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伊藤タンス店
あかせあかりさんと髭男爵・山田ルイ53世が、巷のポップカルチャーを独自の視点で深掘りする番組「アカリノコマド」。今回の放送では、山田さんが名古屋のポップカルチャーの聖地・大須をベース基地に、歴史ある老舗店へと足を延ばしました。
しかし、そこで待ち受けていたのは、伝統工芸の重々しい空気ではなく、現代の若者たちのリアルすぎる本音と、テレビ業界の闇(?)に切り込む過酷なインタビューバトルだったのです。
老舗タンス店店主の予想外な回答に貴族も仰天して思わずツッコミ
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老舗の空気が漂う伊藤タンス店
名古屋市中区まで足を延ばした山田ルイ53世さん。目の前に現れたのは、あからさまで圧倒的な老舗感を醸し出す『伊藤タンス店』です。
建物の前に立つと、中から「トントン、カンカン」と激しい音が響いてきます。
「多分ちょうど今、タンス作っている音ですね、これは。楽しみだな、行ってみましょう。タンスって作る時こんな音すんねや」
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「お邪魔します。こんにちは」
期待に胸を膨らませて突撃した山田さんを迎えてくれたのは、店主の伊藤彰洋さん。さっそく、誰もが気になる歴史について質問をぶつけます。
「なんかもう見るからに老舗感というか、あるんですけど、大体何年くらい?」
当然、「明治〇年創業でして……」といった輝かしい歴史が返ってくると思いきや、店主の口から飛び出したのは予想外のユルい回答でした。
「100年は超えているの分かっているんですけれど、ちょっとそれ以外は分からないです(笑)」
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「大体ちゃんと語るんですよ!覚えといた方がいいんだから」
これには山田さんもすかさず猛ツッコミ。「ちょっと先代に確認しておきます」と苦笑いする店主に、オープニング早々から主導権を握る貴族なのでした。
1本100万円の高級桐タンス!しかし顧客はオーナーではない!?
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庶民の憧れ・名古屋桐タンス
気を取り直して店の奥へ進むと、そこには威風堂々とそびえ立つ立派なタンスが。それこそが、国から伝統的工芸品に指定されている名古屋桐タンスです。
高級品を前にした山田さんの貴族センサーが敏感に反応します。
「桐タンスぐらいになると、もう顧客はオーナーでしょう?」
「いや、そんなことはないです(笑)」
店主にやんわり否定されつつも、そのルーツが400年前の名古屋城築城の際、お城の大工さんたちがこの土地に定着して作り始めたというガチの伝統を聞き、深く感心する山田さん。
さらに、気になるお値段について切り込みます。
「おいくらぐらいするんでしょう?」「だいたい一本で、100万ぐらいは……」
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「おぉ~!100万!」
100万円という響きに、思わず声が裏返る山田さん。「昔はすべての家に置いてあったくらい」という店主の言葉に、さらに愕然とします。
「桐タンスあった!?いや、見てくださいご主人。もう桐タンスを持つような家に生まれていないんです、我々は」
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「ちょっとうちの営業がまだ悪かったですね(笑)」
「リサーチ不足です(笑)」と笑い合う二人。現在では、着物を着る方だけでなく、湿気や火に強いという特徴から、なんと刀やカメラを保管する木でできた金庫として購入する人が多いという事実に、目からウロコが落ちる山田さんでした。
「校長室の家具を作り始めたら、夏」職人たちの独特すぎる風物詩
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実際の家具製造スペースへ潜入
続いて、実際に家具を作っている工房へと案内された山田さん。実はこのお店、現在はタンスだけでなく、家具全般(学校の教壇やカフェの受付カウンターなど)を幅広く手掛けているのです。
作業場をキョロキョロと見回していた山田さんは、ある注文票に目を留めます。そこにはハッキリと「1階 校長室」の文字が。
「やっぱ校長先生が発注するんですね(笑)校長先生の権威を損なわないような立派なものを」
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学校に納品される予定の書架
職人たちが手際よく木材を加工する姿を見ながら、店主に「年中、学校の仕事が多いのか」と尋ねると、そこには職人業界ならではの独自のサイクルがあることが判明します。
「時期によります。2〜3月はお店(店舗)が多いです。4月にオープンが多いので」 「あ、なるほど。お店の時期が過ぎると、何月くらいに学校がくる?」「学校は夏休みの間に入れるので。7〜8月くらいが学校関係が多いです」
生徒たちが休んでいる期間を狙って、一気に新しい家具を搬入する。つまり、彼らにとっての季節の訪れは、世間一般のそれとは少し違っているのです。
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「校長室のやつとか本棚を作り始めたら『あ、夏が来たな〜』っていうことだ(笑)」
「そうです(笑)」と笑う店主。ちなみに夏が終わると、今度は「クリスマス商戦」に向けて店舗の改装案件が舞い込み、冬休みに入れば再び「学校案件(お正月)」がやってくるのだそう。
年間スケジュールが、学生たちの長期休みと店舗のオープンに完全に支配されているという、エモくも過酷な職人たちのルーティンに山田さんも興味津々の様子でした。
貴族が23歳の若手職人にぶっこんだ「無茶振り質問ベスト3」発表!
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2階は組み立ての作業メインのフロア
続いて訪れた2階の作業場。そこで山田さんは驚きの光景を目にします。職人の高齢化が深刻な問題となっている現代において、このお店には若い女性や男性の姿が数多く見られたのです。
さっそく、作業中の女性職人さんに声をかける山田さん。
「おいくつですか?差し支えなければ」「23歳です」「23!?若!!」
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「給料とか満足していますか?」
元々ものづくりが好きで入社したという彼女に、山田さんは「給料とか満足いっていますか?」と、いきなりぶっちゃけ質問を敢行。彼女が「あ、まあ、はい(笑)」と言葉を濁すと、山田さんの悪魔の囁きが始まります。
「今やったら上げられるかもしれん。4代目がいるから。3代目は上げてくれへんけど、4代目は上げてくれるかもしれんから(笑)じゃあちょっと『ギャラ上げてください、よろしくお願いします』って一言言うといて」
「お願いします(笑)」「頑張ります(笑)」
目の前で繰り広げられる、お給料アップの直接直訴。さらに山田さんのターゲットは、その隣にいた同期の23歳男性職人さんへと移ります。
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伊藤タンスに入社して後悔したことベスト3(笑)
「どうすか、この会社に入って、後悔した、3つ、ベスト3から。伊藤タンスに入って後悔したことベスト3。第3位は!?ジャン」
完全にバラエティ番組のノリで、理不尽すぎる無茶振りをされた男性職人さん。普通なら「いや、ないですよ!」と綺麗に返すところですが、彼の口から出たのは、あまりにもリアルすぎる本音でした。
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第3位:家からちょっと遠い
「あるんだ!!!(大爆笑)」
まさかの「第3位:家からちょっと遠い」という、会社への不満ではなく完全なる私情に山田さんは崩れ落ちるほど大ウケ。「通勤ね、近い方がええもんね」と激しく共感します。
さらに勢いに乗る山田さんは、間髪入れずに追い詰めます。
「第2位いきましょう、伊藤タンスに入ってちょっと後悔してること、第2位は!?ジャン」
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第2位:ない
「もう『ない』と言うて、よかったです。2位1位と出てきたらどうしようと思いました(笑)」
店主もすかさず「もう給料アップです、これは(笑)」と太鼓判を押すほどの完璧なオチ。無茶振りに動じず、ユーモアを交えて職場への愛着(?)を示した23歳若手コンビのポテンシャルの高さに、山田さんも終始脱帽しっぱなしでした。
高齢化社会に一石を投じる!一味違う老舗の光に貴族も最後は感心
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「高齢化で人手不足と聞きますけどちょっと一味違うなと」
理不尽なぶっちゃけ質問を連発した山田さんですが、ロケの締めくくりには、いつになく真面目な表情で語りました。
「若い子たちが、男の子も女の子もね、一生懸命丁寧にお仕事されていて。ええ、なんかね、高齢化で人手不足だなんていろんな界隈で聞きますけど、ちょっと伊藤タンスさんはまた一味違うんだなというのにすごく感心しました」
最初は「1本100万円のタンスなんて、誰が買うねん」と斜めから見ていた山田さんでしたが、そこに集まる若い職人たちの熱意と、社長との風通しの良すぎる関係性に、本当の「ホワイトな価値」を見出したようです。
最後は「僕もいずれ、桐タンスのオーナーになりたいと思います」と言い残し、温かい拍手に包まれながらお店を後にしました。
伝統を守るということは、頑固に古いやり方に固執することではなく、若い世代が「ここで働きたい」と思える魅力的な環境を維持していくこと。使い捨ての消費文化や人手不足に悩む現代の日本において、大須の老舗タンス店が放つ光は、とても眩しく、そして最高にユーモラスなものでした。
あなたも、家からちょっと遠くても通いたくなるような、自分だけの一生モノの場所を探してみてはいかがでしょうか?
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