常に濃いんですけど、カドがないので、とてもまろやか」

  • うまみ

    うまみ

タレに使用しているしょうゆは、うまみの参考指標で見ると、一般的な濃口の約1.5倍あるといいます。

  • 鶴醤

    鶴醤

値段は500mlで2000円弱と、一般的な醤油の約5倍です。

  • 150年の歴史

    150年の歴史

鶴醤(つるびしお)を作っているのは、150年の歴史がある「ヤマロク醤油」です。

  • 100年以上

    100年以上

蔵には巨大な木おけがずらりと並び、その半分が100年以上使われ続けてきたものです。

  • 木おけしょうゆ

    木おけしょうゆ

木おけで仕込むしょうゆは、おけや蔵の建物に住む微生物の働きで発酵させるために、毎日手作業で混ぜ、約2年かけて作ります。

  • 生産量は1%

    生産量は1%

木おけによる仕込みは、金属タンクで作る一般的なしょうゆの4倍もの時間がかかります。そのため、大量生産は難しく、国内しょうゆ生産量の1%だといいます。

1本2000円弱!一般的な醤油の5倍の価格でも売れる「鶴醤(つるびしお)」とは

  • 完成に4年

    完成に4年

鶴醤は再仕込みしょうゆという種類で、一度できたしょうゆに大豆などの原料を加えて作り直すため、完成に4年もかかります。

  • 継がなくていい

    継がなくていい

2002年にこの会社を継いだ5代目の山本康夫さんですが、父は「もうからないから継がなくていい」と言っていたそうです。

  • 約70年で6分の1

    約70年で6分の1

しょうゆメーカーは大量消費と価格競争の流れの中、約70年で6分の1にまで減少しました。

  • 国内に4人ほど

    国内に4人ほど

山本さんは、代々受け継いだ木おけが産むしょうゆの味が生命線だと考えていました。

ところがある時、その木おけを作る職人が国内に約4人しか残っていないと知ります。

  • 山本康夫社長

    山本康夫社長

ヤマロク醤油 5代目 山本康夫社長:
「(木おけメーカーが)納品に来た時に、言われたのは『いつまで続くか分からんよ。自分のおけは自分で直してね』と言われて、やっぱこれはまずいなと思いました」

職人が絶滅寸前…自ら木桶作りに挑んだ5代目の危機感

  • 木桶職人復活プロジェクト

    木桶職人復活プロジェクト

そこで自ら職人から木おけの作り方を学びました。ただ、1社だけでは国内の木おけ作りを維持できません。山本さんは2012年、全国の小さなしょうゆメーカーの後継ぎ仲間らに声をかけ、一緒に木おけを作る「木桶職人復活プロジェクト」を立ち上げます。

  • 付加価値を訴えやすく

    付加価値を訴えやすく

参加した中小メーカーも、木おけでしょうゆを作ることで味の個性や手間暇などの付加価値を訴えやすくなりました。

海外バイヤーも注目!木おけしょうゆの価値を世界へ発信

  • 木桶仕込み醤油輸出促進コンソーシアム

    木桶仕込み醤油輸出促進コンソーシアム

さらにその価値を世界へ伝えるため、2021年に木おけしょうゆの仲間で輸出促進コンソーシアムを設立しました。2022年には25社が、海外のバイヤーが集まる国際食品・飲料展「フーデックス」に初めて参加し、まとまった規模で売り込むことで注目を集めたのです。

ネット上での情報発信もしているといいます。

  • 満田将太記者

    満田将太記者

日本経済新聞社 高松支局 満田将太記者:
「ヤマロク醤油が世界から注目される要因の一つにSNSでの情報発信が挙げられます。インスタグラムで製造過程やこだわりを発信することで、広告宣伝費をかけずに商品の認知度や付加価値を高めています」

  • SNSで発信

    SNSで発信

山本さんは約7年前から毎日SNSでの発信を継続しています。

  • 自社ブランドのページ

    自社ブランドのページ

また、アメリカのAmazonでは自社ブランドの個別ページを作り、付加価値をアピールしています。

SNS発信とAmazon活用で海外売上が5年で3.2倍に拡大

  • 売上高見込み

    売上高見込み

そうした発信は欧米を中心に消費者やバイヤー、シェフに届き、2026年の海外売上は9000万円と、5年前の3.2倍に増える見込みです。

  • しょうゆの製造者

    しょうゆの製造者

ヤマロク醤油 5代目 山本社長:
「欧米を少しずつ増やしながら、インドと南米に種をまいて、情報発信をしながら待ちます」

「LBS ローカル ビジネス サテライト」番組概要

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日本経済新聞社とTXN系列テレビ5局が共同で企画・取材する動画コンテンツ。躍動する地域経済と企業の取れたてニュースやトレンドを各地のリレー方式で全国に向けて発信しています。テレビ愛知では中部圏の企業のユニークな取り組みを取材し、日経名古屋支社記者のコメントを交えて紹介します。

放送日時:
平日17:00~報道番組「5時スタ」内コーナー
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