物価上昇に歯止めがかからない中、各飲食店などでは日々、少しでも安く仕入れようと努力しています。そんな中、地元のスタートアップが規格外フルーツに着目した独自のシステムをつくり、急成長を遂げています。
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フルーツを使用したケーキ
高級ミカンの小原紅早生(おばらべにわせ)や国産キウイのさぬきゴールドなど、高付加価値フルーツの生産が盛んな、香川県。宇多津町にある洋菓子店「お菓子の工房 リンドン」では、フルーツをふんだんに使ったケーキが人気です。
規格外のイチゴを仕入れ、3割ほど安く
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材料に規格外のイチゴを使うことで、コストを抑えられる
この店は物価上昇の中、イチゴの仕入れ価格が3年前に比べて3割ほど安くなったといいます。理由は、形や色などの理由から「規格外」とされる果物を使っているから。味に遜色はないため、材料として十分使えます。
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イチゴのショートケーキ
仕入れ先は、宮城から熊本まで11県。収穫時期が異なるため、1年を通して調達できます。そもそも規格外品は、通常の流通には乗らないため、以前はこうした個人店が仕入れるのは困難でした。
その仕組みをつくりあげたのが、香川県坂出市にあるスタートアップ「Japan Fruits」です。
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Japan Fruits 高尾明香里社長
創業者の高尾明香里さんは学生時代の2015年に、香川県のフルーツ大使に就任しました。大使として農園を訪ねる中、「小さな農園」の厳しい現状を知ったといいます。
Japan Fruits 高尾明香里社長:
「日本の農業の約98%が小規模な農園で、(規格外品を)卸し続けるとなると、1つの農園ではまかないきれません。“チーム”になることによって、まるで大きな農園に見せるのがいいのではないか、と」
近隣の小規模農園がチームに!
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徳田農園 徳田成秀さん
この日、高尾社長が訪ねたのはJapan Fruits契約農家の徳田成秀さん。農園のチームのリーダーです。4棟のハウスで、イチゴを年間約2.2トン生産し、農園としては小規模とされます。
そこへ、近隣の小規模農園10軒がチームのメンバーとなり、規格外のイチゴを持ち寄ります。
徳田農園 徳田成秀さん:
「今までは捨てていたものが規格外として出荷できるので、捨てずにお金にできるというのが一番ありがたいところです」
チームのメンバー:
「まとまってやらないと、相手にされないことはあるので。大口のところと契約ができますよね」
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独自のAIシステムが規格外品を求める店とマッチング
リーダーがチームで出荷できる量を入力すると、独自のAIシステムが規格外品を求める店とマッチング。すばやく受注が成立し、最短で翌日には店へ届けることができます。一般的にイチゴ農園では平均で全体の3割、多いときは9割近くが規格外になるともいわれています。
売り上げは平均20%アップ!
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「高い質を保ちながら、ぶらさずにやっていく」と話す高尾社長
契約農園は捨てていた規格外品を、正規品の半値ほどで販売できるようになったため、売り上げは平均20%アップしました。
Japan Fruits 高尾社長:
「質は少しずつ上げていて、割と高い基準で維持しているので、そこをぶらさずにやっていきたいです」
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自ら全国の農園を回り、作業を手伝った高尾社長だからこそ展開できるサービス
日本経済新聞社 岩田優羽記者:
「高尾社長がこれだけの仕組みを構築できた背景には、自ら全国の農園を回り、作業を手伝うことで、農園のニーズを熟知できたことがあります。今後はそうした知見を生かし、人材紹介や経理講座など、農園経営の助けになるサービスも展開していく考えです」
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