ラジコンやミニ四駆とも違うレーシング玩具「スロットカー」をご存知でしょうか。1960年代に日本で流行し、現代も根強いファンが多くいるジャンルです。スロットカーとはどんなものなのか、その魅力をお届けします。
目次
「スロットカー」とは?
ガイドとなる溝=スロットに沿ってマシンを走らせるレースキットのこと。鉄道模型の原理をヒントに、金属の溝からマシンの金属製ブラシへ電気を供給し、それを動力としてマシンを走らせます。プレイヤーは、マシンが脱線しないように手元のスイッチで電気の量を調整してコントロール。本物レースをイメージさせるスピード感と操作性が醍醐味です。
マシンが走行するガイドとなる金属の溝から電気が流れます。
マシンの裏側には、溝にハマる突起と金属製のブラシがあり、そこから電気を受け取ってモーターを動かし走るといった構造になっています。
スイッチはひとつ。押したり離したりすることで電気の量を変えてマシンの速度を調整します。
市販のミニカーを改造してスピードを追求
市販のマシンそのままでもスロットカーを十分楽しめますが、改造をすることでよりスピーディーなレース車らしい走りを楽しむことができます。
改造前の状態をチェック
対象のマシンは「マセラッティ450S」。まずはそのまま走らせて、どういった仕様なのかを確認します。
ボディーを開けてみると、車体を安定させてくれる磁石が入っていないタイプのものでした。速さを追求するためには必要な部材です。
モーターを変える
速さに直結するモーターを交換します。ノーマルは1分間で1万回転するものが入っていますが、それを4万回転するものに変えてしまいます。
マシンの構造に合わない場合は、合うように加工。タイヤにモーターのシャフトが干渉するので、シャフトを切り落としてしまいます。
モーターの本体自体がタイヤのシャフトに干渉しているので、削ってサイズ調整。
ミニカーのコーナリングを安定させる!
スピードをあげると脱線しやすくなるスロットカー。それを防ぐために、磁石を使ってレールにマシンが吸い寄せられるようにする必要があります。ただ取り付けだけでなく、大きさや位置関係にも工夫が必要です。
使う磁石は、磁石入りの市販品に使われているものよりも幅広いものを用意。レールの金属部分から広く磁力を拾うためです。
磁石を車体下部にどれぐらい出すかも重要なポイント。出しすぎると路面への吸着力が高まりすぎてしまい、走りに影響します。逆に出しすぎないとあまり効果が得られません。
コースのパーツを使って磁石の効果をチェック。貼りついた状態を維持しつつゆっくり動くくらい、軽い力でレールから外れるくらいがベストとか。
完成!
ボディを取り付ければひとまず完成。あとは走行状態の確認。
改造前は1周6.5秒でしたが、改造後は4.9秒。1.6秒もタイムを縮めることに成功しました。
あとは、制作者の趣味でフィギュアのポーズを改造。レース中にハンドルを両手で持つことはほとんど無いと考え、左手をシフトレバーに添えている姿にして臨場感をプラスします。
まとめ
無改造状態からはかなり改善されたものの、コーナリング性能にまだまだ改善の余地があるようで、さらなる性能アップが期待されます。
走行を追求する改造だけでなく、ディテール面の改造も楽しめるスロットカーの世界。手塩にかけたマシンを自らの手で活躍させる、レーサーさながらの追体験を楽しんでみてはどうでしょうか。
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