【ストーリー】
明るく元気なユン・ダノは、都で科挙を受験する士人(ソンビ)のための宿屋「二花院(イファウォン)」を営んでいるが、女性の霊が出るというウワサのため、まったく客が来ない。試験の時期なのに宿泊する若者は、ダノが強引な作戦で連れてきた無愛想なカン・サン、お金もないのに転がりこんできた遊び人のキム・シヨル、以前より滞在している賢く優しいチョン・ユハの3人だけだった。
一方、国王イ・チャンのもとに行方不明のおいイ・ソルが士人たちに紛れて都にいるという知らせが入る。13年前、世継ぎだった兄を殺害し王座を奪ったイ・チャンは、兄の息子イ・ソルを取り逃がしていた。王命を受けた漢城府(ハンソンブ)のチャン・テファがイ・ソルを排除すべく捜索を開始する。そんなとき、ダノは亡き父がチャン・テファにした借金の形に二花院を奪われそうになる。ダノは二花院を守るため、交換条件としてイ・ソルを見つけるとチャン・テファに申し出る。ダノの危険な人捜しにサンたち3人も協力することに。
※士人(ソンビ)…学識があり、高潔な人/漢城府…都を管理・統治する官庁/コッソンビ…花のように麗しいソンビ
【相関図】
目次
第1話〜第5話
【第1話】
両班(ヤンバン)の娘に生まれながら、科挙を受けるソンビ専門の宿・二花院(イファウォン)を営むユン・ダノ。しかし、幽霊が出るといううわさで客が全く来ない。そこでタノは、科挙を受けに来たサンを強引に宿泊させる。さらに、妓楼(ぎろう)で遊びほうけていたシヨルもタノを助けた縁で二花院に。すでに下宿していたユハを加え、二花院は久々ににぎわう。一方そのころ、卑劣な手段で王座についた国王イ・チャンは自分の地位を脅かす廃世孫(ペセソン)イ・ソルの行方を必死に捜していた。
【第2話】
王命を受け、行方不明のイ・ソルを捜す漢城府(ハンソンブ)の判官チャン・テファは、二花院で過ごす3人のソンビに身分証を見せろと迫る。チャン・テファは8年前、王族を守る陰の剣客・番人に阻まれイ・ソルを取り逃がしていた。一方、タノは亡き父の借金により宿を失う窮地に陥る。二花院(イファウォン)を失うわけにはいかないタノは富営閣(プヨンガク)の主人ファリョンに会いに行くが、そこで貸主がチャン・テファだと知る。真偽を確かめるため、タノはチャン・テファのもとへ向かう。
【第3話】
タノは借金のカタに二花院(イファウォン)を渡す代わりに、イ・ソルを見つけるとチャン・テファに申し出る。1か月の期限を与えられたタノは、幼い頃のイ・ソルを知る人物が地方にいるという情報を得て、その人物に会いに行く。そこでイ・ソルの顔だちと特徴を聞き出すことに成功したタノは、早速イ・ソル捜しを始める。宿を空けてばかりいるタノを心配した3人のソンビたちは、ファリョンのもとを訪ね、タノとチャン・テファが取り引きをしたことを聞く。
【第4話】
危険なイ・ソル捜しをやめようとしないタノの身を案じて、一緒に捜そうと提案するユハ。初めは断るタノだが、羅州(ナジュ)に告げ口しようとするシヨルのせいで、しぶしぶ提案を受け入れる。イ・ソル捜しにサンも加わり、手がかりを探していたタノは、やがて意外な人物にたどりつく。しかし、タノはその人物からイ・ソルを捜せば、番人に命を狙われると警告されるのだった。さらに、シヨルは二花院(イファウォン)の離れで白装束姿の女性を目撃し…。
【第5話】
毒矢を受け重傷を負ったサンは、必死な手当ての末、何とか一命を取り留める。一方、タノはチャン・テファに呼ばれ、番人を見つけたら、借金を帳消しにすると言われる。そんな折、富営閣(プヨンガク)で漢城府(ハンソンブ)による賭博の取り締まりが行われ、その場にいたシヨルは連行されてしまう。しかし、連れていかれたのは漢城府ではなくチャン・テファの屋敷。シヨルがイ・ソルだと考えたチャン・テファは、シヨルをおとりに番人をおびき寄せるつもりだった。
第6話〜第10話
【第6話】
捕らわれたシヨルの姿を見たタノは、常にシヨルのそばにいたサンが番人だと確信する。サンをチャン・テファに差し出すわけにはいかないと考えたタノは、二花院(イファウォン)を手放すことを決意。弓矢を持って現れたサンを引き止めようとするも、サンはシヨルの救出に向かってしまう。一方、育ての母が危篤だと聞かされ本家に戻ったユハは、父の遺品と遺産を渡される。二花院へ戻り、タノとソンビたちはユハを慰めるが、翌朝になるとタノは姿を消していた。
【第7話】
チャン・テファに居場所を知られてしまったタノたち。チャン・テファはタノに刀を突きつけ、イ・ソルが誰なのか答えろと脅す。するとそこへ、謎の剣客が現れタノたちを助ける。剣客が番人だと確信したチャン・テファだが、同じような姿をした剣客がもう1人現れ困惑する。そのころ街では、イ・ソルが王座へつくことを示唆する禁書「三韓秘記(サムハンビギ)」が出回っていた。それを製本したのは、王に対敵する勢力組織・木人(もくじん)会で、ユハもその一員だった。
【第8話】
タノは、酒場に現れた漢城府(ハンソンブ)の役人に連行される。竜の絵が描かれた磁石を取り上げられたタノは、なぜ亡き世子(セジャ)の遺品を持っているのかとチャン・テファから追及を受ける。かたくなに答えを拒んでいたタノだが、首を絞められて幼い頃にイ・ソルをかくまったことを話してしまう。そこへユハが現れ、借金を返す代わりにタノを解放するよう要求する。一方、科挙に合格したサンは、二花院(イファウォン)に戻るなり、タノに衝撃的な告白をして…。
【第9話】
親衛隊に入り自らの手で王を断罪するつもりだと話すサン。いくら止めても聞く耳を持たないサンを心配したタノは、遠くへ逃がそうと清(しん)へ行く船を手配しようとする。そんなタノの様子を見ていた富営閣(プヨンガク)の妓生(キーセン)パニャはチャン・テファに報告。チャン・テファはタノに近しいユクホを呼び出し、タノが見つけたイ・ソルが誰なのかを教えれば官職を買い与えると約束する。一方、ユハは左議政(チャイジョン)からの提案を受け入れ、王座につくことを決心する。
【第10話】
王の前で見事な武芸を披露したサンは、上司の反感を買ってしまう。1人で武器を磨くはめになるが、そこで護衛日誌を目にし、王に親衛隊の護衛が付かない空白の時間があることを知る。一方、タノの力になりたい姉ホンジュは、男装してシヨルと共に街へ出る。はたご屋で二花院(イファウォン)の宣伝に励むが、そこへチャン・テファが通りかかる。そんな折、故郷の友から呼び出されたサン。待ち合わせ場所に行くと、チャン・テファの部下に囲まれてしまう。
第11話〜第15話
【第11話】
本を借りようとユハの部屋に入ったユクホ。そこで犬小屋と子供たちの絵が描かれた「三韓秘記(サムハンビギ)」を見つけ、ユハに詰め寄る。その絵の意味を知るユクホは、絵を描いたサンを呼び出し、二花院(イファウォン)から出ていくように伝える。時を同じくして、再び宮殿に呼ばれたタノ。イ・ソルが誰なのかと王から聞かれるが、動揺しつつも知らぬふりをする。サンは、宮殿から帰るタノを襲撃しイ・ソルをおびき出せとの王命を受け、変装し親衛隊と共にタノの後を追う。
【第12話】
王をだますためにタノは宮殿に戻り、廃世子(ペセジャ)の親衛隊から以前脅されたことがあると話す。王の関心は生き残った親衛隊に移り、サンの思惑どおりとなる。一方、ホンジュは結婚を約束していたチャン・ヒョンの墓へ、シヨルを連れていく。墓前で苦しい胸の内を明かすホンジュをシヨルはそっと見守る。そんな折、木人(もくじん)会のことを調べようと、会合へ向かうユハの後をつけたサン。イ・ソルとして皆の前に立った長(おさ)を見ると、そこには…。
【第13話】
ヒョンの墓を訪れたチャン・テファは、そこに置かれていた血の付いた飾りを見つける。それはヒョンが死んだ際に、その後を追うようにと告げ、ホンジュに渡した物だった。改めて二花院(イファウォン)を調べるようチャン・テファは部下に命じる。一方、イ・ソルが誰かを知ったユハ。木人(もくじん)会の長(おさ)の座から退くことを決め、そのことを伝えようと集会場へサンを呼び出す。しかし、サンが約束の時間に集会場に着くと、そこへ現れたのは大勢の刺客だった。
【第14話】
ホンジュが生きていると聞き憤怒したチャン・テファは、自ら確認しようと二花院(イファウォン)へ忍び込む。離れでたたずむホンジュの姿を目にしたチャン・テファは、部下に墓地を用意しておくよう命じる。そのころ、サンは尚膳(サンソン)と密会しているところを親衛隊に見られてしまう。報告を受けた親衛隊長は、サンの同期であるユン・グナムにサンの動きを監視するよう指示する。そんな折、王が山で狩りを行うことになり、それを聞いたサンは…。
【第15話】
狩りの場で矢に倒れた王。とどめを刺されようとした時、王の親衛隊やチャン・テファたちが駆けつける。宮殿に運び込まれた王は治療を受けるが、一向に目を覚まさない。その翌日、サンは、狩りの時に番を代わって休んだことで疑われ拘束される。王が意識不明の中、大妃(テビ)は大臣たちを集め、王子が王の子ではないことを暴露する。そして、暴君の息子を廃位して、孫のイ・ソルを新王とする宣言書を準備するが…。
第16話〜第28話(最終回)
【第16話】
こん睡状態だった王がついに目を覚ます。王は、イ・ソルと手を組んでいた尚膳(サンソン)に対し、イ・ソルを裏切るか、忠誠を尽くし一緒に死ぬかの選択を迫る。刀を突きつけられた尚膳は、イ・ソルが二花院(イファウォン)に隠れていることを話し、命乞いをする。それを聞いた王はチャン・テファに密書を送り、イ・ソルを捕らえるように命じる。六人会を引き連れ、すぐさま二花院へ向かったチャン・テファだが、3人のソンビはおらず、タノとホンジュが人質に取られてしまう。
【第17話】
イ・ソルとして捕らえられたユハは、王の前に引き出されるが、きぜんとした態度で王にあらがう。一方、パニャから王宮で盛大な宴(うたげ)が開かれると聞き、その席でユハが処刑されると察したサンは、ユハを助け出すための策を講じる。宴の当日、壇上ではユハの処刑が始まろうとするさなか、王宮へ潜入し、ユハのもとへ急ぎ向かうサンやシヨルたち。しかし、その前に親衛隊を従えたチャン・テファが立ち塞がる。
【第18話(最終回)】
ユハの処刑が始まったその時、サンたちが攻撃を開始。処刑を阻止しようとサンが矢を放ち、王は自らの手でイ・ソルを斬ろうとユハの眼前に迫る。しかし、危険を察した親衛隊に阻まれ、王はその場を後に。逃げる王たちは途中で女官になりすましたタノに遭遇。追われたタノは大妃(テビ)から受け取った弓を構え、追っ手に狙いを定める。一方、親衛隊長に刀を向けられたサン。謀反のために親衛隊に入ったのかと問われ、ある事実を告げる。
【キャスト】
ユン・ダノ:シン・イェウン「A-TEEN」「彼はサイコメトラー -He is Psychometric-」
カン・サン:リョウン「人生最高の贈り物~ようこそ、サムグァンハウスへ~」「悪の心を読む者たち」
キム・シヨル:カン・フン「赤い袖先」「シスターズ」
チョン・ユハ:チョン・ゴンジュ「偶然見つけたハル」「恋するイエカツ」
チャン・テファ:オ・マンソク「愛の不時着」「五月の青春」
ファリョン:ハン・チェア「内省的なボス」「恋慕」
ユン・ホンジュ:チョ・ヘジュ「メモリスト」「財閥家の末息子~Reborn Rich~」
【スタッフ】
脚本:クォン・ウンミ、キム・ジャヒョン
演出:キム・ジョンミン
制作:APOLLO PICTURES 、PAN ENTERTAINMENT、STUDIO S
原題:꽃선비 열애사(コッソンビ熱愛史)
この記事をシェアする




