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ミニチュアフード
本物そっくりに作られた“ミニチュアフード”たち。製作者は、主婦歴40年の女性の方。本物の料理を作るのも好きで、その際の考え方や観点は、ミニチュア製作に大きく影響しているそうです。
今回は、そんなミニチュアフードの世界を紹介します。どのようにして本物そっくりに仕立てられているのかを解説していきましょう。
目次
●ミニチュアフードを作るための素材・道具とは
1.樹脂粘土
ホビーショップや100円ショップでも購入可能な樹脂粘土が主な素材。これをこねて薄く伸ばしたり細かく切ったりして、好きな形をつくっていきます。
2.水彩絵の具
樹脂粘土に色を付けるために使う水彩絵の具。樹脂粘土に練り込んで均等に色を付けたり、後で筆塗りをするときにも使用します。
3.ニス
料理につやを出し、シズル感を与えるのに重要なマテリアル。
4.カッター、爪楊枝、ハサミ
粘土をカットしたり細かい形状を整えるに使用していますが、ほとんど指先だけで作ってしまう。
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樹脂粘土と指先で製作した
このエビも、本体だけでなくヒゲや足も樹脂粘土と指先で製作しています。
●精肉をミニチュアの作り方
まずはベースとなる色を樹脂粘土に練り込んでいきます。
できたのは、白と色合いの異なる2色の赤。乾燥したときに色味が変わるので、それも見越して調色しておきます。
この3色の粘土を混ぜるのですが、混ぜ合わさって一色にならないように引っ張って切り重ねていき、1つの塊にします。
形を整えて脂身の部分をつければ大まかな形は完成。
この塊をカッターで切り、ニスなどで表面の質感を整えたら、キレイなサシの入ったステーキ肉の完成!
●料理のミニチュアは実際の手順に沿った作り方でリアルに
次に作るのは、ほうれん草のおひたし。まずはほうれん草に合わせて樹脂粘土にグリーンの絵の具を添加して色を付けていきます。
そのままおひたしを作るのではなく、その食材であるほうれん草を作り、本当の料理を作る状況を整えてから、おひたしにします。
できたほうれん草。葉と茎の色分け、茎の根元にうっすら赤を入れるなど、特徴を捉えた仕上がりに。おひたしは葉と茎の部分が混在するので、それを追求するとほうれん草から作る必要があります。
本当の料理のように粘土のほうれん草をカッターで刻みます。その際、乾く前の柔らかい状態のほうが茹で上がったほうれん草のような形になりやすいです。
樹脂粘土で再現した鰹節をあしらったらほうれん草のおひたしの完成です!
●煮付けの煮汁は「レジン液」で表現
最後は鯛のかぶと煮のミニチュアを製作します。煮付けの再現度を上げるには煮汁がとても重要!
煮汁表現に使うのは、紫外線に反応して固まるレジン液。色を付けても透明感を保てます。
鯛の頭の模型をレジン液に浸して時間を置くと……。
こんな具合に程よく透明感が出て、煮汁らしい雰囲気に!
製作したほうれん草のおひたしと鯛のかぶと煮に、ご飯と汁物などを組み合わせて、とてもホッとする夕食が完成しました。どれもとても精巧な仕上がりですが、使っている材料はとても身近で、仕上げ方のヒントも日常生活の中にあるミニチュアフードの世界。
樹脂粘土と水彩絵の具とともに、まずは食材のミニチュアを製作するところから始めてみてはいかがでしょうか?
※2017年12月時点の情報です。
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