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ピンホールカメラで撮影した写真
今はデジタルカメラが主流で、スマートフォンに搭載されているカメラ機能で誰でも手軽にきれいな写真を撮ることができます。そんな現代からは大きく逆行したピンホールカメラを嗜む達人をご紹介。アナログカメラならではの面白さ、味わい深さをお届けしていきます。
目次
ピンホールカメラとは?
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レンズを使わないカメラ
一般的にカメラといえば、レンズを通して映し出される撮像をフィルムやイメージセンサーで記録するものですが、ピンホールカメラは約0.3mmの穴をレンズ代わりにした、レンズを使わないカメラのこと。トイカメラなどでも展開され、お菓子の箱などを利用して自作したことがある人もいるのではないでしょうか。
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すべて達人の自作のピンホールカメラ
達人のピンホールカメラはすべて自作。お菓子の箱がもとになっているような簡易的なものではなく、既製品を思わせるクオリティーで作られており、形や仕組みもさまざまです。
形や仕組みは違えど構造はピンホールカメラ。遮光されたボックスの中をのぞくとレンズ代わりの0.3mmの穴を発見。
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ピンホールカメラで撮影された写真
撮影された写真がこちら。ピンホールカメラらしい中心から外側にかけてだんだん暗くなっていく表現が加わっています。基本的にはフィルムですし、厳密に構図を合わせられるファインダーも備わっていないので、どんな写真が撮れるかわからないのもおもしろいポイントです。
ピンホールカメラの仕組み
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本体の中身は遮光のために黒塗りは施されたところに穴が開けられているだけ
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そこにフィルム面の代わりにすりガラスを配置すると、うっすら輪郭を帯びた光が映し出された
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写ったのは窓際の金属ラック。少しイメージしづらいのは光の屈折の関係で逆像に写っているため
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穴が小さければ小さいほど撮像がくっきりします。こちらは1.5mm
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0.5mmまで小さくなると穴を通る光の量が減るため暗くはなりますが、金属ラックの網目まで見えるように
実際に撮影してみる
スマートフォンのカメラのように簡単には撮影することができません。まず、簡易的に設けたファインダーでざっくり画角を決めます。
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露出計
露出計と呼ばれる機器を使って、撮影環境や被写体に当たっている光の明るさを測定。適正な明るさの写真が撮れるように、シャッタースピードを調整します。
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シャッター速度
小さな穴から差し込む光だけを頼りに撮影をするので、日中の明るい時間でも30秒〜1分ほどシャッターを開けっ放しにしないといけません。(通常のカメラであれば、大体1/250秒程度で撮影することがほとんど)
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公園で撮影した写真
そうして撮影できた写真がこちら。簡易的なファインダーである程度予測はしていますが、フィルム撮影ですし、現像してプリントしない限り“どのような写真になっているかわからない”。そんな予測不能な面もおもしろいポイントです。
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京都三年坂「明保野亭」前 シャッター速度45秒
達人お気に入りの京都での1枚。観光シーズンで人が多かったものの、シャッタースピードが40秒ほどだった関係で動いている人が流れて写り、京都を舞台に幕末志士が疾走しているような雰囲気になったとのこと。
ピンホールの作り方
達人が手がけて2号機目となるカメラは、最新のものとはピンホールの制度があまり高くないので再調整することに。カメラのキモであるピンホールがどのように作られるのかを見せてもらいました。

用意するのは厚さ0.1mmの銅板。任意のサイズにカットできたら穴を開けます。
使うドリルの径は0.3mm。慎重に開口していきます。

開口できたら終わりではなく、銅板をまるごとヤスリで研磨し、厚みを減らしていきます。穴にも厚みがなくなるとそのぶん写りがシャープになる性質を持ちます。

およそ厚みが0.01mmとなったピンホールからのぞく景色はこんな具合。蛍光灯の形がくっきりわかるくらいに。
そのままだと光を反射して撮影に影響を与えるため黒で塗装して、組み込めば完成!

アップデートした2号機で撮影します。使うフィルムは“シノゴ”と呼ばれる4インチ×5インチのフィルム。

そのまま外に出すと感光してしまうので、暗幕の中に入れて、専用のフィルムカセットに装填しておきます。こうして用意したフィルムは8枚。撮影は慎重に行います。

撮影したフィルムを現像し、プリントしたもの。被写体は新選組に扮した自分自身です。これは、右に光が入ってしまいましたが、ピンホールカメラらしい仕上がりに!

こちらはさらに強い光が入り込んでしまいました。45秒間シャッターを開けていたのでブレも強く出ています。

ベストカットはこちら。長いシャッタースピードで動いているほかのお客さんは流れて見えなくなっている中で、肝心な被写体はほとんどブレることなく写っている良い1枚となりました!
失敗に見える写真もありましたが、そもそも自作でレンズを持たないピンホールカメラ。写っているだけでも十分すごいことと、達人は満足していました。
今ではスマートフォンで手軽にきれいな写真を撮ることができますが、極めてアナログな方法で撮るとスマホ撮影では得られない感動を得ることができます。フィルムは今も現存していますが数はかなり減りました。フィルムがなくなる前に既製品のトイカメラなどで、ピンホールカメラの味わい深さを堪能してみてはいかがでしょうか。
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