今回の記事は、実車さながらのスライド走行で観るものを熱狂させる、ドリフト専用のラジコン大会に密着。また数多くあるドリフトラジコンのなかでも、多数の優勝実績を誇るSHIBATA「GRK」の誕生秘話から特徴まで併せて解説していきます。
▼ドリフト用ラジコンの解説はこちら!
初心者も楽しめるドリフト用ラジコンカー 特徴や選び方、操作方法をメーカーの開発担当者が伝授
目次
SHIBATAのラジコンとは?
SHIBATAの製造・販売するラジコン「GRK」は、実車のドリフト車と同様にFR(後輪駆動)を採用することで、挙動や操作感は実車に近いフィーリングを実現しています。
GRKでは、通常のラジコンが横置きモーターなのに対して、縦置きモーターを採用する凝った作りになっています。
縦置きモーターを採用することでモーターからのジャイロ効果を得られるようになり、スライド状態でアクセルを踏んでいけるようになりました。
タイヤやホイールなどは実物を3Dスキャンして、データに起こしてから1/10にした本格仕様です。
バリエーションもプラスチックシャーシからピュアカーボンシャーシなど、豊富なラインナップとなっています。
価格はエントリーモデルの「GRK GS2EVO」が2万6000円、最新の「GRK5-R コンバージョンキット」が5万5000円、フラッグシップの「GRK5SK」が14万800円(すべて税込み)です。
※2024年11月時点の価格です
ドリフトラジコンの特徴
ドリフトラジコンの特徴は、通常のラジコンに比べてフロントタイヤの切れ角が大きくなっていることです。タイヤの切れ角を大きくすることでテールがスライドしたときにカウンターを当てやすく、スライドしたままの走行が可能です。
ほかにも、タイヤのグリップをあえて落とすことでテールが滑りやすくなるだけでなく、ドリフト状態のコントロール性も高まります。
さらに近年のドリフトラジコンには、カウンターステアが自動で行われるステアリングジャイロが搭載されているので、初心者でも取り組みやすいといえるでしょう。
ラジコンが生まれた経緯
ラジコンが生まれたきっかけは、もともと自動車パーツの製作やレーシングカーのチューニングを行う柴田自動車の代表柴田氏が、会社の敷地にラジコンサーキットを併設することから始まります。
併設したラジコンサーキットがラジコンマニアの間でウワサとなり、YouTube配信がされることで世界的な規模で認知されるようになりました。そこで柴田氏は培ってきたノウハウをラジコンに転用し、オリジナルモデルを製作します。
サーキットでの先生のラジコンさばきに驚愕!
柴田自動車の従業員であった蕎麦切 広大選手(現在は実車のワークスドリフトドライバー)が、初号機である「GRK」でラジコン大会に優勝し、さらに翌年も優勝。そこで多くのラジコンドライバーから製品化の声が高まり、GRKが市販されるようになりました。
GRK最強決定戦とは
「GRK最強決定戦」は、GRKシリーズを使用して「誰が一番上手にドリフトできるか」を競う大会です。実車のドリフト大会「D1グランプリ」と同じ仕様をラジコンの大会にフィードバックし、実車の大会と変わらないものが採点基準となります。
サーキットのレイアウトや配信用の構成も、実車の大会と変わらないほどの忠実ぶり。大会はマニアの総本山と呼ばれるTamTam名古屋店で行われ、2024年で3回目を迎えます。年齢層は年々若年化していて、今後もますます増加傾向にあるようです。
優勝者はこの方!
大会はセミファイナル後、すぐさまファイナルがはじまり、4年連続チャンピオンを目指す吉波隼選手と敗者復活から勝ち上がってきた嶋田拓望選手の一騎打ちとなりました。
GRKのドリフト大会は単走方式と追走方式があり、追走方式は先行車の走りに後続車がどこまで併せられるかがカギとなります。
1本目は吉波選手が先行車で走行、コーナーだけでなくS字クランク走行もぴったりとしたドリフトで合わせる嶋田選手に会場の熱気も高まってきます。
2本目はディフェンディングチャンピオンの吉波隼選手が後続車で挑戦。コーナーの進入から脱出時においては、車体の半分以下まで寄せてのドリフト走行で会場からも歓喜の声が上がりました。
結果は、最後まで粘り強く安定した走りの嶋田選手が、悲願の初優勝を果たしました。嶋田選手は去年の大会で3位という本人には不本意な結果に終わってしまったこともあり、1年間しっかりと調整をしていたようです。
※この記事の掲載内容は更新当時の情報です。
この記事の番組を動画配信で観る
この記事をシェアする