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帝国海軍 零式艦上戦闘機五二型(三菱製・中期型)
毎年秋に開催される模型玩具の製品見本市である「全日本模型ホビーショー」が、2024年10月12日と10月13日に東京ビッグサイトで開催されました。70社以上の企業がブースを展開するなか、新製品の零戦が模型界で大きな注目を集めているファインモールドの鈴木社長に話を聞きました。
目次
全日本模型ホビーショー2024、「ファインモールド」のブースに密着
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ファインモールド代表取締役社長・鈴木邦宏氏
全日本模型ホビーショーはプラモデル・ラジコン模型・鉄道模型のなどの新製品を展示する見本市で、2024年に開催された「全日本模型ホビーショー2024」は62回目を迎えるほど、歴史のあるイベントです。
「アオシマ」や「タミヤ」など世代を超えた人気を誇るメーカーが出展するなか、今回は愛知県豊橋市に本社を構える「ファインモールド」の代表取締役社長である鈴木邦宏氏に密着しました。
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戦車や飛行機などを当時の実物設計図やマニュアルなどを基に忠実に再現
従来の模型の作り方とは異なる「胴体一体成形」に
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新製品の「帝国海軍 零式艦上戦闘機五二型(中島製)」価格は4,950円(税込み)
ファインモールド注目の新製品は、大戦機の代名詞とも言える『零戦』です。
従来の模型の作り方は左右の胴体を貼り合わせることがほとんどですが、今回の新商品では「胴体一体成形」を採用。実機と同じ前後分割構造とし、後部胴体においてはスライド金型を用いた一体成型とします。
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スライド金型を採用することで実機さながらの再現度を誇る
通常の金型では作れない「風防」に工夫を
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これまで塗装の難易度が高かったキャノピー
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窓枠とガラスを別パーツ化することで作業効率だけでなくリアリティも向上
ファインモールドの零戦は、細部にまでこだわりが詰まっています。
風防は同社の超精密ディテールアップパーツである「ナノ・ドレッドシリーズ」の技術を応用し、プラパーツの彫刻を限界まで高めています。ほかにも窓枠とクリア部を別パーツ化することで、模型製作の障壁となりがちなクリアパーツのマスキングが不要となりました。
令和の時代になぜ零戦のキットを販売するのか
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コックピットやエンジン周りの精密さは三次元レーザー彫刻機で再現
ファインモールドが令和の時代にあえて零戦のキットを販売するのは、鈴木代表の強い想いがあるから。
昔のプラモデルは購入したらすぐに作っていましたが、現在のモデラーはパーツを見ただけで先が読めるため、作ることなく箱を積み上げるのが多い傾向だと語ります。
せっかくの零戦を作ってもらうには新たなアプローチが必要だと感じ、従来にはない金型を導入して特殊成形に取り組んだとのこと。
零戦は設計技術の第一人者でもある「堀越二郎」さんが、苦しみ抜いて製作した飛行機であるからこそ「我々も今までの常識を覆せる模型を作らないとダメ」という強い思いで開発を進め、今回の新商品発表に至りました。
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ファインモールドはわずか9人の少数精鋭の企業
2024年12月に出荷が開始されたファインモールドの新・零戦。すでに在庫切れが発生するほどの人気ぶりです。模型店などで見かけた際はぜひ手に入れて”令和の零戦”を体感してみてはいかがでしょうか。
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