三河湾の高級食材「とり貝」の解禁初日に密着 ヒリヒリする時間制限のなか、漁は3本勝負!【蒲郡市】

愛知あたりまえワールド

  • 木の板の上に置かれたとり貝

    春先から限定で出回る三河湾の高級食材「生とり貝」。

寿司ネタとしてもお馴染みの「とり貝」。じつは春先に入ると希少価値の高い「生とり貝」が出回り、1個2000円で取引されることもあるそうです。特に愛知県はとり貝の三大産地として有名な場所。産地の蒲郡市では例年、争奪戦が繰り広げられています。そんな「緊張感が半端ない」という高級食材漁解禁日の様子を密着取材しました。

「生とり貝」の評判を市場と漁港で調査!

  • 鮮魚店の人が話す様子

    聞けば聞くほど驚く「生とり貝」の魅力。

蒲郡市の魚市場で生とり貝について話を聞くと「年中出回るとり貝は加工した冷凍もの。”生とり貝”が出回るのは春先から少しの期間のみ」といいます。甘さや食感が段違いなうえ、銀座の高級寿司店から直接電話で注文が入るほどの逸品だとか!

  • とり貝をしゃぶしゃぶした様子。箸でとり貝をつかんでいる。

    食感と風味を楽しめるとり貝のしゃぶしゃぶ。

漁師いわく春先から出回る生とり貝の味はピカイチで、特に生から半生をしゃぶしゃぶするのがオススメなのだそう。

一方、漁については時間や日数が限られているほか、仲間の漁師とせめぎ合いをすることもあるため1年のうちで最も緊張するといいます。

交渉の結果、とり貝解禁初日の取材同行が可能に!

  • 船の上で壁谷さんが話す姿。

    蒲郡市の最年少漁師・壁谷さん

これまで解禁日の撮影は行ったことがないとのこと。今回は「同乗して撮影するだけ」という条件で、2024年のとり貝解禁初日の4月1日に漁に密着取材させてもらいました。

密着した漁師は、蒲郡市の最年少漁師・壁谷(かべや)さん。旬を迎えた頃は1年で最も高い値がつくそうで、解禁初日は生活を左右する重要な日でもあります。

  • とんかつなど壁谷さんの大好物がテーブルに並ぶ。

    解禁初日のとり貝漁は壁谷家にとって一大イベント!

前日の食卓には、壁谷さんの大好物である料理が並び、奥さんからのエールが伝わります。壁谷さんの妹さんによれば、食卓に並ぶ生とり貝が一番新鮮でおいしいとのこと。身内だからこその特権です。

小型底引き網でとり貝を狙う!

  • 漁に出る一隻の船。

    解禁初日の漁へ早朝から出発してスタンバイ。

いよいよとり貝解禁初日。三河湾にある沖島の東側が、決戦の舞台です。明るくなった海を見渡すと、約40隻にものぼるライバルの船の姿が! 6時〜7時までの制限時間わずか1時間となるとり貝争奪戦。巨大な網を海底に垂らし、網に付いている歯で貝をかき出す、「小型底引き網漁」という漁法を用います。

  • 船を運航する壁谷さん

    ヒリヒリする緊張感! 真剣な眼差しの壁谷さん。

たった3回のチャンスで、とり貝が多くいるポイントを引き当てられるかが勝負のカギ! 開始のときが近づくと、船内は緊張のムードに包まれます。

解禁初日なこともあり、どこにとり貝がいるのかポイントもはっきりとは分からず、手探り状態です。ライバルたちの動きを注視しつつ、ポイントを絞り込んだら漁を開始します。

果たしてとり貝は獲れたのか?

  • 大量のとり貝が船内を埋め尽くす様子。

    豊漁時の写真。とり貝は年によって豊凶の差が大きいのだそう。

網を海底に下ろしたら、とり貝のいそうなポイントを探りながら、船を進めていきます。果たして、生とり貝にありつくことはできるのか?

1本目! 一定の漁獲量はありましたが、残念ながらとり貝はいませんでした……。こちらは豊漁のときの写真です。

  • とり貝が獲れた様子。

    3本目にして何とかとり貝が獲れた!

チャンスはあと2回。少しポイントを変えて下ろした2本目も、ほとんど貝殻やヒトデばかり。

ラストチャンスの3本目で獲れていました! ライバルの漁師たちもこの日のとり貝はまだ小ぶりで、皆さん苦戦している様子でした。

漁師ならではの「とり貝」尽くしの豪勢な食卓

  • テーブルにはとり貝の寿司やパスタなどが並んでいる。

    初物でとり貝尽くしの食卓。

貝殻を開いて内臓をとると、店頭に並ぶとり貝の見た目になります。初物に壁谷さんのお子さんたちも嬉しそう。壁谷さんの粋なはからいで、獲れたてのとり貝をお呼ばれしました。とり貝の寿司やパスタ、天ぷらに醤油バター炒めと、とり貝尽くし。漁師の食卓でしか実現できないぜいたくぶりです。

  • 身を開かずに、はらわたも一緒に茹でた生とり貝が器の中に入っている。

    漁師イチオシの食べ方は丸茹でだとか。

身を開かずに、はらわたも一緒に茹でた生とり貝は、通称「とんぼ」と呼ぶそう。丸ごと茹でれば、お酒にピッタリのおつまみにピッタリです。コクがあってビールが進む三河湾の「とり貝」。笑顔あふれる漁師の食卓で、お腹も心も満たされました!

※この記事の掲載内容は更新当時の情報です。

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