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“ミニ”盆栽
鉢の中で作り込み、その植物の魅力を凝縮させる「盆栽」。技術を応用することで、よりコンパクトな“ミニ”盆栽に仕立てることができます。模型ではない、自然が作り出すミニチュアモデルの世界をお届けしていきます。
見る美しさ、並べる楽しさが「ミニ盆栽」の魅力
一般的な盆栽よりも非常に小さく、より凝縮された世界観はもちろんですが、小さいがゆえに、たくさん並べられるのもミニ盆栽の大きな魅力。棚全体ではなく、その一角のみを使って盆栽が織りなす魅力的な情景を堪能できます。そのためには、木のバリエーションが重要です。
主な種類
●五葉松
盆栽ではポピュラーな植物で愛好家も非常に多い。庭木としても人気です。
●姫リンゴ
バラ科リンゴ属の植物。樹形とともにかわいらしい葉と小林檎が楽しめます。
●ろうや柿
小さな実もつける「ろうや柿」。実の形や色もさまざまあるので、育てる楽しみがあります。ちなみに雌雄異株なので、実をつけるのは雄株が必要です。
盆栽の技「曲づけ」の仕方
ミニ盆栽を複数飾るには、木の種類はもちろんですが、姿形にもバリエーションが必要です。そのために重要な技が「曲づけ」。針金などを使って枝を曲げて形に動きをつけていきます。

用土に針金を差し込みます。

ミニ盆栽の枝に沿って針金を巻きつけて「しつけ」を施します。巻きつけた針金を使って枝を湾曲。曲げにも限界があるので、折ってしまわないように注意します。

ペンチを使ってさらに追い込みます。ミニ盆栽の曲づけは極端につけたほうが様になりやすいです。

曲づけが完了。曲づけ前と比べると高さも大きく変わり、盆栽らしい形へとコンパクトになりました。
幹の太い盆栽の作り方

小さな木を大きく見せるときに必要などっしりとした幹。「取り木」という方法を使えば、そういった個体でなくても、太い幹にすることができます。
取り木を行うのはこの盆栽。枝ぶりはまずまずですが、幹の部分に太さがなく、少し間延びした雰囲気です。そこで、幹の途中でカットしてしまい、長さを調節したら、ほかの鉢に植え込む「取り木」を行うことで幹にも太さが生まれてくれます。
そのままカットして植え込むだけでは根が出るまでに時間がかかりますし、株への負担が大きいです。そこでカットしたい部分の幹を削り、鉢に植わっている状態で根を出してやります。


幹の皮が剥げたらそこにカップを取り付け、水苔を敷きつめます。

生えてきた根が張りやすいように、赤玉土をカップの中に投入。

こうして根が張るまでに3カ月ほど。1年後に切り離します。
ミニ盆栽のディスプレイに重要な鉢選び
種類、形に続いて重要なのは鉢。盆栽の額縁となるため、その個体にマッチした鉢選び、もしくは鉢にあった盆栽を作り込む必要があります。
今回は9点飾りを行うために植物を選抜し、盆栽にぴったりな鉢を選んでいきます。複数の盆栽を置けるのがミニ盆栽の醍醐味。だからこそ、構成が難しいのですが、棚に置きながら吟味するのもミニ盆栽の楽しみの1つです。

悩んだ結果、今回は新芽の美しい個体をチョイス。緑が強すぎてしまわないように、彩りのいい鉢を選んで華やかさをカバーします。

株と鉢選びから1カ月後に完成した9点飾りです。タイトルは「新緑」。暖かい時期だからこそ実現できた緑の共演です。
時間の経過とともに、植物の生命力や魅力の奥深さも感じられるミニ盆栽の世界。手塩にかけたくなる植物とおしゃれな鉢を選んで、優雅な盆栽ライフを楽しんでみてはいかがでしょう。
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