長年日本でも生産が盛んに行われている多肉植物の代表格「サボテン」は、園芸品種も含めると約1万種類以上。インテリアプランツとしても定着し、園芸店だけでなく雑貨屋などでも見かけることの多い植物です。熱心な愛好家も多く、今回は栽培歴50年というベテラン愛好家にサボテンの魅力について語っていただきました。
目次
そもそも「サボテン」とは?
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多肉植物の1つ
サボテンとは多肉植物の大きな1グループで、サボテン科の植物のことを指します。
サボテンといえばトゲですが、トゲを持つ植物が数多く存在しますし、中にはサボテンを彷彿させる姿をしながらサボテンではないものも多いです。見分けるポイントとしては、「刺座」(しざ、とげざ)というトゲの根本に土台があるかどうか。土台があるものがサボテンです。
形のバリエーションの多いサボテンは、大きく4つに分類することができます。
1.木の葉サボテン
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葉がありながら、茎の部分にトゲを持つ「木の葉サボテン」
進化の過程でその姿を変えてきたサボテン。この「木の葉サボテン」が最も原始的な姿のサボテンということになります。ほかの植物と同様に葉を持ちながら、茎の部分に刺座のあるトゲを備えています。
2.ウチワサボテン
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生命力が高く、ちぎれたところから再生する
葉をなくし茎に水分を貯めるようになったサボテンの1つで、平らで団扇のような形からその呼び名が付けられました。生命力が高く、ちぎれたところから再生することができます。
3.ハシラサボテン
ウチワサボテンと同じく茎に水分を貯めるタイプ。棒状で表面にデコボコのひだを作ることで太陽の強い日差しから身を守っています。分岐を作らない単幹タイプや柱上部で分岐するタイプなど形状は様々。
4.タマサボテン
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サボテン界でもっとも進化した姿「タマサボテン」
球状になることで表面積を減らし水分の蒸発を防いでいる「タマサボテン」が、サボテンにおいてもっとも進化した姿といわれています。
愛好家を魅了する白いサボテン
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白いサボテン
サボテンと一言では言い表せられないくらい種類やタイプが多いため、生産者にも得意分野があり、ファン層も細かく分かれます。訪問した愛好家は特に白いサボテンを好み、集め育てています。
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トゲに触れても痛くない
白い正体は表面を覆う細かいトゲ。触れても痛くありません。規則正しくびっしり生えそろったトゲは非常に見応えがあります。
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1つひとつの大きさがそろっている「姫春星」
愛好家のお気に入りはこの「姫春星(ひめはるぼし)」と呼ばれるサボテン。小さな集合体で構成され、その1つひとつの大きさが比較的そろっているほか、きれいなドーム状にまとまっているのが特徴。管理が悪いと、個々のサイズに差が出てしまい、凹凸のあるドームになってしまいます。
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変わった形状のサボテンも
こうした「綴化」や「モンスト」と呼ばれる、生長点に異常をもたらし、本来とは大きくかけ離れた姿となるタイプも珍しいがゆえに重宝されます。
「小人の帽子」育て方
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小人の帽子
白く美しく、群生した姿がかわいらしい見応えのある「小人の帽子」というサボテン。20年ほど育てている個体ですが、そのまま育てるだけで自然ときれいな群生した姿になるわけではありません。
こちらが小人の帽子の種。立派な群生体からは想像できないくらい小さいです
大体10日の間に発芽し、このような状態に。非常に小粒ですがサボテンらしいトゲも有しています
そこから半年ほどで小人の帽子らしい細かいトゲをまとった白い姿に。
発芽から約1年たった姿がこちら。すっかりそれらしい姿になっていますが、群生した形にはなっていません。
3年ほど経つと花をつけるようになります。ここが群生した姿を作るために手を加えるタイミングです。
群生した「小人の帽子」の姿を作る
3年目の株の上側を思い切って水平にカットしてしまいます。すると、カットした面から新たに4つの株が生えてきて群生した姿となるのです。
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4本の株が出そろった段階で、再度上部をカットしてさらに増やす
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長期間にわたって楽しめる趣味
発芽から5年たち、4本の株が育ってきたらさらに同じ要領でカット。すると4本のカット面それぞれから新たな個体が発生し、より賑やかな群生が完成します。この樹形が見えるまで8年。長期間にわたってその工程を楽しめる趣味といえます。
サボテン栽培最大の醍醐味とは
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サボテンの花が咲いた瞬間
滅多に咲かないサボテンの花に出会えること。サボテンはいかついトゲとは裏腹な、可憐な花を咲かせることでも知られています。朝ハウスを訪れ、サボテンの花を見つけたときの充足感は格別だそう。咲いても1日程度しか維持されないのも特別感を際立たせます。
一見、サボテンは栽培が容易と思われがちですが、実はきれいに育てるのは一般的な観葉植物よりもはるかに難しい植物なんです。姿形も千差万別。気になるサボテンを見つけたらじっくり向き合って、きれいな姿へと仕立ててみてはいかがでしょうか。
※この記事の掲載内容は更新当時の情報です。
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