ホンダのEVにヒョンデのFCEV、水素カートリッジの展示も!「モビショー」で実感した、脱炭素社会実現のミライ

クルマとミライ

  • ホンダのEV

    「ジャパンモビリティショー」に展示されたホンダ0シリーズの新たなSUV

自動車のミライを彩る洗練されたモビリティや、100年の歴史を支えてきた往年の名車が多数展示された「ジャパンモビリティショー」(以下、モビショー)。注目したのは、カーボンニュートラルを起点にしたモビリティの数々です。大手自動車メーカーでは、EVだけではない“マルチパスウェイ”の考え方が取り入れられていたほか、持ち運べる水素燃料やバイオ燃料についても紹介されていました。

目次

ホンダ0シリーズの新たなSUV「ホンダ0α プロトタイプ」

  • ホンダ0α プロトタイプ

    「ホンダ0α プロトタイプ」

世界初公開となったホンダ0シリーズの新たなSUV「ホンダ0α プロトタイプ」。ホンダのEV0シリーズでは、「ホンダ0 SALOON」「ホンダ0 SUV」に続く3車種目で、日本の道路事情に合わせたコンパクトサイズが特徴です。2027年には日本やインドを中心に発売予定。

ホンダ 三部敏宏社長:
「2050年のカーボンニュートラル実現を目指して、EVやハイブリッドなど、電動化技術の開発に取り組んでいます」

  • マツダVISION X-COUPE

    「マツダVISION X-COUPE」

「私たちが目指すのは、走るほどにCO2を減らす未来です」。こう話すのは、マツダの毛籠勝弘社長兼CEOです。マツダが世界初公開したのは、ロータリーエンジンと電動モーターを組み合わせたプラグインハイブリッドのコンセプトモデルです。

  • 独自のCO2回収装置を搭載

    独自のCO2回収装置を搭載

独自のCO2の回収装置を搭載するほか、CO2を吸って育った藻類由来のバイオ燃料を使用。走るほどに大気中のCO2を削減できるように取り組んでいます。

マツダ 毛籠勝弘社長兼CEO:
「皆さんの『クルマが好き』『いつまでも運転していたい』そんな思いをかなえ続けます」

メルセデスベンツはEVの試作車を公開

  • メルセデスベンツのEVの試作車

    メルセデスベンツのEVの試作車「メルセデスAMG CONCEPT AMG GT XX」

ドイツのメルセデスベンツは、高性能スポーツ車ブランド「AMG」で初のEVの試作車を公開。プラットフォームを新たに開発し、小型で軽量かつ強力なモーターと高性能なバッテリーを搭載しています。メルセデスAMG ミヒャエル・シーベCEOは「メルセデスAMGは、かつてないほどの新モデルを投入していく」と話します。

  • 「ヒョンデFCEV 新型NEXO」

    日本初公開の水素燃料電池車「ヒョンデFCEV 新型NEXO」

一方、韓国のヒョンデが日本初公開したのは、FCEV(水素燃料電池車)の「NEXO(ネッソ)」の新型です。「水素は拡張性が高く、効率的で環境にやさしいエネルギー」と伝えたヒョウデモーターカンパニーのジョン・ユソク副社長。2026年上半期に日本市場で販売開始予定です。

  • カワサキのブースで展示されていた「水素エンジンモーターサイクル」

    カワサキのブースで展示されていた「水素エンジンモーターサイクル」

そして、会場で特に近未来的なビジュアルが目を引いたのが、カワサキの「水素エンジンモーターサイクル」。水素を燃焼させて走るカーボンニュートラルなバイクで、バイクの後方には水素タンクが設置されています。

展示されている「水素エンジンモーターサイクル」は実物台の模型ですが、2024年7月には三重県の鈴鹿サーキットでテスト用の車両が実際に走行しました。実用化に向けた続報が期待されます。

世界中が「マルチパスウェイ」にシフトしつつある

ジャパンモビリティショーを通して触れた大手自動車メーカーの現状に、モータージャーナリストの岡崎五朗さんは、「EVだけでカーボンニュートラルを実現しようと考えるのではなく、CO2が出ない燃料のアイデアが生まれてきた」と見解を示します。

  • ※画像はイメージです

    ※画像はイメージです

モータージャーナリスト 岡崎五朗さん:
「少し前まではEVだけでカーボンニュートラルをやろうとしていましたが、実際は無理だと分かってしまったんです。水素やカーボンニュートラル燃料など、CO2が出ない燃料でエンジンを回すようなアイデアが出てきて、どうやらそれらを組み合わせていくのが良さそうだ、というのがここ最近の流れです」

また、自動車経済評論家の池田直渡さんは「世界中のメーカーがマルチパスウェイにシフトしています。ヨーロッパもようやく、『内燃機関禁止』を相次いで取り下げました」と加えます。

  • マルチパスウェイをイメージした画像

    「マルチパスウェイ」を推進することで、多様な選択肢から選び取ることができる

マルチパスウェイはバッテリーEV一択ではなく、燃料電池車やエンジン車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッドなど、さまざまな選択肢の中から、1人ひとりに見合った1台を選び、CO2排出を減らしていく考え方です。

モータージャーナリスト 岡崎五朗さん:
「クルマは10人お客さんがいたら、10通りの使い方があります。10人いたら10 人の方法で最適値を求めて、メーカーが答えていく。これしかないですよね」

水素を持ち運べる「ポータブル水素カートリッジ」の展示も

  • ポータブル水素カートリッジ

    ポータブル水素カートリッジ

水素燃料電池車のみならず、トヨタと豊田合成が開発したポータブル水素カートリッジの展示もありました。全長50センチほどで、重さは8.5キロです。この水素カートリッジは、私たちの暮らしをより豊かにする可能性を秘めています。

  • ポータブル水素カートリッジを小型のスクーターに付け替えられる

    ポータブル水素カートリッジを小型のスクーターに付け替えられる

モビリティの燃料として使われることはもちろん、クルマに積んだ水素カートリッジを持ち運ぶことが可能に! 小型のスクーターなら車内に積み込み、出先でカートリッジを取り付ければ運転できるんです。燃料を付け替えて運転することもできます。

モータージャーナリスト 岡崎さん:
「水素自体を燃やして火力にもできるし、燃料電池というシステムをつくると水素を原料にして発電もできる。その2つが使えるのは良い点ですよね。これから利用を進めようと、さまざまな企業が懸命に取り組んでいます」

1軒建てるのに約4億円!水素ステーションのミライ

  • 水素ステーション

    水素ステーション

水素を“動かす”未来が近づいている反面、水素を充填する場所についての課題も浮き彫りになっています。

自動車経済評論家 池田さん:
「水素ステーションって、1軒つくるのに約4億円かかるんです。さまざまな基準を緩和して、ドイツや韓国はそれよりも安い価格になっています。そのルールをどう変えていくと、現実に実用化されていくのかも日本の課題ですよね」

  • バイオエタノールのイメージ画像

「カーボンニュートラル燃料」もマルチパスウェイの選択肢の1つ。合成燃料やバイオ燃料などがこのカーボンニュートラル燃料といわれていて、中でもCO2を吸収して成長した植物を原料とするバイオ燃料は「実現性が高い」と池田さんは話します。

  • クルマにガソリンを給油するイメージ画像

    ※画像はイメージです

自動車経済評論家 池田さん:
「実現性が高いのがバイオ燃料。カーボンニュートラル燃料を10%、ガソリンに混ぜるという計画が進行中です。ガソリンに10%混ぜれば、CO2の排出を10%削減できる。10台に1台EVが普及することと同じ効果が得られます。20%にすれば、10台に2台と同じです。それを組み合わせて進めていくべきですよね」

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