福岡の名物、屋台街。今でこそ多くの観光客が訪れ活気に満ちあふれていますが、一時期は店舗数が激減し、存続が危ぶまれていました。店舗数復活にはどんな背景があったのでしょうか。
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明太中毒 米満達治さん
博多名物・明太子ばかりを使う「明太中毒」。ブリーダーだった米満達治さん(28)が、2023年に開業しました。
明太中毒 米満達治さん:
「自分が熊本出身ですが、福岡に来たときに明太子のおいしさにはまりました。明太子と屋台をかけ合わせたら、とてもおもしろいのではと思ったんです」
新しい店が増え、中には行列ができる屋台も。経済効果は104億円と12年間で2倍に。なぜこんなに盛り上がっているのでしょうか。
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明太子と屋台をかけ合わせたら、とてもおもしろいのではと思ったんです
福岡の屋台は1960年代に400軒以上ありました。歩道や公園などを勝手に使い、ゴミも散乱。警察の取り締まりや店主の高齢化で、2011年には約150軒まで減りました。そこで福岡市は2013年に屋台条例を制定して、屋台を観光資源として生かすことを決めます。
上水道を整備する一方、屋台をはみ出して飲むのは禁止。歩道を使える時間を明確にし、安心して楽しめるルールをつくります。そのうえで市は屋台を公募、月3万円ほどの家賃で意欲ある店に道を開きました。
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2011年には約150軒まで減少
福岡市 屋台の魅力向上担当 浜田 洋輔課長:
「行政としては屋台が営業できる環境の整備。ルールを作り、屋台の営業者に守ってもらいます。それぞれの創意工夫で、魅力あふれる屋台営業をしてもらいます」
5倍の競争をくぐりぬけて参入した屋台は、これまでに40軒、全体の4割を占めます。新規参入組は30代が中心で、既存の屋台より20歳ほど若返ります。
明太中毒もそのひとつ。準備や片付けに時間がかかり、天気にも左右されます。
明太中毒 米満達治さん:
「普通の飲食店を開こうと思ったら、初期費用とか家賃とかも結構かかってくると思います。屋台はその面、スタートアップとしては非常にやりやすいです」
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5倍の競争をくぐりぬけて参入した屋台は40軒
そして客側にも変化がありました。夕食のために屋台に来る人が目立ち、こちらの出張者は福岡に着いて屋台に直行しました。さらにインバウンドも増えています。
海外観光客:
「日本の屋台は特別な文化です」
長年研究を続けている「屋台博士」の八尋和郎さんは、屋台の楽しみ方が変わったと指摘します。
屋台博士 八尋和郎さん:
「昔はシメの1杯みたいな感じでしたが、(1軒目から)屋台を目的にやってくる観光客が出てきました。客数で5割増し、客単価が3割ぐらい増しました」
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屋台博士 八尋和郎さん
日本経済新聞社 森 匠太郎記者:
「ほかの地域では、屋台を規制する方向に動いて福岡の希少価値が高まった背景があります。有名な観光スポットが限られる福岡では、食を重要な観光資源として売り出そうとしています。特に屋台がカギを握ることになります」
――屋台を出して良かったですか?
明太中毒 米満達治さん:
「(良かったと)とても思います。客と話したときに『おいしい』と言われたときとか。2024年か、2025年には(明太中毒という名前で)店舗をしたいなと1つの目標として掲げています」

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