世界最大級のカスタムカーの祭典「東京オートサロン2025」が2025年1月10日から12日まで、千葉県の幕張メッセで開催された。今回、トヨタ自動車が発表した新たな挑戦は「クルマの楽しさ」だ。さらに若者の“クルマ離れ”が加速するなか、クルマに興味を持ってもらおうと挑戦する学生の姿もあった。
モリゾウさんの“理想のクルマ”を展示
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懐かしの名車が並ぶ
トヨタの展示スペースには懐かしの名車がずらり。“モリゾウ”こと、トヨタ自動車の豊田章男会長が子どもの頃に街中を走っていて「自分のガレージにあったらいいな」と理想のクルマを展示した。
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トヨタ自動車 チーフエンジニア 齋藤尚彦さん
そして「クルマの楽しさ」をテーマに、トヨタが生んだ新たなエンジンの発表もあった。燃費を極限まで抑えるのはもちろんのこと、想定しているのはバイオ燃料や水素など、次世代燃料だ。
トヨタ自動車 チーフエンジニア 齋藤尚彦さん:
「敵は炭素であって、エンジン自体ではない。燃焼機関が磨き上げてきた先には未来があると信じています」
新エンジンを搭載した「GRヤリス」
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GRヤリス Mコンセプト
トヨタは、この新エンジンを搭載したGRヤリスを初公開。エンジンが搭載されているのは、フロントではなく車両の真ん中あたり、いわゆるミッドシップだ。
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フロントにエンジンを搭載すると、遠心力によって曲がりにくくなる
レーシングカーがカーブを走る際、フロントにエンジンがあるとエンジンの重みで遠心力がかかり曲がりにくいとの問題があった。しかしエンジンが真ん中寄り、ミッドシップにあれば遠心力が前後に分散され、問題が解消されるはず。トヨタは2025年、このGRヤリスでスーパー耐久をはじめとするレースに出場予定。さまざまな角度から検証を進めていく方針だ。
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「一緒にモータースポーツ起点のクルマづくりをしていきたい」と語る
トヨタ自動車 齋藤さん:
「モリゾウさんが、2007年のニュルブルクリンク(ドイツのサーキットへの参加)をはじめとして、一生懸命会社を変えようとしてきました。熱いエンジニアたちとクルマをつくることを、いま、再スタートしたところです。
オートサロンは運営の方々や参加企業の皆さんが、長年ずっと続けられてきた大事なイベントです。クルマ好きの皆さんの熱意をいただきながら、一緒にモータースポーツ起点のクルマづくりをしていきたいです」
自動車整備士の専門学校のブースも
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改造後の車両
トヨタが見せる新たなチャレンジ以外にも、目が離せないクルマがあった。自動車整備士の専門学校の学生が手がけた改造車だ。群馬自動車大学校では、オートサロンに出展するため、往年の名車「シボレーインパラ」を意識した車両を1年かけてつくり上げたという。
群馬自動車大学校 田端彩夏さん:
「現代にインパラがあったらこんな感じかな、みたいなのを私たちなりに解釈して作りました」
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改造前のジャガー
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制作風景
今回はイギリス車のジャガーをベースに制作。6人の学生たちが車体に樹脂を貼り付けて成形した。外装もさることながら、内装にもこだわりが光る。
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カーボンの繊維を1枚ずつ貼ってつくった
群馬自動車大学校 田端さん:
「小さなカーボンの繊維を1枚ずつ貼ってつくりました。4~5カ月はかかりました」
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群馬自動車大学校 田端彩夏さん
若者のクルマ離れを問題視したと話す田端さん。「(私も)“若者”として、クルマ好きの若者が増えてほしい。もっと興味を持ってもらえるように頑張ります」と力を込めた。
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