富山県といえば、ホタルイカや白エビ、ブリなど、豊かな海の幸が有名です。しかし、これらの特産品はお土産にするには少し不向きな側面がありました。ところがいま、富山県で大ヒットしているお土産があります。それが、富山の幸を小分けにして統一されたパッケージで販売するブランド「幸のこわけ」です。
「自宅用」から「お土産」へ
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「幸のこわけ」360円~800円(税別)
「幸のこわけ」は、ホタルイカや昆布、白エビといった富山の特産品を、小袋に詰めて手軽に購入できるようにした商品です。価格も数百円とお手頃で、全28品目が揃っています。
老舗の昆布店に新たな販売ルート
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「ほたるいか素干し」
中でも一番人気は「ほたるいか素干し」。富山県いきいき物産の山内聖一営業部長は、「以前はおつまみとして自家需要で購入されることが多かったのですが、この形になってからお土産として買われる方が非常に多くなり、メーカーが供給が追いつかないほどです」と話します。
手頃な価格と配りやすいサイズが受け、自宅用だった商品がお土産用として定着したのです。
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昆布などの卸、加工、小売りを行う四十物(あいもの)昆布
大正9年創業の老舗・四十物(あいもの)昆布の商品も、「幸のこわけ」として販売されています。江戸時代、北前船の寄港地だった富山には多くの昆布が集まり、独自の昆布文化が広がりました。
卸売や小売を手がけてきた四十物昆布にとって、「幸のこわけ」は新たな販売ルートを開拓するきっかけとなりました。
県を挙げてのプロジェクト
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四十物昆布 四十物直之会長
四十物昆布 四十物直之会長:
「昔は大きな昆布がよく売れたが、いまは切ったものが売れる。県内の産物が一堂に集まり、デザイン性も良いから見栄えも良い。非常に良い商品だと思います」
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アートディレクター・デザイナーの中山真由美さん「新幹線のミニテーブルに自立して置けるようにしました」
この「幸のこわけ」プロジェクトは、県の機関が中心となって仕掛けています。富山県のイメージを高めるお土産を開発しようと、2009年に「越中富山お土産プロジェクト」をスタートしました。
新幹線内で食べやすいよう、ミニテーブルに置いても自立するパッケージにするなど、細部までこだわり抜いてデザインされました。
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年間売上高は約1億5千万円
現在は空港や新幹線車内など、70カ所以上で販売され、年間売上高は1億5千万円に上ります。今後はSNSによる発信やビジネスギフトなどの需要開拓によって、売り上げを年3億円規模に増やすのが目標です。
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日本経済新聞社 富山市局 藤本真大記者
日本経済新聞社 富山市局 藤本真大記者:
「『幸のこわけ』がホタルイカや昆布といった他にない特産物で差別化できている背景には、500種もの魚介類を育む富山湾や北前船などの歴史が生んだ、独自の食文化があります。
富山の豊かな食文化をアピールするブランド戦略をとっています。このように富山県の魅力を全国に発信し、認知させていくことが今後の『幸のこわけ』拡大のカギとなるでしょう」
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