「ゴム動力飛行機」知ってますか? たった20グラムの機体に想いを込める愛好家に密着しました

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  • ゴム動力飛行機

    ゴム動力飛行機

竹ひごやバルサ材で作られた模型飛行機をゴムの動力で飛ばす「ゴム動力飛行機」は、今でも関連製品が展開されており、世界中に愛好家も存在します。

今回は「ピーナッツスケール」と呼ばれる規格で作られた、実機のようなリアルさと躍動感が楽しめるゴム動力飛行機の世界を紹介しましょう。

目次

●リアルテイストのピーナッツスケール機

  • バルサ材で骨組みと枠組みを作る

    バルサ材で骨組みと枠組みを作る

ピーナッツスケールとは、両翼33センチのサイズに統一した規格で、実機にような姿形に仕上げるのが基本。模型としての完成度とフライングモデルとしての性能を追求するおもしろさがあります。

バルサ材で骨組みと枠組みを作り、被覆に和紙を使って形を整えます。通常は10〜20グラム、10グラム以下で製作できると飛行能力が高まりやすいです。

ゴムの巻数、幅で飛行時間や飛び方が変わる

  • 模型愛好家の竹内史郎さん

    模型愛好家の竹内史郎さん

愛好家の竹内史郎さんはエンジン部分をはじめ、細部にこだわるため、機体は重めに製作。ゴムをあわせて20グラムほどになっています。

  • 実際に飛ばすと機体の重さなのかあっという間に地面へ

    実際に飛ばすと機体の重さなのかあっという間に地面へ

  • 少し幅の広いゴムに変更。ゴムの幅が広いとトルクが増し、機体を少し持ち上げてくれる

    少し幅の広いゴムに変更

  • 専用の道具でゴムを巻く

    専用の道具でゴムを巻く

ゴムや巻き数を調整して再挑戦! 少し幅の広いゴムに変更し、ゴムの幅が広いとトルクが増し、機体を少し持ち上げてくれます。

その後、専用の道具でゴムを巻き、カウンターが付いていてどれぐらい巻いたかを判断。多く巻くとそれだけ飛行時間が長くなるのです。

  • うまく機体が持ち上がるように変化!

    うまく機体が持ち上がった!

低空飛行ながらうまく機体を持ち上げ、長く飛行するようになりました!

●N-62 イーグレットを実機に近い姿に作り直す

  • 20年前に竹内さんが作ったゴム動力飛行機

    20年前に竹内さんが作ったゴム動力飛行機

竹内さんが20年前に一度作ったイーグレット。もっと実機に近い雰囲気にするため、もう一度作り直すことに。

N-62 イーグレットとは?

  • N-62 イーグレット

    かかみがはら航空宇宙科学博物館に現存するN-62 イーグレット

戦後、日本大学工学部と伊藤忠によって共同開発された、国産の軽飛行機。かかみがはら航空宇宙科学博物館に一機のみ現存。一度飛行可能な状態に修復され、1998年には岐阜基地上空を実際に飛行しました。

実機を見ると窓やドアに緩やかな湾曲がみえたので、これを再現することとなりました。

  • ドアの膨らみを再現

    ドアの膨らみを再現

ドアの湾曲にはバルサの切れ端を用意。このアール部分を利用して膨らみをもたせます。

  • コンロで塩ビ板に熱を加える

    コンロで塩ビ板に熱を加える

窓の湾曲は塩ビ板によるヒートプレスで再現します。まずはコンロで塩ビ板に熱を加えます。

  • どんぶりに塩ビ板を押し付ける

    どんぶりに塩ビ板を押し付ける

柔らかくなったらすかさずどんぶりに塩ビ板を押し付けて跡を付けます。

  • アールの部分以外を切り出す

    アールの部分以外を切り出す

曲面ができたら、そこから好きなアールの部分をチョイスして切り出せば完了です。

  • (左から)実機のドア、竹内さん手製のドア

実機に近い膨らみを再現できているのが見て取れます。

完成!

  • タイヤの部分もリアルな形状へ変更

    タイヤの部分もリアルな形状へ変更

側面の膨らみだけでなく、角張った形状に丸みが付いたり、タイヤの部分もリアルな形状へと変更したり、全体的にクオリティがアップしました。

●新作のN-62 イーグレットをテスト飛行

  • テスト飛行の様子

    ついにテスト飛行!

さっそくテスト飛行。今回は屋外でのフライトですが風の強さが気になるところです。テストのため200回巻き程度に留めます。

  • 大空を舞うN-62 イーグレット

    大空を舞うN-62 イーグレット

上空を高く飛び、風に乗って優雅に舞うN-62 イーグレット。製作は大成功でした!

●まとめ

最高のフライトに喜びを爆発させる竹内さん。飛行能力には不必要な細部のディテールにこだわったピーナッツスケールの機体が飛ぶことは、きっと開発者が実機の初フライトを見守り、成功することの追体験に近い感動があるのかもしれません。

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