1960年代に誕生し、世界中から愛されているバイクがホンダ「モンキー」です。そんなモンキーのなかでも独自の魅力を持った「Z50A」型をこよなく愛する1人の男性、竹内紀昭さんに密着していきます。
目次
●ホンダ モンキーとは?
ホンダ モンキーは1967年に誕生しました。初代モデルはキュートな赤いフレームが特徴で、さらに自動車のトランクに積載できるようにハンドルとシートが工具なしで折りたためるという、画期的なアイデアが盛り込まれていました。
もともとは、1960年代初頭に遊園地の「多摩テック」の遊具として活躍していたころから始まり、大人が乗車したスタイルが、サルを彷彿させることから「モンキー」の名前が付けられたといわれています。
初代モデルから一貫してスタイルを変えることなく製造されてきたモンキーですが、排ガス規制の壁を超えられず2017年に生産終了となりました。
●リジッドタイプのモンキー
モンキーには、派生モデルを含めて数多くのモデルが存在しますが、そのなかでも操る楽しさにフォーカスすれば3代目までのモンキーにあたる、通称「リジッドモンキー」が人気です。
リジッドモンキーはタイヤとフレームが直結していて、通常のバイクにはあるサスペンションが存在しないタイプです。
今回のオーナーである竹内さんは、フロント、リア共にサスペンションがない初代モンキーの「Z50A」も所有していますが、一番のお気に入りは2代目の「Z50A」。
初代との違いは、タイヤが5インチから8インチに変更され、フロントのみサスペンションの導入、若干のエンジンのパワーアップなど、操縦安定性が向上しています。
●体に感じる振動が魅力
今日も竹内さんは、リジッドモンキーならではの楽しさを求めて街に繰り出します。小気味よい排気音を響かせながら運転していますが、後続車両に次々と抜かされていきます。
それもそのはず、モンキーは普通のバイクと比べてもシートポジションが明らかに低いこともあって、体感速度はかなりのもので、普通のバイクのようにスピードが出せません。
しかし、大型バイクでは体感できないスピード感の魅力は、モンキーならではと竹内さんは語ります。また、現在のバイクとは安定性は雲泥の差で、わずかな路面のギャップにも跳ね回り、振動もダイレクトに伝わってくるので、扱いこなすのは至難の業といえるでしょう。
●ブレーキが特徴的
ほかにも竹内さんが、Z50A型をこよなく愛する理由の1つに、独特なブレーキ操作が挙げられます。通常のマニュアルシフト車の場合はハンドル右側にフロントブレーキ、右ステップ側にリアブレーキが装備されていますが、Z50A型の場合は自転車と同じように左右のハンドルにフロントとリアブレーキが備わっています。
またZ50A型は小径タイヤのため、ブレーキの効きを強くするとすぐにタイヤがロックしてしまうため、ゆるめのセッティングになっています。そのため、交差点では信号が変わるのを予測してブレーキを掛けないと衝突の危険性があるため、ほかのモンキーよりも気を使うそうです。
●カスタムの専門店が存在する
また、ほかのバイクと比較しても趣味性の高いモンキーは、カスタムパーツが豊富なこともあり専門店も存在します。
竹内さんは、同級生の岡田さんが経営するモンキーのカスタムショップに向かい、仲間に会いに行きました。
駐車場にはたくさんのモンキーが並び、店内にはモンキーのカスタム、チューンパーツから、エンジン、フレームまで所狭しと展示されています。
さらにこの日は、モンキーマニアの同級生である小林さんも来店していました。
竹内さんいわく、最初は「たかが原付じゃん」と思っていたのがどんどんハマッていき、気がつけば古参の小林さんよりもモンキーの沼にハマッてしまったのだとか。
そして、暑いなかでのモンキー仲間とツーリング、仲間との時間の共有となにより機嫌よく振動が伝わってくるのが、この上ない楽しさのようです。
ツーリングを終えて帰宅した竹内さんが真っ先に行うのがモンキーのメンテナンスで、自分より年上の相棒をいたわるよう、油脂類やチェーン周りを念入りにメンテナンスします。
最後は自身の疲れよりもモンキーの疲れを気にして、ねぎらいの言葉をかける竹内さんでした。
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