北海道生まれの「防雪柵」 雪害や交通事故が深刻な中央アジアにも設置 雪を高く吹き飛ばす技術

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  • ホワイトアウト

    ホワイトアウト

吹雪からドライバーを守る防雪柵。その製造で国内トップシェアのメーカーが北海道の小樽市にあります。雪を高く吹き飛ばす独自技術を持つこのメーカー。いま力を入れるのは海外事業だといいます。その背景に迫りました。

目次

「防雪柵」を世界へ

  • 防雪柵

    防雪柵

吹雪で視界不良となる「ホワイトアウト」。冬の北海道で発生し、重大な事故につながることも。そんな時、ドライバーを守るのが「防雪柵(ぼうせつさく)」。吹き付ける雪を上へ飛ばし、道路への直撃を防ぎます。

こうした防雪柵は日本生まれで、世界でも珍しいといいます。その国内シェアでおよそ6割を占めるのが、北海道小樽市の理研興業です。

海外への進出

  • キルギスの幹線道路

    キルギスの幹線道路

近年は海外への進出が相次ぎ、2025年、中央アジアのキルギスの幹線道路、6.5キロに柵を設置しました。地域や地形によって気象条件が大きく異なる中、あらゆる場所への進出を可能にするのがこの設備。業界では理研興業だけが持つという「風洞実験室」です。

風の強さを気象データをもとに調整。地域ごとに発生しそうな激しい吹雪を再現します。

理研興業 柴尾幸弘社長:
「(海外では)風速50メートルという風が吹く地域がありまして、ここ北海道と比べても環境が厳しい地域が多いんです。事前にモデルで再現することで、よりリアルな効果を提案できます」

また、柵の性能自体にも強みがあります。それは雪を吹き飛ばす「高さ」。ただの柵だと吹雪は渦を巻いて道路側に戻ってきてしまいます。そこで、柵の上部に穴を開けて風を通し、柵の7倍の高さまで雪を吹き飛ばすのです。

顧客ニーズに応える多様な製品

  • 客に合わせた多様な仕様

    客に合わせた多様な仕様

柴尾社長は70年続く会社の3代目。常に客の「困り事」からニーズを発掘してきました。

柴尾社長:
「困り事自体は結構多くて、道路の維持管理をする業者さんや発注者さんに『何か困っていることはないか』を聞きながら、それを製品化する」

そうした姿勢で開発するうちに、防雪柵の種類は150種類を超えました。中には、雪のある時期だけ出てくる電動タイプまで。

地域に寄り添うグローバル展開

  • 枯れ木を活用

    枯れ木を活用

海外展開も同じスタンスです。森林火災が深刻なモンゴル向けには、火災の原因である枯れ木を活用した防雪柵を開発。塗装作業を現地の人に任せ、雇用にも貢献する計画です。

さらに2025年12月には、カザフスタンの国営鉄道や高速道路会社と柵の建設に向けた覚書を締結。吹雪による列車の脱線や車の事故が深刻な中、技術が現地でも役立つと考えました。

日本経済新聞社 札幌支社 スレヴィン大浜華記者:
「理研興業は北海道で培ったノウハウに加え、現地の課題や気候条件に合わせて製品を開発する技術力が海外で評価を受けています。中国やヨーロッパと陸続きの中央アジアで生産拠点を整えられれば、販売網をさらに広げる足がかりになりそうです」

  • 目線は海外へ

    目線は海外へ

温暖化による降雪量の減少で、今後、国内の防雪柵需要は低迷する見込み。今後は海外に製造拠点を設け、2030年度に海外売上高1億円を目指します。

柴尾社長:
「海外の需要は日本とは比べものにならない。数百キロに及んで困っている地域、道路が数多くありますから、それらを日本の技術で解決させたいなと思っています」

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日本経済新聞社とTXN系列テレビ5局が共同で企画・取材する動画コンテンツ。躍動する地域経済と企業の取れたてニュースやトレンドを各地のリレー方式で全国に向けて発信しています。テレビ愛知では中部圏の企業のユニークな取り組みを取材し、日経名古屋支社記者のコメントを交えて紹介します。

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