まるで "暗号文"!?ラリーのペースノートを深掘りしちゃいます!!【梅本まどかのラリー日和 Vol.3】

梅本まどかのラリー日和

こんにちは!ラリー日和も第3回を迎えました。
本題に入る前にまず私からご報告です。このたび、私梅本まどかはレーシングライダーの渡辺一樹さんと結婚いたしました。

これからも皆様への感謝の気持ちを忘れずに、より一層精進して参りますので、よろしくお願いいたします。そしてこの「梅本まどかのラリー日和」の連載も続けていきますのでお楽しみに!

前回、ペースノートの重要性をお伝えしたので今回はもう少しだけ深掘りしていきたいと思います。

ちなみに「ペースノートって見たことないけどどこで買うの?」と、思う方もいると思いますが、ラリー用品を売っているネットや、テレビ愛知の「激走!ラリーTV2025」にも出演されていた勝田範彦選手のお店、愛知県長久手市にあるLUCKでもGETできちゃいます!

  • (左から)ロードブック、梅本さん自筆のペースノート

    愛知県長久手市にある勝田範彦選手のお店「LUCK」

ドライバー間での言語

少し話はそれましたが、ペースノートの中身は前回もお話しした通り(vol.2参照)、人によって違います。

WRCなどの世界ラリーではドライバーとコ・ドライバーが同じ国籍のことが多く、その場合は話すのも書くのも母国語を使うことが多いです。ただ、全部その国の言葉というより、ラリーで先輩が使っていたから分かりやすい言葉を取り入れた!とか、フィンランドではラリーが盛んなのでそういった用語が多く、そこから学んで取り入れるという方もいるそうです。

絶対に英語がいい!日本語がいい!ということはなく、ドライバーがコ・ドライバーの読み上げる言葉を聞き取りやすく、分かりやすいことが大前提です。そんなことを言っていたら深掘りにはならないので、よく使われている言葉や表現をご紹介したいと思います。

コーナーの長さや直線の距離を記載

  • ペースノートの記入例①

上の写真(ペースノートの記入例①)はペースノートの例です。

上段の読み方としては「ショート・スリー・ライト・イントゥー・スリー・レフトプラス・トゥウェンティー」です。意味は短い右コーナーで3のきつさ、すぐに左のコーナーで3+のきつさ。そのあと20mの直線があるという意味になります。

このコーナーのきつさの数字は10段階や6段階になったり、プラス・マイナスがあるかないかも人によって違うのであくまで参考です。数字は大きい方が緩いと表現する方が多いです。

  • 勝田範彦選手が持っているのは数字が書かれたラリー専用ハンドル

ラリーを知っている人は見たことがあるかもしれませんが、レッキ(下見走行)の時だけハンドルに数字を書いて一定速度で走ります。コーナーを曲がった時にこの数字のどこがセンターにきているのかを頼りにきつさを言う人もいます。ちなみにラックには元々数字が書かれたラリー専用ハンドルも販売されています。

本番で数字が書いてあるハンドルを使用していても問題はないですが、本番中に使っている人はあまりいません。数字が書かれていると数字に意識がいきやすいからだと聞いたことがあります。

ノートはその数字で曲がれという意味ではなく、一定スピードで走ることでコーナーの深さの正確性をみているだけなので、「3」と言われたらだいたい90度くらいで、そのためのスピード調整を行い、コーナーに入っていくという感覚です。ラリーでは数字を「ベンド」と言いますが、ベンドが違うとオーバースピードで曲がりきれなかったり、もっと緩いコーナーでスピードが出せたのに抑えすぎたりしてしまうので、非常に大切です。これを正確に見て理解するにはトレーニングがかなり必要です。

  • ペースノートの記入例②

また、日本語のノートだと右左が先で、コーナーのきつさが後に書かれることもあります。

上の写真(ペースノートの記入例②)だと「ジャンクション・さんじゅう・左8きつい・右8・から・右7ロング・コーション・泥すべる・右6・左4」。
ジャンクションは分かれ道でラリーでは林道などを走るのでよく出てきます。30m直線があり、左に8の緩いコーナーがあるけど思っているよりもきつい。
右8を曲がって1拍くらい距離があり、右7の長いコーナー。このあとの!は"危ない"みたいな意味。泥で滑るから気をつけて、右6・左4のコーナーを進んでね。という意味です。

コ・ドライバーによって書き方も違いますが、危ない場所をマーキングして読みやすくしたり、色をつけたりする人もいます。

こんな感じでタイムアタックをする全ての道をノートに記し、次の道に行く前にコ・ドライバーがペースノートを読み上げるのでそれに合わせて、車速、車の荷重、向きを考えてドライバーは運転しているのです。

レッキは法定速度を守って行っているので気になった方は是非、運転をしている時にこの道はラリードライバーだったら「100   R6だなぁ」などとペースノートを作ってみてください。私も楽しくてよくバイクや車で走りながら脳内でペースノート作りをしています。

月1回連載「梅本まどかのラリー日和」

  • 「梅本まどかのラリー日和 」メインビジュアル

「梅本まどかのラリー日和」は、元SKE48のメンバー・梅本まどかさんが、ラリーの魅力や大会での経験などを綴る連載企画です。2018年に開催された「TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ」にクスコジュニアラリーチームからコ・ドライバーとしてラリーデビューした梅本さん。ラリーの奥深い魅力や、「コ・ドライバー」として戦う楽しさ、厳しさ、そして尽きることのないモータースポーツへの想いを、等身大の言葉で発信していきます。

●梅本まどか プロフィール
1992年7月17日生まれ。愛知県名古屋市出身。2010年SKE48第4期生オーディションに合格。同年12月に研究生からチームE初期メンバーに選抜され、チームEのリーダーに就任した。
2016年2月にSKE48を卒業し、12月に大型二輪免許を取得。2018年には「TOYOTA GAZOO Racing ラリーチャレンジ」にクスコジュニアラリーチームからコ・ドライバーとしてラリーデビュー。8戦中6勝で年間チャンピオンに。WRCラリージャパンでは2022年〜2024年まで3年連続表彰台(2022年RC4クラス3位/2023年JR Car1クラス2位/2024年JR1クラス2位)に登り、XCRスプリントカップ2025ではチャンピオンを獲得した。現在はマルチタレントとして活躍しながら、WRC日本開催のPRも行う。

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