鉄道模型は、今ある車両もしくはかつてあった車両をモチーフに、その見た目だけでなく実際に走らせることもできるため、よりリアルさを追求したくなるジャンルでもあります。
今回は、HOゲージと呼ばれる少し大きめな鉄道模型を使って、リアルさにとことんこだわる方法をピックアップしていきましょう。
目次
Nゲージ、HOゲージとは?
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「HOゲージ」は車両のリアルさを追求する人におすすめ!
鉄道模型といえば「Nゲージ」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。Nゲージは、1/148〜1/160スケールでレール幅が9ミリという規格。Nゲージの「N」は9の「nine」からきています。
規格が小さく、小規模で本格的な鉄道レイアウトが楽しめるため、日本で一番普及していますが、海外ではレール幅16.5ミリの「HOゲージ」(Oスケール=7ミリスケールの半分である3.5ミリスケール)が主流。車両サイズはおおよそ1/87スケールでNゲージよりも大きいため、車両のリアルさを追求する人に支持されています。
C59形からC60形へ。歴史的エピソードも楽しもう
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C59形とC60形
手がけるのは、1970年まで活躍した蒸気機関車C60形。C59形からの改造という登場背景も制作内容に盛り込み、HOゲージのC59形からC60形を制作します。
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C59形に比べてC60形のほうが若干幅が小さい
一番の違いは運転室。C59形に比べてC60形のほうが若干幅が小さく、縮小サイズで1ミリ分狭くしないといけません。
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幅を詰めるために、一旦運転室をバラす。真ちゅうでできているため、金鋸などで切断可能
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それぞれパーツごとに切り分け、ボディは半分に
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0.5ミリずつ削る
ボディの切断面と、屋根の切断面で、0.5ミリずつ削って1ミリの幅詰めを行います。
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はんだで仮止めして仕上がりの幅を確認。もう一度はんだに熱を加えれば外すことができるので、その繰り返しでクリアランスを詰めていきます。
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金属切削用の金属ヤスリを使えば、真ちゅうも充分削ることができます。左右バランスを見ながら削りすぎないように慎重に行います。
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約3日をかけて帳尻を合わせた幅詰め
幅詰めの帳尻を合わせて仕上げるのにおよそ3日。幅を増すより詰めるほうがクリアランス調整がシビアで時間がかかってしまいます。
鉄道模型のレール幅を実車基準に変えてしまう
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海外と日本、蒸気機関車のレール幅の違い
HOゲージの基準で日本の蒸気機関車もレール幅を16.5ミリにしているのですが、実は約1/87スケールにおける日本の蒸気機関車のレール幅は13ミリと狭いです。これは、共通規格のレールに走らせるための致し方ないスケールエフェクトではあるのですが、ここにもこだわって実車準拠の規格に変えることで、走らせたときの臨場感が変わってきます。
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レール幅を狭くしたということは、当然レール自体も作り直さなければいけません。
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実際の線路と同じように、およそ同スケールの枕木を作ります。
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枕木を等間隔に並べたら、その上にレールを敷いていきます。
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ただレールを敷いて固定するのではなく、犬釘もあしらいます。
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枕木とレールを固定
昔の線路のように枕木とレールと地面をミニチュアの犬釘で固定すると、実写さながらの雰囲気に。
佇まいはもちろん、走る風景も実車そのもの
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HOゲージの車両
HOゲージの車両自体、スケールは大きめで、素材に真ちゅうを使うなどつくりも豪華なので、そのままでもかなり満足度は高いです。だからこそ、実車にまつわるこだわりを盛り込むことで、より洗練されたものとなります。
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実車準拠のレール幅に変更した完成形
今回紹介した実車準拠のレール幅への変更は、正面からの雰囲気に大きく影響するので、変えられるにこしたことはありません。ただ、突き詰めすぎると製作の手も止まりやすいので、自分のスキルと相談しながら挑戦してみましょう!
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