【防災&インテリアに】「トヨトミ」の石油ストーブが大人気!名古屋の工場に潜入

工場へ行こう III AMAZING FACTORY

すぐに暖まり、やかんを置けばお湯が沸く「石油ストーブ」。灯油を入れて使うため電気は必要なく、ライフラインが止まっても暖を取れる“防災グッズ”として、再注目されている。

さらに今、若い世代の間では、レトロでかわいいインテリアとしても大人気! 

今回は、そんな石油ストーブを年間30万台以上製造、世界100カ国へと輸出する「トヨトミ」の工場に潜入。知られざる製造工程、新商品の魅力に迫る。

世界的メーカー「トヨトミ」の工場へ!

  • 「トヨトミ」

名古屋・瑞穂区にある「トヨトミ」(1949年創業)の工場。創業当時は石油コンロの販売店だったが、10年後に石油ストーブの生産を開始。その品質の高さが認められ、世界的なメーカーへと成長した。

  • 反射型石油ストーブ

工場内には、大きなマシンがずらり。ここで作っているのは「反射型石油ストーブ」で、燃焼部の後ろにある反射板が熱をストーブの正面に集中させることで、効率よく暖かさを届ける。

  • 「トヨトミ」の製造工場

「トヨトミ」の製造工場は2棟あり、どちらも3階建て。長いベルトコンベヤーやリフトなどで部品が各フロアを行き来し、ストーブが作られている。

強烈パワーで、一瞬の“早技”

  • 油タンク

まずは、灯油をためる「油タンク」の製造工程を見ていこう。

第2工場の1階には、油タンクの素材となるロール状の鉄板が。

伸ばされた鉄板は巨大なマシンの中に入り、500トンもの強烈な圧力がかかって一瞬で油タンクの形に。その後は別のマシンが、灯油の注ぎ口を取り付ける。

次に待っていたのは、ロボットアーム。油タンクを「フタ」と呼ばれるもう一方の面に乗せて、くるっとひっくり返す。

今度は緑色のマシンの中へ。のぞいてみると、何かがグルグルと回っている。
油タンクの上の部分に注目すると、フチを重ねて外側に巻くことで、2つのパーツを完全に接着していた。作業前と後を比べると、しっかり接着しているのが分かる。
これなら、灯油が漏れる心配がない。

続いて、謎のボックスの中へ。ここでは、油タンクに、思い切り火炎放射が当たっていた。
灯油の注ぎ口とタンク本体をしっかりと接着するため、間にある接着剤を熱で固めていたのだ。さすがは石油ストーブの部品! これだけの火に当たっても、びくともしない。

こうして、油タンクが完成! なんと全て、1枚の鉄板から作られていた。

重要チェック!水中へダイブ!?

一方、ロボットアームが忙しく動くエリアで作っていたのは、石油ストーブの顔となる「前板」。

使うのはアルミ板で、ロボットアームがプレス機の中へパネルを入れると、ぽっかりと穴が空いた。これは、点火する時に回すダイヤルを取り付けるための穴。ここから4回のプレスをへて、本体にフィットする取り付けやすい形になる。

続いて、石油ストーブの一番下にある「油受け皿」を作る工程。油タンクと燃焼部をつなぐ重要なパーツだ。

再び超強力な500トンプレス機が活躍し、平らだった鉄板が、一瞬で受け皿の形に。

  • 部品を水の中に沈めて気泡が出ないか、人の目で検査

油受け皿に筒状の部品をセットし、プレスして固定した後は、安全性をチェック。部品を水の中に沈めて気泡が出ないか、人の目で検査する。灯油漏れしないか、確認しているのだ。
検査をクリアした部品は、時間をかけて乾かす。

そして、ストーブの側面と背面のボディを作る工程。部品となる素材をマシンに入れると、あっという間に成型完了。
ボディは全長約30メートルもある巨大マシンの中に入り、ロボットが塗装作業を行う。
塗装作業はすべてロボットが担当。ストーブの一番下に置く「置台」も、一緒に黒く塗り上げる。

 

目にも止まらぬ、流れ作業!

油受け皿と合体した「置台」と「ボディ」は長いベルトコンベヤーに乗り、組立ブロックへ。
作業エリアは二手に分かれており、画面右側では“火を灯す”内側のパーツを、画面左側では外側のパーツを組み立てる。

内側のパーツは人の手で組み立てる。点火の要となる場所に取り付けたのは、「芯」。火を灯す大切な部品だ。しっかりと固定して、少しだけ灯油を注入する。

続いて配線、オイルタンクにカバーを付け、きちんと火が点くかを確認する。先程少し灯油を入れたのは、そのためだ。これで、ストーブの内側が完成!

一方、外側の組み立てエリアでは、前板と反射板が登場。「トヨトミ」の反射板は乱反射という技術を使っており、細かく角度を変えることで、熱を前方に集中させるという特徴が。
フタをつけたらマシンが注意書きのシールを貼り、外側と内側のパーツをドッキング。燃焼筒とダイヤルを取り付ける。

ストーブはリフトに乗り、いよいよ最終チェックへ。外側や背面、油タンクが収まるかなどを確認するが、チェックにかかる時間はわずか17秒!
全てのチェックを終えたら油タンクを入れ、火が出る部分にガードを付けて梱包される。 
これだけの長い工程をへて、やっと出荷されるのだ。

「トヨトミ」が“新ジャンル”に進出!

実は「トヨトミ」、これまで培った技術を生かし“新たなジャンル”に進出していた。
それが、キャンプ用に発売している「ギアミッション」シリーズ。電気を使わない石油ストーブは、アウトドアシーンに最適だ。

  • キャンプ用に発売している「ギアミッション」

“無骨”をテーマにしたアウトドア映えするこのデザイン。2019年に発売したところ、なんと製造が追いつかず、待ちが出るほど大人気!
11月に発売した別シリーズ「ギアミッションコンロ」は、オンラインストアで発売し、わずか約5分で完売した。

  • 二次燃焼焚火台

焚火台も人気。「トヨトミ」の長年の知見を生かし、燃やして出た煙をもう一度燃やす“二次燃焼構造”のため、煙が少なく、炎が美しく見えると評判だ。

世界の冬を支える「トヨトミ」の挑戦は、これからも続いていく――。

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