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(右から)月城かなとさん、長江麻美アナウンサー
3月20日から公開されている映画『白雪姫』。ディズニー初の長編アニメーションとして長年愛されてきた本作が、この春ファンタジー・ミュージカルとして実写化されました。
「この世で一番美しいのは誰?」という印象的なセリフで物語を引き立てる女王のプレミアム吹替版声優を務めたのは、元宝塚歌劇団月組トップスターの月城かなとさん。本作の中でも圧巻の歌声を披露されていますが、難しかったこともあるそうで……。その裏側をたっぷり伺いました。(聞き手:テレビ愛知アナウンサー 長江麻美)
女王役が決まったときは叫び…そうだった
――オーディションから参加されて、女王役が決まったときはどんなお気持ちでしたか?
月城かなとさん(以下、月城)「いつか吹き替えに挑戦したいと思っていたので、決まったときはとってもうれしくて、叫びそうになりました。エレベーターの中だったので叫べなかったんですけど、飛び跳ねて叫びたいぐらいうれしかったです」
――飛び跳ねられることもあるんですね!
月城「あります! エレベーターじゃなかったらきっと飛び跳ねていたと思います」
――吹き替えは初挑戦、トップスターの月城さんでも違う緊張感があった?
月城「やはり自分の顔や表情が見えていない状態で声だけで演技するのが、とても難しかったです。マイクに声を乗せるような発声も難しくて。声優さんへのリスペクトが増しまして、イベントでお会いしても、『あ、本物の声優さんだ!』っていう感じでした。もう一度会えたらうれしいなと思います」
注目して観てほしいのは女王の歌
――女王を演じるうえで大切にされたことは?
月城「今回、女王の内面のちょっとした焦りや弱さがすごく素敵に描かれている印象だったので、そこを大事にしたいなと思いながら吹き替えをしていました」
――白雪姫といえば、女王が鏡に向かって話すシーンが印象的。観る人の中でイメージが出来上がっている分、大変だったのでは?
月城「今回、鏡の前でセリフを言うシーンが何回もあって、それぞれに心情が違うんですよ。そこもうまく表現できたらな、と思っていました。同じセリフですが、いかに気持ちを変えてマイクに声を乗せられるか、苦労しながら録った思い出がありますね」
――特にお気に入りのシーンを教えてください!
月城「女王の歌です。あのシーンはアニメーションではなかった部分で、女王から老婆に変身していくシーンを、歌でミュージカル風に表現しています。声も、女王から老婆に変わっていくので、注目しながら見ていただけたらうれしいですね」
――「これ全部月城さんなんだよな…」と思いながら拝見しておりました。
月城「面白いですよね。同じ映画の中で2つ声を演じ分けられたというのは、自分の中でもありがたい経験でした。女王から老婆になって、そこから女王に戻って結末がどうなるか、というのも楽しみにしていただきたいポイントです。アニメーション版との変わらない良さと、実写版になったことでより膨らんだ部分とを比べて、楽しんでいただきたいです」
――お気に入りのキャラクターは?
月城「7人のこびとです。こういう風に実写化されて、みなさんがよく知る歌がこんなに壮大なミュージカルナンバーになったんだ、とウルっときてしまいました」
吉柳咲良さんはまさに白雪姫
――吉柳さん演じる白雪姫はいかがでした?
月城「吉柳さん、白雪姫にぴったりだなと思いました。何がぴったりかなって考えたときに、すごくかわいらしくて優しくて。誰にでも、私に対しても『月城さーん!』ってフレンドリーに接してくださるんですけど、内面に一本芯があるんです。そこが彼女の白雪姫らしさなんだろうなと。声にも、優しいし明るいんだけど芯の強さが垣間見えるところがあって、そこが吉柳さん演じる白雪姫の良いところなんじゃないかなと思います」
――女王様にそんなことを言われたら、白雪姫もうれしいでしょうね!
月城「本人にはもう言っています(笑)。『すごいね、ぴったりだねー!』って」
観客に向けてメッセージ
お子さまから大人の方まで、幅広い世代の皆さまに楽しんでいただける実写版『白雪姫』になっています。たくさんの方に映画館でご覧いただきたいです。お時間があれば、吹き替え版でも見ていただけたらとてもうれしいです!
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