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前方後円墳と気球
飛行機やヘリコプターではない新たな「空の観光」が大阪府堺市からスタートしました。これまでの観光地を「アップデートする」乗り物の正体とは?
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気球からみた大山古墳
大阪・堺市にある「大仙公園」。空を見上げる人々の先には、最大30人が乗れる大きな気球が浮かんでいます。ゆっくりと浮上し、地上100メートルの高さに到達すると、日本最大の前方後円墳「大山古墳(仁徳天皇陵)」がくっきりと姿を現します。
エジプトのピラミッドなどと並ぶ世界三大墳墓の一つとされ、2019年に世界文化遺産に登録された大山古墳ですが、地上から見るとただの森にしか見えず、観光資源として生かしきれていないという課題がありました。
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堺市 観光推進課 木下智尋課長
堺市 観光推進課 木下智尋課長:
「前方後円墳という鍵穴のような形を伝えようと思った時には、やはり上空から立体的に見ていただくのが一番素晴らしいことだなと」
そこで、2025年10月に開業したのが「おおさか堺バルーン」です。10分ほどのフライトで料金は4200円。利用客からは「上からは自分では見られないから、見る価値がある」と好評を得ています。利用者は年間目標の6万人を上回る勢いで推移し、すでに黒字化を実現。人や建物が密集した日本の大都市圏において、年間を通じた観光気球の運営はこれが初めてとなります。
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ガス気球
この事業を実現させたのは、全国でスキー場やキャンプ場を運営する企業「アドバンス」です。雪のない時期に気球イベントを実施して経験を積んできた同社が今回選んだのは、一般的な「熱気球」ではなく「ガス気球」でした。
アドバンス 樋口正輝さん:
「気球は気球でも熱気球ではなくて、ガス気球になります。通常の熱気球にあるバーナーがありません」
世界的な観光地で見られる熱気球は、暖めた空気で浮き、移動しながら景色を楽しめる反面、着陸場所を限定できないため大都市には不向きです。一方、堺で導入されたガス気球は、空気より軽いヘリウムガスを使い、地上からロープで留めているため上下にのみ移動します。着陸場所の心配がない上、熱気球より数倍強い浮力があるため、上空でもロープがピンと張られて安定します。これにより天候による運航中止を2~3割に抑えることができ、収益の安定化につながっているといいます。
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視察の様子
また、この気球サービスの運用には、スキー場の「リフト」運行ノウハウが生かされている側面もあります。
アドバンス 樋口正輝さん:
「ワイヤーの維持管理であるとか、天気を見て運行の判断をするというところも共通している部分です」
開業後、多くの自治体から視察や問い合わせが相次いでおり、アドバンスは今後、各地に眠る観光資源にスポットを当て、気球を普及させていく考えです。
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日本経済新聞社 堺支局 高橋圭介支局長
日本経済新聞社 堺支局 高橋圭介支局長:
「気球は、地域の歴史遺産や観光スポットに新たな付加価値をつけることができます。例えば、広島では『平和記念公園』や資料館を見るのが通例ですが、もしそこに気球があれば、たった一発の爆弾がどこまで広範囲に被害を与えたのかが実感できると思うのです。課題は周辺住民の理解を得ることです。自治体は『気球から家を覗かれるのでは』といった不安や、『地域の景観が壊れるのでは』といった不安を取り除いていく必要があります」
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日本経済新聞社とTXN系列テレビ5局が共同で企画・取材する動画コンテンツ。躍動する地域経済と企業の取れたてニュースやトレンドを各地のリレー方式で全国に向けて発信しています。テレビ愛知では中部圏の企業のユニークな取り組みを取材し、日経名古屋支社記者のコメントを交えて紹介します。
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平日17:00~報道番組「5時スタ」内コーナー
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