-
反物を無限大の色で染め上げる「艶金」
岐阜・大垣市にある染色加工会社「艶金」。広大な工場には、反物を無限大の色で染め上げ、特殊な加工を施す驚愕マシンの数々が! 「艶金」が誇る熟練職人の神ワザと最新技術、サステナブルな取り組みに迫る。
無限大の色を生み出す 地道な努力
一つ一つオーダーを受けてから染める「艶金」最大の強みは、受注先が望む細かい色味を実現すること。工場では、数限りない色を生み出している。
実験室のような部屋には、たくさんの色の染料が。
オーダーされた色を作り出すため、まずは職人たちが染料の配合を話し合う。
その後はマシンを使って染料の配合を少しずつ変えながら混ぜ合わせ、約10種類の色のパターンを作る。
小さな染色機に布と染色液を入れ、約1時間ぐるぐる回すと…実際に染めた感じが一目瞭然! 職人の長年の経験がものをいう世界だ。
こうして出来上がった染色液で反物を染めていく。むらなく染めるためには、染料を少しずつ出しながら大量の水で溶かし、繰り返し染めていく必要があるが、反物は10反(約120メートル)もの長さがあるため、なんと12時間もかかる。
染められた反物を、巨大な丸いマシンで脱水。
そしてここからが「艶金」自慢の工程! つり上げられた反物はこのマシンに入り、特殊加工液を浴びる。
「艶金」でできる特殊加工は、肌に優しい、紫外線や静電気をカットする、蚊が寄りつきにくくなるなど、40種類以上もあるというから驚きだ。
86℃ 巨大乾燥機の内部へ!
特殊加工を施した反物は、ジェットコースターのように上へ上へと進んでいく。
-
巨大乾燥機
高さ約4メートル、横幅約30メートルもある巨大乾燥機へ。
-
乾燥機の内部
マシンの中の温度は86℃! ここで乾燥させてしっかりとシワを伸ばすのだ。
-
素人目には分からないほど小さな穴
最後はマシンでするすると流れてくる反物を、不良がないか人の目でチェック。
取材中、担当者が不良を見つけたが、その場所を教えてもらうと…なんと素人目には分からないほど小さな穴だった。まさに神ワザだ!
検品を終えた反物は、やっとロール状に。マシンでビニールに包まれ、まとめて出荷される。
ここまでかかった時間は、なんと1日半! その工程には、プロの技の数々が散りばめられていた。
サステナブルな取り組みも
-
「UCC」と「URBAN RESEARCH」がコラボし、「艶金」が染めたTシャツ
「艶金」の染めには、サステナブルなものも。例えばこちらは、使用済みコーヒーの粉から色を抽出して作ったTシャツ。コーヒーメーカー「UCC」とアパレルブランド「URBAN RESEARCH」がコラボし、「艶金」が染めた。「大阪・関西万博」でも販売され、わずか3カ月で完売に。
この他、チョコレートを作る際に出るカカオの皮を使った染料も。染色機で染めると、捨てるはずだった皮からやさしい色合いが出ていた。「艶金」は、環境に配慮した取り組みも行っている。
この記事をシェアする




