ドラマ版「ゴールデンカムイ」舘ひろしさん、矢本悠馬さんにインタビュー「土方歳三役ができたのは幸運。原作者に感謝」

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  • (左から)矢本悠馬さん、舘ひろしさん、長江麻美アナウンサー

    (左から)矢本悠馬さん、舘ひろしさん、長江麻美アナウンサー

大人気コミックが原作の映画『ゴールデンカムイ』。その続編が10月6日(日)から、「WOWOW」で独占放送・配信されます。そこで、メインキャストとなる土方歳三役の舘ひろしさんと白石由竹役の矢本悠馬さんにインタビュー。矢本さんからは過酷な極寒ロケのエピソードが、舘さんからはお茶目な“だじゃれ”が飛び出しました!(聞き手/テレビ愛知アナウンサー長江麻美)

『連続ドラマW ゴールデンカムイ ―北海道刺青囚人争奪編―』あらすじ

日露戦争を生き残り、「不死身の杉元」と呼ばれた元軍人・杉元(山崎賢人)は、アイヌの少女・アシリパ(山田杏奈)、網走監獄の脱獄囚・白石(矢本悠馬)とともに、金塊のありかを示す暗号を彫られた24人の“刺青囚人”を探していた。だが、大日本帝国陸軍や元新選組「鬼の副長」こと土方(舘ひろし)も“刺青囚人”を狙っていて―。

●ドラマ版もスケールが大きくて面白い

――いよいよドラマ版のスタートですね!

舘ひろし(以下、舘)「ドラマはもう、矢本くんの世界ですから。もう飛び回っていますから。スケールが大きくて、すごく面白いです」

――矢本さん、そう言われていますが?

矢本悠馬(以下、矢本)「いやいや、もう土方さんの見せ場めちゃくちゃありますよ!」

「僕少ししか出てない」

矢本「そんなことない! 一番好きなシーンは土方さんのシーンですし」

「そうですか?」

矢本「出てます! 出てますから!」

一同「(笑)」

矢本「この作品がみなさんに届くの、ワクワクしていますよ。映画と並行で撮っていたのもあって。結構厳しい季節の中、みんなで戦ってやっとみなさんに届くんだなって思うと、楽しみですね」

●過酷な寒さの中での撮影

――撮影は真冬でしたか?

矢本「冬から夏前くらいにかけてですね」

「僕はちょうど2月・3月かな。でも、そんなに寒いっていう記憶がなかったのはどうしてかな?」

矢本「土方は冬の山の大変なシーンがないんですよ!」

「こちら(矢本さんたち)はすごいんですよ。雪の中行っているでしょ? 僕はわりと港町とか洗練されたところに……(笑)」

一同「(笑)」

――矢本さんは服を着ていないシーンがあるので、寒さも体に堪えた?

矢本「寒いを超えて、痛いんすよ。乳首なくなったかと思いましたもん(笑)。痛すぎて、『俺、落として帰ってねーよな?』って普通に思いました」

――そんな中での演技が素晴らしかったです。

「すごいですよね、本当に勉強になりました。軽くお芝居をされているんです。矢本くんのお芝居を見ていると、ああいう風にできたらいいな、と思っちゃう」

――どのように役作りをされましたか?

矢本「体は頑張りました。今回の作品では舘さんの言う通り、『軽やかに』というのは考えていましたね。キャラクターの中で唯一、思想や信念みたいなのがないという軽さは出していかないといけないし、白石が出てきたときにホッとしてもらわなきゃいけないっていうのもあったので。1人だけリズムをコミカルに変えていかなきゃな、というのは意識していました」

――たしかに、緊迫したシーンが多い中で白石が出てくるとホッとしました。

矢本「ほかの皆さんがしっかり演じて土台になってくださったので、僕のキャラクターが良い意味で強調されたのかなと思います」

●土方歳三役はいつかやりたいと思っていた

――舘さん演じる土方歳三は、立ち姿にすごみを感じました。オファーを受けたときはどのようなお気持ちでした?

「土方歳三という役は、やりたいと思っていた何人かの歴史上の人物の中の1人でした。でも、もうこの年で土方歳三はできないなと思っていたら、『ゴールデンカムイ』のお話をいただいて。本当に幸運だったな、と。ゴールデンカムイの原作者に感謝ですね」

――土方歳三は歴史上の人物としてのファンも多い、プレッシャーはありませんでしたか?

「みなさんの土方のイメージがあるので、それとゴールデンカムイの土方のイメージもありますから、なるべく添えればいいかなと思いましたね」

――どのように役を作っていきましたか?

「あんまり僕は役作りって考えたことないんですよ。かつらをかぶって眉毛をつけると、そういう風になってくるかな、と。ただ今回は、小説の『燃えよ剣』をもう一度読み直して、自分の中の土方をイメージしました。そこからあとは出たとこ勝負」

※「燃えよ剣」は司馬遼太郎の歴史小説。幕末の動乱期、新選組副長として生きた土方歳三の生涯を描いている。過去に映画化やドラマ化もされている名作。

――矢本さんから見て舘さんの演技というのは?

矢本「舘さんが1人で立っているときの画力や説得力が強烈でしたね。俳優をされてきた歴史も感じましたし、画になる説得力というのは努力して追いつけるものでもないので、舘さんが持っているご本人のすごさでしかないです。憧れますよ」

「僕に憧れちゃだめですよ。ダメになっちゃいます(笑)」

――立っているだけでもう、素敵ですよね。

「“舘”ひろしっていうくらいですからね」

一同「(爆笑)」

「くだらないね、ごめんなさいみんな(笑)」

●山崎賢人さん山田杏奈さんとのシーンはドキドキだった

――杉元、アシリパとのシーンはどんな雰囲気でしたか?

矢本「映画のラスト、グルメのシーンが初めて杉元(山崎賢人さん)とアシリパ(山田杏奈さん)に会った日でした。どうやって3人で芝居を組み立てていくんだろうって、3人ともドキドキしていましたね。しかもラストのシーンだったので、うまくいくのかな、みたいな感じでした」

――これまでに共演されたことはありますよね?

矢本「もともと共演はしていましたけど、ここまで個性が強いキャラクターで3人とも会ったときに相性良く3人が絡まっていくのかな? と思って。でも素晴らしかったですよね、2人とも」

●名古屋出身の舘さん、好きなグルメは「ひつまぶし」

――アイヌ料理がたくさん出てきて、とても勉強になりました。名古屋にもさまざまなグルメがありますが、舘さんが好きな名古屋グルメは?

「今好きなのは『ひつまぶし』。でも僕、絶対にお茶漬けにはしないんですよ」

一同
「えーー!」

「山椒もあんまりかけなくて、ワサビとネギ。名古屋って蒸さないんですよね。焼いただけで。割とかたくて、子どものときは最後の方は飽きちゃう。あれを切って食べやすくしているから、おいしいんだと思う」

●みんなで食卓を囲んだ“最後の晩餐”が印象的

――お2人の好きなシーンは?

「みんなで食卓を囲んでいるシーンがあって。レオナルド・ダ・ヴィンチの『最後の晩餐』風に撮っているんですよ。これは面白い撮り方をしているなと思いました」

矢本「僕は橋の上の土方が好きですね。拳銃回して若造に一言、強く言い放つシーンがあるんですけど、そこはたまらなくカッコいいです。西部劇みたいなシーンになっています」

――矢本さんご自身が「このシーンは大変だったから見てほしい」と感じる場面はありますか?

矢本「川に入ったりまた裸になったりしているんで。そこは、スキップしないでほしいですね(笑)」

「いっぱい駆けずり回っていてね、軽い感じですごいよ」

――最後に、視聴者へメッセージをお願いします。

「大変スケールの大きな作品になっています。映画のあのドキドキワクワクが、ドラマ版『ゴールデンカムイ』として帰ってきたので、ぜひご覧ください」

※山崎賢人の「崎」は「たつさき」、アシリパの「リ」は小文字が正式表記

連続ドラマW ゴールデンカムイ―北海道刺青囚人争奪編―
「WOWOW」にて10月6日(日)午後10時から独占放送・配信スタート(全9話/第1話無料放送)

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