模型メーカー・ファインモールドが、今年も静岡ホビーショーで注目の新作を発表しました。1/48スケールの零戦五二型甲型をはじめ、F-4E後期型など、新たな戦闘機モデルがラインナップに加わりました。この記事では、最新の金型技術を投入した、各モデルの見どころを詳しく紹介していきます。

零戦の新作

話題を呼んだキャノピー別パーツの1/48キット

2024年に発売された零戦1/48キットバージョンアップモデルとして、帝国海軍 零式艦上戦闘機五二型 甲が登場しました。従来と異なる部分は、オレンジのパーツで色分けされ、主に主翼のパネルが変更点となっています。

ほかにも窓枠とガラス部分を別パーツにしましたが、コスト面の理由から全てのモデルに適用されるわけではありません。ただし、零戦だからこそ挑戦できた製品であり、ファインモールドとしてもチャレンジングなモデルとなっています。

零戦は多くのメーカーが高品質なキットを出している中で、ファインモールドは独自の切り口で差別化を図っています。

中島製と三菱製

今回の新作は「中島製」と「三菱製」の2種類。中島製は、推力式単排気管の排出口付近に当てられた耐熱板の長さが違い、中島製は三菱製より長いのが特徴です。また、プロペラガバナーの変更に伴い、スピナーが大型化されています。

一方で、三菱製の甲型は初モデル化で、当初の五二型と比較すると耐熱版が小型化されたほか、弾倉を納めるための涙滴形のふくらみがベルト給弾式に変更されたため、このふくらみが廃されています。

両機ともマーキングは「航空自衛隊浜松広報館 エアーパーク」に展示してあるモデル。中島製は653空所属機、三菱製は映画「雷撃隊出動」に登場した343空所属機を再現しました。

1/72スケールも登場

また、1/72スケールモデルも新たに登場します。こちらは以前のマガジンキットとは異なる仕様で、五二型の初期型と中期型を初モデル化。初期型の200機は、排気管が零戦の特徴である単排気管ではなく、従来と同じ集合排気管でした。

製品は胴体・翼をグリーン、カウリング・脚部をブラック、エンジン・プロペラ等をグレーなど、ランナーごと別色にて成形してあるので、初心者でも高い再現度を誇るモデルです。

戦闘機のプラモ

F-4E アメリカ空軍

今回の新作戦闘機プラモデルには、零戦のほかにF-4E（Late）後期型戦闘機が登場します。F-4E後期型は機体の安定性や機動性を高めるため、前衛のスラットが追加されているのが特徴です。

このタイプは欧米の空軍各国で採用されており、日本でも同型の機体が存在。細かい部分の違いにもかかわらず、金型は全て作り直しており、わずかな違いでも機体全体を新規に製作しました。

高品質のバリエーション展開は容易ではありませんが、欧米からの要望を受けて実現しました。

F-15 70周年記念の塗装

岐阜基地のF-15戦闘機に施された70周年記念塗装モデル。実機は岐阜や愛知の上空で実際に飛行しており、地元では大きな話題になりました。

このモデルは、記念仕様ならではの特別なカラーリングやマーキングを忠実に再現していて、ファン必見の仕上がりとなっています。地域に根ざした題材ということもあり、コレクションアイテムとしても人気を集めそうです。

ディテールアップセット

他メーカー用の商品

新たに登場するディテールアップセットは、他メーカーの従来のキットに追加することで、よりリアルで精密な仕上がりを実現します。

今回の新作は、映画『雪風 YUKIKAZE』の公開に合わせて企画されたもので、ディテールアップパーツはタミヤ社製1/350スケール 日本海軍 駆逐艦雪風用です。

セット内容は、7mカッターボートや魚雷積み込み用ダビットのほか、90cm信号探照灯など、標準キットでは表現しきれない繊細なディテールです。

1/700 日本海軍 駆逐艦

ディテールアップセットは、ピットロード社製の1/700スケール「日本海軍 駆逐艦雪風（陽炎型）」も用意。標準キットをベースにしつつ、ファインモールドならではの繊細な設計で再構築されており、組み合わせることで全体の完成度を格段に高めることが可能です。

こうしたディテールアップセットは市場での差別化とともに、熱心なファン層の期待に応えるための重要な商品ということもあって、今後も拡充が見込まれています。

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