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恐竜模型
ガレージを訪れた子どもたちが思わず叫んでしまう巨大な恐竜は、すべて発泡スチロール製! 大きくてリアルな恐竜を、発泡スチロールだけで作ってしまう模型マニアに密着。もはや個人の趣味の範疇を超えたクオリティと恐竜がどのように作られているのか、詳しくお届けしていきます。
目次
●恐竜を作るための下準備
素材となる発泡スチロールの準備。サイズは高さ2メートル、厚さ60センチ。目が細かく強度の高いものを選んでいます。
今回製作するスピノサウルスにはその発泡スチロールを約3枚使用します。
次に用意するのは、竹の棒に黒いペンをくくりつけたオリジナルの道具。これで、発泡スチロールに造形のためのガイドラインを描いていきます。
恐竜の図鑑を見ながら描きます。なぜこのペンを使うかというと、発泡スチロールと距離を取らないとキャンパスである発泡スチロールを広く見ることができず、大きく描きにくいからだそう。
その後、下書きに沿ってカットしていきます。
カットする道具も手作り。野菜などを栽培するときに行なうトンネル栽培に使うアーチにニクロム線を張ったもの。これで厚み60センチもある発泡スチロールをカットできます。
ニクロム線を使った熱で切断する方法が一番仕上がりがきれいで、発泡スチロールならではの粒子ゴミが出にくいです。
細かい造形は手元のヒートカッターなどで整えていきます。
大まかな形作りは完成! ここからさらに造形を整えていきます。
●パーツの表面を磨いて凸凹をなくす方法
カット面を滑らかにするのにワイヤーブラシを使います。目が細かい発泡スチロールなので欠けたりしにくいです。
細かい凹凸がある顔付近は小さいワイヤーブラシに持ち替えて作業。大まかに削り終えたら、紙やすりで更に滑らかにしていきます。
before
after
丸みを帯びて生物感のあるフォルムにまとまりました。
形が整ったらディテールづくり。ハンダゴテを使って表面を溶かしゴツゴツした体表を描いていきます。失敗できない一発作業。
ディテールが加わり、表情豊かな仕上がりに!
●装飾、塗装を施す
スピノサウルスは肉食恐竜なので鋭い歯が必要です。本体との一体成型は難しいので別途作って装着してやります。
計58本もの歯を製作。形や長さはバラバラに、迫力を出すために少し長め製作していくのがコツ。
今にも噛みつきそうな、躍動感のある姿に。噛まれたらひとたまりもない凄みがあります。
今回は水辺の獲物をハントしようとしている姿をイメージしたポージングを採用しています。
塗装はスプレーガンで。発泡スチロールが溶けにくい塗料を使用します。恐竜に参考となるカラーリングは存在しないので、製作者のセンスのみで塗装していきます。
完成。さまざまな色が表面にのぞかせている複雑な色合いで、非常に良い雰囲気に仕上げられています。口周りの色分けがしっかりされていて生々しい顔つきを表しています。
●まとめ
軽くて切削性に優れた発泡スチロール工作。この規模はなかなか難しいですが、小規模でも行う作業は同じ。もしお子さんがいらっしゃる方は、夏休みの工作などに活用してみてはいかがでしょうか。
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