バイクや車のプラモデルに塗装をほどこす際に登場することが多い金属表現。
プラスチックを金属へと変えるための塗料はたくさんあり、それをただ塗装するだけでも金属感のある見た目にはなりますが、塗装を行う前の"下準備”を入念に行うことでより美しく、表現豊かな仕上がりになってくれます。
目次
キットパーツに施されているメッキを剥がしてしまおう
バイクや車のキットの中でも、特に古い車種のものにメッキ加工されたパーツが用意されています。これは金属表現や、実車でもメッキ加工されているパーツがそうなっていたりして、組み立てた際にも見映えがするのですが、パーツを切り出した跡はそのまま残りますし、塗装したほかのパーツとの仕上がりがマッチしない場合もあります。
そんなときは、メッキを剥がしてイチから再塗装がおすすめ。以下の方法で簡単に剥がすことができます。
メッキの剥がし方
市販のメッキ剥がし剤に漬け込むだけ。数時間で勝手に剥がれてくれます。
その後は水洗いなどでディテールに入り込んでいる粒子まできれいに取り除きましょう。細かいパーツは完全に切り出さず、ランナーについたままだと紛失しづらくなって安心です。
そのほか、昔からの定番の方法として、キッチンハイターなどの台所用漂白剤などに漬け込むことでも可能。いずれの方法も初めてやる場合はパーツではなく、メッキパーツのランナーで試してみるのが良いでしょう。
パーツ表面の凸凹は取り除いてなめらかに
金属感のある塗装や光沢感のある塗装を施す際、土台となるパーツの表面が凸凹していると、その凸凹が塗装面に影響を与えて美しい仕上がりになってくれません。なめらかな表面を目指しましょう。
1.ヤスリで表面処理を行う
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金属に見せるために表面を滑らかにする
紙やすりなどを使ってパーツの合わせ目の段差を削ってツライチに。無垢なパーツ表面も目に見えないレベルで凸凹したりしているので、ならしてあげるイメージで削りましょう。
削り跡も凸凹の要素となるので、400番→800番→1200番といった具合で段階的に削ってなめらかにしていきます。400番→1200番のようにいきなり高い番手にしても削り跡が消えてくれないので注意。
2.サーフェイサーで凸凹の確認
サーフェイサーと呼ばれる下地剤を塗装することで細かい凸凹を埋めつつ、それでも埋まりきらない凸凹を視認することができます。
見えた凸凹は前述と同じ方法でなめらかにします。
3.サーフェイサーの塗装面を磨く
サーフェイサーを塗装すると細かい傷や凸凹を埋めてはくれますが、塗装面は細かく凸凹しているため、特にメッキのような光沢感と金属感のある塗装を行う場合にはしっかりならす必要があります。1000番以上の高い番手のものを段階的に使ってツルっとした表面を目指しましょう。
金属表現ごとに塗装方法を変えよう
1.金属&光沢感のメッキ表現にはウェット塗装を行う
金属塗料を塗る前に下地の色を塗装する必要があります。メッキ表現を行ううえではとにかく平滑な塗装面が重要なので、「ウェット塗装」と呼ばれる技法が使えると便利です。
これは、塗装が乾く前にしっかり塗り重ね、垂れる直前の表面張力によって塗膜を平滑にするというもの。パーツとエアブラシの距離、塗料を吹き付けるときの圧力、塗料の希釈具合のバランスが重要です。
メッキ表現用の塗料はベタっと塗る のではなく、やや遠目から金属粒子を薄く乗せるイメージで塗装するとうまくいきやすいです。
2.渋い金属表現はマット調から立ち上げて雰囲気良く仕上げる
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塗料を揮発させながら銀色の粒子を乗せる
エンジン部分のような金属パーツは、ある程度ザラつきのある表現のほうが決まりやすいです。下地剤のサーフェイサーのマット調な表面を活かして塗装するのもおすすめ。
金属塗料を塗る際には、金属の粒子が目立つように少し距離をとって吹き付けてザラついた雰囲気を目指してみましょう。
細部の金属表現にもこだわってみよう
複合素材でできているバイクは、メッキ調のマフラーとマット調のエンジンという大まかな部分だけでなく、エンジンだけをピックアップしても細かい部分で質感が異なります。そういったところにも変化をつけてあげると、さらに解像度の高い仕上がりになってくれます。
小さな模型では、キラリと光る金属表現がとても目を引きます。特にエンジンむき出しのネイキッドタイプのバイクはそれが顕著。
実車さながらの金属表現にぜひ挑戦してみてください!
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