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福岡ソノリク
佐賀県にある野菜専門の物流会社が、独自の特許技術を使ってビジネスを拡大し続けています。市場価格の乱高下に振り回されず、農家とともに価格の安定を目指す戦略に迫ります。
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業界トップクラスの性能を持つ倉庫
九州の高速道路が交差する佐賀県鳥栖市。物流会社の大型倉庫立ち並ぶ一角に、運送会社「福岡ソノリク」があります。
福岡ソノリクが構える巨大な冷蔵庫には、九州から集まった野菜が保存されています。これは福岡ソノリク・園田寿俊社長が自ら開発したもので、業界トップクラスの性能を誇ります。
園田社長:
「キャベツで大体40~50日、カラーピーマンなら2か月くらいは持つんじゃないですか」
この倉庫を使うとマスカットは4か月、採れたてと変わらない状態を保つといいます。
その鍵を握るのが、野菜や果物を劣化させる「エチレンガス」の除去技術です。空気より軽いエチレンガスは倉庫の上の方にたまる性質があります。福岡ソノリクの倉庫では、上部に設置されたセンサーとファンがエチレンガスを排出します。
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農家の収益を最大化
園田社長はこの倉庫を使い、農業の課題である「豊作貧乏」を解決したいと考えています。豊作貧乏とは、野菜の供給が需要を大きく上回り、農作物の価格が下落し、せっかく育てた農作物を廃棄せざるを得なくなる事態のこと。
福岡ソノリクでは、野菜の価格が暴落している間は倉庫で保存。価格の回復を待って出荷することで、農家の収入を安定させます。
倉庫から10キロほどの農業地域でサニーレタスを30年以上生産している平塚さんは、福岡ソノリクに野菜の販売を委託するようになってから収入が1割程度増えたといいます。
平塚さん:
「福岡ソノリクがなかったらどこに出していいかわからないような状況だった。とても助かっている」
福岡ソノリクが卸売市場の価格を見ながらタイミングを調整することで、レタス販売の収益最大化を図っているのです。
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農作物の安定供給で流通大手との取引も可能に
長期保存技術によるビジネスチャンスは他にもあります。福岡ソノリクは年間を通して大量に安定供給できる強みを生かし、流通大手と大口・定額の取引が可能になり、農家の収益も安定することになりました。
同社は今、物流会社として物を運ぶだけでなく、付加価値を生み出す「商社」、そして必要な時に必要な農作物だけを供給する「サプライヤー」としての役割を拡大させています。
園田社長:
「九州管内の各産地のイチゴは、売れる時期と売れない時期が極端です。長期保管することで、農家が安定して収益を得る仕組みづくりをしたい」
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福岡ソノリク 園田社長
福岡ソノリクの売上高(グループ全体)は約130億円。この8年間で2.5倍に成長しました。2024年には北海道の運送業者を子会社化、福島県での物流倉庫の建設を進めるなど、培ったビジネスモデルとM&Aで数年以内に売上高500億円を目指すといいます。
園田社長:
「国内野菜の物流なら福岡ソノリクに任せたら保管でも物流でもすべてできますよ、という第一次産業を維持できるような物流会社でこれからもあり続けたい」
日本経済新聞社 福岡支社 内藤怜央記者:
「福岡ソノリクは『農作物のアマゾン』を目指すとしています。農作物の価値を引き上げ農家を束ねると同時に、物流でのM&Aを進め、全国を視野に入れた戦略的な大規模農業の形をつくっていきそうです」
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