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できることは極力何でも引き受ける便利屋の日野さん
「こんなことまでお願いできるの?」そんな驚きの声とともに口コミが広がり、依頼が途切れない便利屋が豊田市にいるといいます。電話が鳴り止まないほど頼られているのは、便利屋・日野詳司さん。地域の人々の“困った”に寄り添い続ける、その仕事ぶりを追いました。
モノづくりが原点。ガレージが仕事場
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バイク用のガレージも今では道具がひしめく仕事場に
自宅を訪れると、まず目に入ったのは工具で埋め尽くされたバイクガレージでした。まるで工房のような空間です。
娘さんが刀を集めるのが趣味だそうで、飾るための畳張りの棚も日野さんのDIY作品。何もないところからモノづくりをすることが昔から好きなのだと話します。
娘さんに便利屋という仕事について尋ねると、「最初は本気なの?と思いましたが、今では何でも頼れるので助かっています」と笑顔。家族にとっても頼れる存在のようです。
真っ白によみがえった椅子。リピーターが増える理由
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どうしても汚れがとれないイスの汚れを落として欲しいという依頼
もともとDIYを趣味としていた日野さんのもとには、日々さまざまな困りごとの相談が寄せられます。電話はひっきりなしに鳴り、依頼が入ればすぐに駆けつけるのが日常です。
この日訪れたのは、今回で3度目の依頼となるリピーターのお宅。白い椅子には食べこぼしによるシミや汚れがびっしりと付着し、何度拭いても落ちなかったといいます。
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浸け置きと揉み洗いの合わせ技で、新品同様の綺麗さに
日野さんは、60℃のお湯で溶かしたオキシクリーンに椅子を浸け置きし、その後、固形せっけんで丁寧に揉み洗い。すると、椅子は見違えるほどの白さを取り戻しました。
依頼内容は椅子の洗浄のみでしたが、日野さんはさらに周辺部分の清掃や動作確認まで実施。料金は交通費別で5,000円です。
「お客さんが笑顔になってくれるのが一番うれしいです」と語る日野さん。その言葉から、リピーターが絶えない理由が伝わってきました。
52歳での挑戦。感謝される仕事へ
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お客さんからの感謝の言葉がいちばんの活力に
日野さんが便利屋を始めたのは3年前。車部品関連の会社を退職した、52歳のときでした。30年間の会社員生活では、「できて当たり前、できなければ怒られる」という環境の中で働き、感謝の言葉を直接受け取る機会は多くなかったといいます。
しかし今は違います。依頼を終えるたびに「ありがとう」と声をかけられ、その一言で疲れが吹き飛ぶのだそうです。娘さんも、好きなことを仕事にしている父の姿を尊敬しており、「自分もそんな働き方ができたら」と話していました。
壊れた家電も復活。期待以上の仕事ぶり
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使うものはシンプルでも、技は確かな日野さん
次の依頼は、一人暮らしの高齢女性からの相談でした。内容は、野菜をスライスするフードプロセッサーの修理です。
折れてしまった部品にはプラスチックパテを使って補修し、しっかりと固定。さらに刃のガタつきも丁寧に研磨して調整するなど、依頼内容以上の手入れを施していきます。こうしてフードプロセッサーは無事に復活し、依頼主もほっとした表情を見せていました。
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時には、ゴミ捨てや買い物の代行も承る
体調を崩した高齢女性からは、ゴミ出しや買い物代行といった生活支援の依頼も寄せられています。料金は1時間3,000円に交通費を加えた形で、状況に応じて柔軟に対応しているそうです。
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不動産会社からの代行撮影の仕事もこなす
依頼は途切れることなく続き、翌朝には蒲郡市へ。不動産会社からの依頼で、空き家を販売するための外観・内観写真を撮影する仕事でした。撮影代行の料金は7,000円。遠方から専門業者を呼ぶよりも手頃な価格です。
地域に根ざして活動しているからこそ実現できるサービスといえるでしょう。
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この仕事は原動機付自転車が買えるくらいの報酬とのこと
中には長期間にわたる依頼もあります。農作業用車両の自動停止装置の開発では、完成まで4か月を要したそうです。
原付1台分ほどの費用でバンパーを製作したこともあり、依頼内容は実にさまざま。名駅の金時計前で段ボールに入ったニワトリを受け渡したというユニークなエピソードも教えてくれました。
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メーカーが修理を受け付けていないものまで直せることも
通常修理が受け付けられていない廃盤となった換気扇の修理を3万円で成功させ、感謝されたこともあるそうです。依頼者の半数以上がリピーターというのも、その仕事ぶりを物語っています。
今日も日野さんは、街のどこかで誰かの「困った」に向き合い続けています。まさに地域に欠かせない“お助けマン”です。
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