森繁和と岩瀬仁紀が、2024シーズンの中日ドラゴンズ野手陣について、各データを基に振り返った。2人は、得点力の低さを補う走塁が大きな課題だと語る。
今季、盗塁数が少なかった中日
「足が使える選手を起用したのに、盗塁が12球団で一番下」と指摘する森に、岩瀬も同意。森が言う通り、中日の盗塁数は40で両リーグ通じて最下位だった。
森は「このメンバーだったら60盗塁以上はしないと厳しい。点が取れない相手に対してプレッシャーをかけるのに、これだけの選手がいたら、もっと走ってかき回す、一つ先の塁を狙っていくことを心がけても良かったんじゃないかと思う。来年に向けて、最下位争いしてるうちに実践でやっておかないといけなかった」と、走れる選手がいるにもかかわらず、それを生かせなかった反省点を挙げた。
岩瀬も「よく見ると失敗が多い。ピッチャーのクイックモーションが速くなり、キャッチャーの送球も安定して走りづらくなってはいるが、今年はどこのチームも得点力が高くなかった。走塁一つで変わるはず」と分析。
さらに森は、「他のチームの得点能力が低く、その中で中日だけ盗塁が多ければ、もっと違った。走れる選手は走らせないといけない。横浜の牧秀悟は11盗塁している。中日の村松開人は絶対に走れる」と熱弁。岩瀬も「レギュラーで出てる選手にはそこまでピッチャーは集中できないので、彼らがいかに走れるかが大事」と話した。
中日の安打数はリーグ3位であり、そのランナーを確実に還せていれば結果は違ったかもしれないと森。横浜ベイスターズ・三浦大輔監督が掲げた“走塁改革”を例に出し、「走塁を大事にしていたことから牧があれだけ走るようになり、それが得点に結びついている」と分析した。
四球の少なさも改善点
また、四球獲得数がリーグ5位だったことについても触れ、2023年の阪神は四球数の増加がリーグ優勝につながったことから「ピッチャーも、あれだけ粘られると嫌。初球から打っていってもいいが、追い込まれたらどれだけファールが打てるか、ストライク・ボールを選べるか。その差が最終的に出てくると思う」(森)。貪欲に四球を選ぶことの重要性にも着目した。
岩瀬も「バッターが追い込まれてから粘れていない。3-2までは行くんだけど、結局ボール球を振らされているところも多々ある。3-2からいかに我慢できるか」と、中日野手陣の弱点と課題を挙げた。
この記事の番組を動画配信で観る
この記事をシェアする