竹財輝之助が名古屋の純喫茶の臨時マスターに!俳優を目指したきっかけ明かす:純喫茶つながり、閉店します

連続ドラマ「純喫茶つながり、閉店します」

  • ▲連続ドラマ「純喫茶つながり、閉店します」より

テレビ愛知では、3月1日(土)午後3時30分より、連続ドラマ「純喫茶つながり、閉店します」(全5話)を放送!
喫茶店だからこその距離感でつむがれる、今も昔も変わることがない人と人との「つながり」や「ぬくもり」を肌で感じる心温まる物語。 

【あらすじ】
父の死を契機に名古屋の喫茶店「純喫茶つながり」が閉店することに。売れない小説家から臨時マスターになった典夫(竹財輝之助)とバイトの亜希菜(渡邉美穂)、常連客の小山田(小手伸也)のもとには、さまざまな悩みや背景を持った人々が集まる。悩みを抱える人たちが喫茶店での会話を通じて“人生を前向きに見つめ直す姿”をリアルに描いていく。

「読むテレビ愛知」は、俳優としてさまざまな魅力を見せる主演の竹財輝之助にインタビュー。作品のみどころはもちろん、俳優業、純喫茶への思いまで…前後編にわたっておくる。

典夫は“きっといい人すぎてダメなんだろうな”という印象です

――まずは、ドラマの脚本を読んだ感想からお聞かせください。

「読み物としてもすごく面白いです。行間も楽しいし、余白をどれだけ使うかでセリフの伝わり方が変わってくる。会話劇というか言葉遊びをしているような作品でした。
監督を始めスタッフさん、役者の仲の良さというか、作り方や作り手によって全然違う作品になってしまいそうなんですよね。小手さんや渡邉さんとの間に流れる空気やテンポがどうなるのか…ものすごく楽しみです」

――長いキャリアを経て、このような作品に出会う…今の心境は?

「ワクワクします。しかも今回、小手さんと共演できるというのも楽しみですし、渡邉さんの作品も拝見していて、共演することを楽しみにしていました。
小手さんとは何回もお会いしていますが、本格的にお芝居をしたのは1回だけ。しかもその1回が、筋だけあってオールアドリブの舞台『マーダーミステリーシアター 裏切りの晩餐』(2021年)だったんですよ。自分たちも謎解きをしながら犯人を探るという作品で、アドリブ合戦みたいなお芝居だったので、台本がある時に小手さんがどんなお芝居をされるのか…楽しみです」

  • ▲右から竹財輝之助、小手伸也、渡邉美穂

――ドラマのテーマは「つながり」。家族の話や人生観など、共感性が高くグッとくるエピソードばかりです。

「そうですね。グッとくるセリフが散りばめられています。でもそれが押しつけがましくなく、背中をそっと押してくれるようなものばかりなんですよね。セリフの言い方によっても捉え方が変わると思うので、そういう部分においてもやり甲斐を感じています」

――竹財さんが演じる典夫は喫茶店の臨時マスターで小説家ですが、このような役は初めてですよね。参考にしていることはありますか?

「何となくのイメージですけど、純喫茶と呼ばれる店のマスターって雰囲気がありますよね。独特の空気をまとっていらっしゃるような。コーヒーや器、流れる音楽などに関しても、一つのことを突き詰める探求者というか。コーヒーの味一つとっても、“この一滴で味が変わる”というのを突き詰めていらっしゃる方が多い。典夫は臨時マスターなので、今回そういう部分はあまり意識してはいないんですけど。

そういう意味で言うと、典夫は小説家なので言葉が好き。言葉に対してのマニアぶりを臨時マスターにかぶせていけたらいいのかなというのはちょっと思っています」

――去年夏に放送されたドラマ「夫の家庭を壊すまで」(テレ東系)は、スピーディーな展開とキャストの怪演が大きな話題に。竹財さんは、妻・みのり(松本まりか)を裏切り続け、別の家庭を築いていた夫・勇大役を演じました。

「あの作品に関しては、僕はもうただ悪い役なので(笑)。でも役者としては、そっちの方がやっていて楽しいかもしれません。いい人の役は、少し疲れるところもあるので」

――これまでさまざまな役を演じてきたと思いますが、それぞれ感情移入する部分はあるのでしょうか。

「全く感情移入できない役もありますけど、それはそれで振り切って演じることができるので楽しいんですよね。勇大のような役を演じる時は、“わーこんなヤツがいたら嫌だな~”という部分を意識して演じるようにしています。
個人的には、人間って誰もが“自分のこういうところが…”と感じる瞬間があるんじゃないかと思っています。そういう部分を膨らませていくという感じです。

勇大も、母親(麻生祐未)や周りの環境があってああいう人間になってしまったわけなので、“可哀想な人間だな”と同情する部分はあるんですよね。でも、やっていることは本当に悪い事なので、演じている以上そういうところは見せません。
ただ自分の中では、勇大の生い立ちが拠り所になっていました。だからかけ離れた役を演じる時、感情移入できる部分が見つかると助かるというところはあります。」

――SNSでも「勇大がクズすぎる」と話題になりました。

「皆さんにそう言っていただければ、僕はそれでOK(笑)。でもそれで言うと、今回のドラマは真逆ですね。いい人で思慮深く、人生なかなかうまくいかない感じも理解できる。“典夫はきっといい人すぎてダメなんだろうな”という感覚も伝わってきます。押しが弱いというか、こんなに真っ当な人はいるのかというぐらい真っ当な人だと思います」

――今作の舞台は名古屋。”なごやめし”も登場し、名古屋の喫茶店が地域に与えてきた影響も丁寧に描かれています。このような地域に特化した作品に思うところはありますか?

「実は去年末に初めて、地元の熊本が舞台のドラマ『夏目漱石〜吾輩が愛した肥後の国より〜』に出演したんですけど、やっぱり特別な思い入れが出ますよね。小さい頃に遊んでいた場所で仕事をするというのは不思議な感覚でした。その土地でしか出せない空気感もあると思うので、地域の独特の文化をドラマ化するというのは素晴らしいことだと思います。

僕が名古屋出身だったらもっと良かったと思いますが、出身っぽく見せられるように頑張ります(笑)。あと、自分が知っている場所や文化がドラマに出てくると、ものすごくリアルに感じられるので、そういう意味でも見方が変わりますよね」

役者にとって無駄なことは何一つもない…そういう感覚で生きています

――モデルから俳優の道へ。「仮面ライダー剣」に出演し、去年20周年を迎えました。大きく遡りますが、竹財さんが俳優の道を選んだきっかけは?

「最初はまったく興味がなかったんですけど、役者を目指している方と同じレッスンを受けたんですね。当時、みんなで同じ台本を回して稽古するというレッスンがあったんですけど、人によって発声はもちろん読み方も喋り方も違うし、話が全く違う方向に進んだりもする。“同じ人間を演じているはずなのに、こんなに捉え方が違うんだ…面白い”と思ったのがきっかけです」

――当時目指していた役者像に近づいているなという感覚はありますか?

「僕、どんな役でも何でもやりたい人間なんですよ。せっかくだったら宇宙人の役も演じてみたい。だからそういう意味では、今、いろいろな役を演じさせていただいているので、理想に近づいてると言えば近づいてるのかな?」

――役を演じる際に大切にしていることはありますか。

「お芝居は、自分が小さい頃からどうやって生きてきたかを小出しにするようなところもあるので、普段の行いは全部糧になると思っています。テレビを見て感じることもあるし、役者以外のお仕事している中でも感じることはある。それが全部“糧になる”。役者にとって無駄なことは何一つもない…そういう感覚で生きています。
お芝居をする時も、その役がどういう生活をしてきたか、どういう生き方をしてきたかというところを考えます。特に実在する人物を演じる時は、ゆかりの地に足を運んで空気に触れ、その時に感じることを大切にして役に生かしています」

  • ▲連続ドラマ「純喫茶つながり、閉店します」より

2月28日(金)夜6時に公開するインタビュー後編では、竹財さんの喫茶店にまつわる思い出など貴重なお話を伺います。

【取材裏話
インタビュー開始前、撮影のためにメガネをかけた竹財さん。記者が「普段メガネは?」と聞くと、「僕、ド近眼なので、普段は牛乳瓶の底みたいなメガネをかけています」と笑顔で明かし、周囲を和ませてくれた竹財さん。喫茶店のアイスコーヒーを一口味わい「ん? おいしい!!」と、豊かな表情を見せる竹財さんはなんともチャーミング! 取材後はアイスコーヒーをお代わりしていました。

【竹財輝之助 プロフィール】
1980年4月7日生まれ。熊本県出身。「仮面ライダー剣」(2004年)で俳優デビュー。
主演作に「劇場版ポルノグラファー〜プレイバック〜」、ドラマイズム「年の差婚」、「そんな家族なら捨てちゃえば?」など。「トリリオンゲーム」、「街並み照らすヤツら」、「わたしのお嫁くん」、大河ドラマ「鎌倉殿の13人」、「夫の家庭を壊すまで」など出演作多数。公開中の「劇場版 トリリオンゲーム」にも出演。

【第1話あらすじ】
東京で短編小説家として働く鹿野典夫。父親の死により名古屋の実家の喫茶店「純喫茶つながり」を継ぐことに。ある日、臨時マスターの典夫は、アルバイト店員の亜希菜や常連客の小山田の思いとは裏腹に純喫茶つながりを閉店させると決意する。そんな中、動画配信会社の経営者である成田が店を訪れる。部下によるSNSでの炎上に悩んでいた成田だったが、鉄板ナポリタンの存在と典夫たちと交流を通じて自分の行動を見つめ直していく。そんな中、典夫は、父の思い出が詰まった帳簿を見つけ、閉店してよいか心が揺れるのだった。

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