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幻のメスのウナギ「葵うなぎ」。普段、私たちが食べているウナギのうちメスは5%
愛知県西尾市の一色町は、町単位では日本一の生産量を誇る“ウナギの聖地”。地元の人たちにとってウナギは、日常の味として冷蔵庫に常備され、贈り物としても日々やりとりされています。今回は、そんなウナギの町・一色町で愛され続けるウナギの文化と、世界初の技術で生まれた幻の「葵うなぎ」の魅力に迫ります。
一色流!家庭で楽しむウナギの味
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一色町ではウナギをフライパンで蒲焼きにするのが定番
一色町の人たちによると、家庭で楽しむのに最適なのは「ウナギの煮付け」。白焼きを煮汁でじっくり煮ることで、柔らかく上品な味に仕上がるといいます。
ある家庭では、解凍した白焼きをフライパンで焼き、日本酒をふりかけて蒸し焼きに。そこにタレを絡めれば、ふっくら香ばしい蒲焼きの完成です。
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ウナギをこれでもかと使う、家庭ならではの「うなぎまぶし」
そしてなんと、ウナギを5匹を使った「うなぎまぶし」も登場! 炊きたてご飯にたっぷりの蒲焼きをのせた、まさに家庭ならではのぜいたくなメニューです。
さらに一色の人たちにとって、BBQの主役もウナギ。炭火で白焼きをパリッと仕上げるのが一色流の楽しみ方だとか。ウナギの燻製まで手作りしてしまうツワモノもいて、これがまた絶品といいます。
なぜ、一色町がウナギの一大産地になったのか
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一色産のウナギ
一色町のウナギの養殖は明治27年から始まりました。伊勢湾台風後の塩害をきっかけに、農地が養殖池へと転換。その後、全国一のウナギの町へと発展したのです。質の高いウナギができる秘訣は、育て方にありました。大規模な養鰻場(ようまんじょう)で、ストレスが少なく、限りなく天然に近い環境で育成。そのため良質な脂がのり、皮の柔らかいウナギが出来上がるそうです。
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一色うなぎ漁協でサイズごとにウナギを仕分け
成長したウナギは、一色うなぎ漁協で大・中・小のサイズに選別。その中でも、ひときわ大きく青みがかった光沢を放つのが、メスのウナギ「葵うなぎ」です。「葵うなぎ」と名付けられるのは、330グラム超の特大サイズのみ。2024年から一色町の卸業者などで販売が始まり、“幻のウナギ”として注目を集めています。
幻のメスのウナギ「葵うなぎ」とは?
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青みがかった艶の美しいメスのウナギ
実は、私たちが普段食べるウナギの95%以上がオス。そんな中、6年かけて身が柔らかく、皮の薄いメスのウナギを育てる技術を、世界で初めて開発しました。
世界初!特大のメスウナギ「葵うなぎ」誕生秘話
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「葵うなぎ」を手掛けるウナキング
「葵うなぎ」を仕掛けたのは、その名も“ウナキング”。彼いわく、赤身肉のようなオスのウナギに対して、メスのウナギはまるで霜降り肉のようなうまみと柔らかさが特徴なんだとか。
通常、ウナギはそのほとんどがオスに育つといわれています。しかし、ウナキングの父が管理する養鰻場では、大きなメスのウナギがたくさん育てられていました。
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メスのウナギを養殖する秘訣は大豆イソフラボン
「シラスウナギ」と呼ばれる生まれたての稚魚には性別がないこと。そこに目をつけ、大豆イソフラボンを約2カ月与えることで、体の大きなメスのウナギへと育てることができるのだそうです。
週末限定で営業する「焼鰻」へ
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七輪で焼いたウナギに好みの薬味をのせて
この幻の「葵うなぎ」を味わえるのが、週末限定で営業する人気店「焼鰻(ヤキマン)」です。開店前から行列ができ、1時間で完売することもあるほど。七輪で自分好みの焼き加減を楽しめるスタイルで、薬味や卵黄をのせた「うな丼」も絶品なんです!
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採算が取れているのか心配になってしまう衝撃の「焼鰻食べ比べセット」(3480円)※卵黄は+110円
ひと口食べれば驚くほどのおいしさの「葵うなぎ」。皮はパリッと、身はふわふわ! しかも脂がたっぷりとのって、ジューシーな味わいです。
味の違いを楽しめるようにと「三河一色産のうなぎ1匹(オス)」と「葵うなぎ(メス)」の2種類をセットにした「焼鰻食べ比べセット」(3480円)も登場。これは破格のぜいたくセットです!
最新の養殖技術と、熟練の養鰻師の経験が生み出した“奇跡のウナギ”「葵うなぎ」。その驚きの味、ぜひ一度味わってみてください!
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