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五条川の春の風物詩「のんぼり洗い」の担い手にも密着
三河・尾張・名古屋と、愛知各地に広がる桜の風景をめぐる日帰り旅へ。今回は名所を巡るだけでなく、桜の季節を心待ちにする人々の声にも触れていきます。
愛知を代表する桜スポットをたどりながら、その土地ごとに育まれてきた桜の楽しみ方と、人々の想いを少しだけ深掘り。春の魅力を感じる旅に一足早く出かけました。
三河を彩る春の主役。岡崎城公園の桜と人々の熱気
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家康公行列や舟あそびなど、桜まつりの期間中は見所がたくさん
まずは三河エリアの名所からご紹介。春の訪れとともに人々の期待が高まるのが、岡崎市の岡崎城公園。乙川沿いに約800本のソメイヨシノが咲き誇り、夜にはライトアップされて幻想的な夜桜が広がります。
地元の人々が心待ちにしているのは「岡崎の桜まつり」です。なかでも目玉となる「家康公行列」は、約700人が武者姿で練り歩く壮大な時代絵巻。岡崎ゆかりの著名人が登場するのも見どころのひとつです。
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満開の桜を眺めながら、春限定の桜メニューを味わえる
さらに、舟の上から花見を楽しむ「舟あそび」や、桜と電車が織りなす風景など、春ならではの楽しみが各所に広がります。
桜を愛してやまない人は飲食店にもいます。大きな窓越しに桜を望むレストラン「桜moon」では、開花シーズンになると連日満席に。紅くるり大根を使った桜色のスープや、桜の葉を練り込んだフォカッチャなど、料理でも春を表現しています。
また、園内には神代桜や滝桜、淡墨桜といった各地の名木が接ぎ木されており、一度に多彩な桜を楽しめるのも魅力です。
桜と伝統が織りなす風景。尾張を代表する桜回廊・五条川へ
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桜咲く水辺を、SUPでゆったりと満喫
続いては尾張エリアへ。岩倉市を中心に約15km続く五条川の桜並木は、東海屈指のスケールを誇る花見スポットです。
川沿いには約4000本の桜が並び、満開時にはまるでトンネルのような景観が広がります。桜まつりの期間中は多くの人でにぎわい、近年はSUPで水上から花見を楽しむスタイルも注目を集めています。
近くの酒蔵では、桜酵母を使った珍しい日本酒「五条川桜」も登場します。春を感じる一杯とともに、新酒祭を楽しみにしている人も多いようです。
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懐かしさ漂う、風情ある「のんぼり洗い」の光景
岩倉で忘れてはならないのが、春の風物詩「のんぼり洗い」です。手染めの鯉のぼりを川で洗う伝統的な作業で、冬から春にかけて行われます。
この地で約400年続く染物店では、今も一つひとつ手作業で鯉のぼりを制作しています。完成までに2週間以上を要する大作です。
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のんぼり洗いの担い手ならでは、川の中央から望む桜の特等席
かつて「さくら名所100選」に選ばれて以降、桜と鯉のぼりが共演する風景が話題となり、観光客も増加しました。近年は桜まつりの時期に合わせて「のんぼり洗い」を行い、この景色を守り続けています。
にぎわう岸辺とは対照的に、川の中央は静寂に包まれます。水面の上から眺める桜のトンネルは、特別なひとときです。職人たちにとっても、春は待ち遠しい季節となっています。
名古屋の定番花見スポット。山崎川で出会う春のひととき
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蕾が膨らんで開花し、散っていくまで毎日の変化を楽しめる
最後に名古屋市へ。市内屈指の桜スポットといえば「山崎川」。約600本のソメイヨシノが川を覆うように枝を広げ、美しい桜のアーチをつくり出します。
川沿いでは、毎日の散歩を楽しむ夫婦や、開花を待ちわびる人々の姿が見られます。つぼみがふくらみ、今にも咲きそうな瞬間に、春の気配を感じている様子です。
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桜に包み込まれるようなロケーションの「かなえこはし」
おすすめの撮影スポットとして挙がるのが木造の「かなえこはし」です。思い出の写真を残す場所としても人気があります。
また、山崎川は野鳥の宝庫としても知られ、「空飛ぶ宝石」と呼ばれるカワセミやチョウゲンボウなど、桜とともに自然観察を楽しむ人も多く見られます。
桜を楽しみにしているのは子どもたちも同じです。毎年訪れているという少年は、自身の成長とともに桜の記憶を重ねています。
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桜が満開の時は、通過する一瞬でも絶景を楽しめる
さらに、老舗和菓子店では花見だんごや草餅、季節限定のさくら団子が並び、春の訪れを感じさせます。
ひな祭りから端午の節句まで続く繁忙期のなかで、店主流の花見は“橋を渡りながら一瞬で楽しむ”という効率的なスタイル。わずか数秒でも、春を満喫できるのだそうです。
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