シャープ 生物の「まね」で起死回生 動きや構造をヒントにして製品に生かす技術とは

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コロナ禍の巣ごもり需要で売り上げを大きく伸ばした家電業界ですが、現在はその反動から売り上げは低調となっています。そんな中、大阪府堺市に本社を置くシャープは、売り上げが低調な家電の起死回生を図るべく、ある取り組みを始めました。

生物の動きや構造をヒントにして製品に生かす

  • シャープ 製品開発担当者・公文ゆいさん

シャープの製品開発担当者・公文ゆいさん。じつは「フクロウの観察」と「製品開発」、大きな関係があるといいます。2月20日に新製品の発表会見が行われていました。そこで発表された冷蔵庫の一部は、ホタテの殻の構造を応用しているそう。

  • ホタテの殻の構造を応用

冷蔵庫のドアには合わせ貝の凹凸を再現。密着度合を高めることで、消費電力を約20%抑えることができるのだとか。

  • マンタの口の中の仕組みを糸くずフィルターに採用

シャープは2008年から、生物の動きや構造をヒントにして製品に生かす技術を「ネイチャーテクノロジー」と題し、23品目を展開しています。

シャープ 公文ゆい課長:
「マンタがエサだけを口の中に残す仕組みを、糸くずフィルターに採用しました」

マンタのエラはプランクトンを効率よく集めるため、渦を発生させる形状になっています。これをマネすることで、フィルターのすき間を水が通るときに渦が発生。糸くずが集まるようになり、指でなぞるだけでゴミが捨てられます。

「ネイチャーテクノロジー」を押し出した商品の開発

  • ビックカメラ 冨浦朋子さん

  • フクロウの羽ばたきを手本にした送風機

「フクロウの観察」は送風機を開発するためだったんだとか。公文さんは大学でも「生物模倣」の研究をしていて、卒業論文のテーマも「生物模倣」。シャープ入社後も14年間、ずっとネイチャーテクノロジーを研究してきました。

  • 現在開発中の送風機「はねやすめ」

そんな公文さんが開発しているのが見た目もフクロウそっくりな送風機「はねやすめ」です。フクロウはほかの鳥と違って風切り羽にギザギザがついていて、空気抵抗が小さく、羽ばたく音が静かです。一般的な送風機とくらべると「はねやすめ」はやわらかく自然な風をつくれるといいます。

  • フクロウ

日本経済新聞社 平嶋 健人記者:
「家電市場全体が冷え込みの傾向にある中、シャープは1~2年業績が低迷していて、2期連続で最終赤字に陥る想定です。家電業界はA社・B社の違いが分かりにくくなっていますが、『はねやすめ』という商品は、家電の進化とは違う軸の全く新しい製品になります。シャープ製品全体の起爆剤になると思います」

  • 家電の新たな形として今後も挑戦は続く

シャープ 公文ゆい課長:
「生物の動きに今後も着目していくことで、ネイチャーテクノロジーそのものを表すような製品を引き続き作っていきたいです」

公文さんは「はねやすめ」の羽もフクロウの翼のような、なめらかな質感にしたいなど現在も改良を進めています。価格は未定ですが、家電の新たな形として羽ばたくのか注目です。

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