1964年に発表され、昔からのホンダファンなら誰もが知る憧れの自動車が「S600」です。創始者である本田宗一郎氏の想いが詰まったモデルということもあって、デザインやエンジンなど今でも高い人気を誇っています。
この記事では、ホンダF1の原点ともいえるS600をレストアした個体の特徴と魅力を解説していきます。
目次
ホンダS600とは?
ホンダS600は、バイクメーカーのホンダが自動車メーカーとして本格進出したときのモデルで「エスロク」の愛称で知られています。
S600は、ホンダの創始者である本田宗一郎氏の強い想いもあって、レースでも活躍できるよう2シーターのオープンスポーツとして登場。バイクのレース分野で活躍していた技術をフィードバックしたこともあって、S600は高回転の伸びが他のメーカーの車を圧倒し、4輪界でも大旋風を起こします。
初めての赤色の一般車
今でこそ、赤いスポーツカーは日常的に目にしますが、当時の赤い自動車は消防車などの緊急車両のみ許されるボディカラーでした。
しかし、本田宗一郎氏の強いこだわりもあって、運輸局に何回も交渉した結果、国産車初になる赤色の乗用車の誕生となります。
S600の内装や収納
今回の取材車両にはボディカラーと同色のトノカバーが装着されていました。トノカバーは状況に応じて雨や風、日光から車内を守ってくれる便利な装備となっています。
トノカバーを開けると、シルバーのメーターパネルにブラックレザーのステアリングとシート、随所に配置されたトグルスイッチなど、その気にさせる演出が盛りだくさんです。
ほかにも取材車両のトランクには、提供元である新和自動車さんオリジナルのトランクキャリアが備え付けられ、見た目の良さだけでなく、トランクルームと合わせるとかなりの荷物が積載できます。
そして、S600の最大の魅力は、やはりエンジンです。水冷4気筒DOHC606ccのエンジンからは、最高出力は57㎰、最高速度に至っては約145km/hを達成します。
この数値は現在の自然吸気の軽自動車よりも高いスペックを誇るほどで、ホンダの4輪業界に参入する本気度がうかがえるエンジンといえるでしょう。また、S600のエンジンは高回転に行けば行くほど鋭い吹きあがりをみせ、レッドゾーンは9500rpmと自動車の域を超えるポテンシャルです。
なお今回の個体は、1965年式のフルレストア済みで車両本体価格495万円(税込み)にて取り扱っています。
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